ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』⑰華の早慶戦~東京6大学野球 [ファイトクラブ]神宮球場は歴史的な客入り~最下位

[週刊ファイト11月09日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』⑰
 華の早慶戦~東京6大学野球~神宮球場は歴史的な客入り~最下位
 by ケン・片谷
・華の早慶戦
・東京6大学野球は、6チームによる総当たりリーグ戦
・神宮球場は歴史的な客入り2015年『早慶戦』
・ちょうちん行列と『優勝祝賀会』~早稲田最下位


スポーツの秋、真っ盛りですね!
プロ野球では、白熱の日本シリーズが行われ、各主要都市では、大きなマラソン大会も行われています。

大学のスポーツも例外ではありません。
箱根駅伝の予選会をはじめ、ラグビー、アメリカンフットボール、アイスホッケー等のリーグ戦が佳境を迎えています。そんな中、やはり最も注目されるのは『東京6大学野球』でしょう。

先だって行われた秋季リーグ戦は、途中までどのチームが優勝してもおかしくない、まれに見る大混戦でしたが、最後に大波乱が待っていました!
鍵を握っていたのはなんと東大です。これまでは『万年最下位』とか『勝ち点配給係』などと言われてきた東大野球部。
多くの大学が、高校の時から有望な選手をスポーツ推薦で集めているのに対し、東大は国立大学故に受験勉強に明け暮れ、日本一の学府を突破したインテリ集団なのですから、野球が弱くても無理はありません。

ところが、ここ数年東大の戦い方が明らかに変わってきたのです。かつて、元読売ジャイアンツの桑田真澄氏や元中日ドラゴンズの矢沢健一氏をコーチに招き入れたことがありましたが、その時蒔いた種がようやく芽を出してきた感があります。
さらに、先のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから指名を受けた、エース宮台を中心に確実に試合を作れるメンバーが揃いました。そのほとんどが、浪人して東大に入ったというのですから、まさに”文武両道”を地でいっているわけです。

東京6大学野球は、6チームによる総当たりリーグ戦


東京6大学野球は、6チームによる総当たりリーグ戦で行われます。先に2勝したチームに「勝ち点」が与えられ、勝ち点の多いチームが優勝となります。
東大は、2戦目で慶應から大金星を挙げると、法政戦では実に15年ぶりとなる勝ち点を奪い一気にダークホース的存在となりました。
一方、東大に一敗を喫した慶應は、続く法政戦で勝ち点を奪われ優勝の望みが遠のいてしまいました。
我が早稲田大学はというと、初戦で明治に1勝したものの、その後連敗続きで早くも優勝争いから脱落! 厳しい戦いが続きました。
その後、慶應が怒涛の4連勝で、一気に優勝候補に名を連ねました! 早稲田も好調東大に連勝して、意地の勝ち点1。
そして、運命の”早慶戦”を迎えたのです!

この戦いで、もし慶應が早稲田に連勝すれば優勝となり、同時に早稲田の最下位(東大と同率)が決まります。慶應が1敗でもすると現在首位の明治に優勝が転がり込みます。
絶対に優勝したい慶應と、最下位だけは免れたい早稲田のどうしても負けられない戦いが始まりました。

第1戦は、1-2と慶應が辛くも先勝。優勝に望みを繋げました。
翌日は、台風の影響で雨天中止となり、1日スライドして行われた第2戦。慶應が勝てば文句なく優勝。早稲田が勝てば明治の優勝と早稲田の最下位脱出が決まります。
結果は、慶應が2-7と打ち勝ち、見事7季ぶりの優勝を決めました。
悔しい敗戦となった早稲田は、なんと70年ぶりのリーグ最下位。しかも、ライバル慶應に負けての不名誉な記録となってしまいました。
何よりの屈辱は、目の前で慶應の胴上げを見せられたこと。この借りは来季絶対に返さなければなりません。

学生スポーツの素晴らしいところは、勝っても負けてもゲームが終わればノーサイド。お互いの健闘を讃え合い、エールを交換するところにあります。
プロ野球と違い、汚い野次を飛ばすなどということは絶対にありません。
今回も、悔しさは棚に上げ、ライバル慶應義塾大学野球部の優勝を祝いに、慶應三田キャンパスで行われた優勝祝賀会を見に行きました。
ただただうらやましく、ただただ悔しい光景でしたが、一番悔しいのは選手のはず。この悔しさを決して忘れることなく、必ずやリベンジを果たしてもらいましょう!

天国と地獄。まさに明暗を分けてしまった両校でしたが、そこには運命のドラマがあったことは事実です。これが永遠のライバルと言われ、早慶戦が”華の早慶戦”と呼ばれるゆえんでしょうか?
東京6大学野球の中にあっても、早慶戦だけは別格です。
通常、1日2試合ずつ行われるリーグ戦も、早慶戦だけは必ず最終週に単独で行われます。
両校、若しくはどちらかの大学に優勝が懸かっていると、さらに盛り上がりを増すのです。
それでは、早慶戦の歴史と、オイラが入学してから体験した数々の名勝負をご紹介しましょう。

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