[週刊ファイト11月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼[ファイトクラブ]古館伊知郎の罪とらじおとPURE-Jと蝮さんと
photo text by こもとめいこ♂
・過激なアナウンサー古館伊知郎氏が『報道ステーション』で社会にもたらしたもの
・プロレスメディアの罪と罰。プロレスを報道に持ち込むアノ週刊誌の愚行
・北の脅威というアングルが今回の選挙の勝因と麻生太郎がポロリ
・PURE-J亀アリーナへ来場したラジオの鉄人・蝮さんの哀しみ
ラジオの聴取率週間が始まった10月16日(月)の朝、久米宏氏がTBSラジオを牽引する聴取率トップの番組『伊集院光とらじおと』に出演した。
https://www.tbsradio.jp/191444
そこで、SNSで拡散しないでほしいといいながら初めて語ったのが、全身全霊を傾けていたという『ニュースステーション』を降板した直後の想い出。
久米宏氏は後任の古館伊知郎氏によって始まった『報道ステーション』を見た時に
「辞めなきゃよかったな…」
と、思ったという。
久米氏のニュースステーションにおけるスタンスは、報道されても解らないことは解らない、つまらないことはつまらないということ。
何故ならニュースをわかりやすく話すことは不可能で、ニュースの裏では何が起こっているか、本当のことはわからないからだという。
『報道ステーション』は逆のことをやっていた。
その両アナウンサーのスタンスの違いを瞬時に
「古舘さんは曼荼羅、全部書き込もうという立場。久米さんは空。全部は書き込めないという立場」
と評した伊集院光氏は流石ラジオの神様であったが、これは古館伊知郎氏と久米宏氏両アナウンサーとしての出自の違いが原因であろう。
過激な実況でプロレスファンにはお馴染みの古館伊知郎氏のアナウンサーとしての原点は、文化放送の元祖絶叫アナウンサー・戸谷真人氏。
氏の持ち味は、ホームランで花火が打ち上がっていたころの西武球場の中継で、外野フライで大騒ぎしてラジオを聴いていた球場スタッフに勘違いさせて花火を誤射させた実績を誇る元祖煽り型実況。
古館アナのプロレス実況はそれをさらに過激に過剰にしたもので、実際はリング上ではなく、雑誌のインタビューの見出しだった「噛ませ犬」という単語をあたかも長州力がいった事として実況で多用し、革命を後押ししたのエピソードが象徴的だが、プロレスをより過激にショーアップさせるという点では、まさにうってつけの名アナウンサーだった。