[ファイトクラブ]ハポン軍団と滝澤大志。爆笑と号泣のKAIENTAI DOJO

[週刊ファイト10月26日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼[ファイトクラブ]ハポン軍団と滝澤大志。爆笑と号泣のKAIENTAI DOJO
 photo text by こもとめいこ♂
・「ハポン軍団のヘビー級誰か」は立ってるだけで画になるSANADA
・プロレスを知り尽くしたTAKAならではの通を唸らせるサプライズフィニッシュ
・TAKAタイチ劇場は負けてから! マ・ジ・で! ト・マ・ト! マ・ジ・だ! の応酬
・滝澤大志号泣戴冠! 次戦に梶トマトを指名「滝トマでしかできない闘い」宣言!


「ハポン軍団のヘビー級誰か」の参戦で話題となった、KAIENTAI DOJOの10・15後楽園ホール大会が終了した。

 観衆は1003人と、スタンドに若干空席はあるものの、びっちり据えたリングサイド席は完売。3桁で北側を塞ぐ他団体に比べればまずまずの入り。
 客席でも目立ったのはやはりL.I.Jの帽子やTシャツで、新日プロブームを牽引するその圧倒的人気を見せつけた。

 「ハポン軍団」対TAKAタイチはセミ前に組まれ、ジュニアのタイトルマッチで休憩、ハポン軍団が登場し、セミ、メーンのタイトルマッチに繋がっていくこの辺のバランスは絶妙。
 TAKAみちのく、高岩&大谷、永田&中西が25周年で、永田・中西が永田が主催の10・21東金でメーンで激突という現役感を打ち出しているのに比べると、KAIENTAI DOJOではあくまで自身は一歩引いてみせるTAKAのポジションは味わい深い。
 TAKAのファンも当然少なくないはずで、この枯れた感じが堪らないのだろう。
 
 SANADAに合わせた凝ったオーバーマスクでBUSHIが登場し、KAIENTAI DOJOへの敬意を表してスタート。
 TAKAに続いて登場のタイチは、南のスタンドから登場。KAIENTAIではお馴染み、入場曲をフルに唄ってたっぷり時間をかけてリングイン。


 これに飽きた様子で「長いよ…」とばかりに腕時計を指差すBUSHIのポーズで場内は早くも歓声。あべみほもSANADAとBUSHIに挑みかかって無視されて、2人のらしさを引き出す。

 黙ってそっぽを向いて立ってるだけで成立するSANADAのキャラクターというのも面白く、L.I.Jの人気はこういうところにも現れている。
 ここで急遽3本勝負に変更してゴングも、TAKAが場外戦でSANADAにKOされてハポン軍団あっさり1本先取。
 当然次はTAKAタイチが取り返して…の流れで、タイチがリング上でキック連打。ところがマイクスタンドをSANADAと取りあっている所にBUSHIが毒霧を噴射し、ロープにパラダイスロックで固定。その間にTAKAがハポン軍団の連携攻撃からSkull Endでギブアップという、予想外の展開でフィニッシュ。
 この辺りはプロレスを知り尽くしたTAKAならではの、予想を逆手に取ったサプライズ。

パラダイスロックが未遂に終わるお約束





 完敗のTAKAタイチに溜飲を下げるL.I.Jファン、ハポン軍団が引き上げようとすると、ここからが本番といわんばかりにタイチがマイクを持つ。
 毒霧で緑に染まったまま、コーナーでグロッキーのTAKAを見やって
「お前らじゃ物足りねえ」
と理不尽アピール開始で場内は爆笑。
 戻ってきたハポン軍団に
「まだ2人居るだろう! 」
と、内藤、EVILの参戦を要求。
 SANADAがマイクを渡され、おおとL.I.Jファンがどよめいて注目すると、あっさりBUSHIに渡して笑いを取る。

 BUSHIが
「やってやるよ! エンセリオ! マ・ジ・で! 」
と受けると、梶トマトが登場。前回に引き続き、新日マットで毒霧攻撃を受けたリベンジをアピール、
「ト・マ・ト! 」
で締めて笑いを誘う。
ト・マ・ト!

 起き上がったTAKAが
「いったよな?」
と、L.I.Jがいよいよ内藤含んで参戦か?と惹き付けての年明け1・23後楽園『TAKAタイチマニア』を発表して締めた。
 L.I.Jファンがかなりの割合いるアウェーの中で、最大多数を満足させて次回への興味を引く演出力は見事というほかはないだろう。
 続くセミのタッグタイトルの3WAYに出場する方ももやりにくいところだが、木高イサミを十嶋くにおがことある毎にスリッパでひっぱたいて笑わせ、自分達の空気にしっかり変えるのも流石。
 ここでメーンのCHAMPION OF STRONGEST-K戦が始まり、滝澤大志が4年半振りに奪還し、号泣。 
 次戦の相手に梶トマトを指名し、
「負傷者がいて、俺ら若手とベテランの狭間組が頑張らないといけない。滝トマじゃないとできない試合をやろう」
と、L.I.J他新日プロ勢頼りになっているビッグマッチに対してKAIENTAI DOJO勢としての巻き返しを誓って締めた。

 ハポン軍団としてL.I.Jを投入しつつ、KAIENTAI DOJOのファンを増やす事はTAKAみちのくとしても当然目指すところだし、ファンとしてもKAIENTAI DOJO勢の頑張りで面白い試合が観れるのは大歓迎、1・23『TAKAタイチマニア』に向けての好循環が期待できそうだ。

■ KAIENTAI-DOJO 東京スーパービッグショー
日時:10月15日(日) 開場11:00 開始12:00
会場:東京・後楽園ホール 観衆1003人


<第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負>
リッキー・フジ ●テイラー・アダムス 瀧澤晃頼(ASUKA PROJECT)
 11分52秒 ヨシタニック
洞口義浩 ○マリーンズマスク ERINA


本家千葉ロッテマリーンズとちがって絶好調のマリーンズマスクがERINA、洞口義浩と登場。


マリーンズマスクがいて、ERINAがいて、テイラー・アダムスがいて、リッキーフジのいぶし銀も光る。
 なお、ERINA体調不良で11・3全日本プロレス千葉欠場となった。

<第2試合 笹村あやめデビュー戦 シングルマッチ 15分1本勝負>
○バンビ
 6分32秒 バンロック⇒ギブアップ
●笹村あやめ




 「素人以上女子プロ未満」の神姫楽プロジェクトや学生プロレス、柔道の経験もあるとのことで、デビュー戦ながらも新人離れしたポテンシャルをみせつけたのが笹村あやめ。
 
<第3試合 キャプテンフォール6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○GO浅川(キャプテン) 梶トマト 遊馬
 9分43秒 ブリザードスープレックスホールド
●DOUKI(キャプテン) 本田アユム 最上九
※キャプテンからフォール・ギブアップ等を奪った場合のみ決着
※退場順:1.梶トマト、2.本田アユム、3.遊馬、4.DOUKI




 梶トマトも絶好調。マリーンズマスクとのコンビで新日Super Jr. Tag T戦へ出場してもらいたかった。
 最期はGO浅川が締める。

<第4試合インディペンデント・ワールド・世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
[王者]
○佐々木大輔(DDT)
 14分03秒 クロスオーバーフェイスロック⇒ギブアップ
●旭志織
[挑戦者]
※第25代王者が2度目の防衛に成功


 旭志織は、ヒロムと内藤と矢野のいいとこ取りの様な佐々木大輔ワールドに呑み込まれた。
 DDT勢と新日勢が一度に観れる全方位外交のKAIENTAI DO-JOならではの好カード。

<第5試合 Road to TAKA&タイチマニア スペシャルタッグマッチ 30分3本勝負>
TAKAみちのく タイチ(新日本プロレス)vs. SANADA(新日本プロレス) BUSHI(新日本プロレス)

1本目
●TAKAみちのく
 1分55秒 リングアウト
○SANADA

2本目
●TAKAみちのく
 7分43秒 Skull End⇒ギブアップ
○SANADA

2対0でL.I.J組の勝利

<第6試合 STRONGEST-K TAG選手権試合 3WAYタッグマッチ 60分1本勝負>
[王者組]
吉野コータロー ○ダイナソー拓真
 10分45秒 ガオバババ⇒片エビ固め
●柏大五郎 ヤス・ウラノ(フリー)
※第35代王者組が初防衛に成功
もう一組は、木高イサミ(プロレスリングBASARA) 十嶋くにお




 一番ウケたのが小高イサミに対する十嶋くにおのスリッパ攻撃。小高の空中戦は流石の切れ味で、ハポン軍団目当てのL.I.Jファンをも魅了させた。最期は王者組がベルトを守った。

<第7試合 CHAMPION OF STRONGEST-K選手権試合 60分1本勝負>
[王者]
●タンク永井
 23分32秒 高飛車⇒片エビ固め
○滝澤大志
[挑戦者]
※第24代王者が初防衛に失敗






 「現在のKAIENTAI DO-JO最強のカード」の謳い文句に違わぬ、空中戦も場外戦もあるド迫力ファイトを展開。
 戴冠直後からの号泣で滝澤が締めた。