[週刊ファイト10月26日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼[ファイトクラブ]京王閣で女子プロレス! クールジャパンタッグ結成!
photo text by こもとめいこ♂
・雨にもマケズ、リングの傾きにもマケズ、京王閣でおでかけアイスリボン
・『カジノ』に負けない! 日本発の競輪と女子プロレスのタッグ結成
・絶品バクチごはん! インスタ投稿不可の理由
・愛媛出身藤田あかね、競輪場で「愛媛といえば?」で直球解答
10月15日(日)、KAIENTAI DOJOを観戦し終え、秋雨の降る中後楽園を出て、水道橋から中央・総武線で新宿へ出て京王線の特急で調布へ行き、乗り換えて次の京王多摩川で降りた京王閣競輪場でアイスリボンのお出かけプロレスが行われていた。
屋根のある場所の床が傾斜している為、目に見えてリングが傾いていた
競輪というと、田中誠氏の漫画『ギャンブルレーサー』が思い浮かぶ向きも多いと思うが、筆者としては故・阿佐田哲也先生の一連の作品も忘れられない。
麻雀を単なる博打ではなく、人間同士の駈け引きや読み合いを伴う競技として世に認知させた阿佐田先生は、『阿佐田哲也杯』としてその名を遺す競輪界の偉人でもある。
ナルコレプシーという突然睡魔に襲われる難病の影響もあってか、晩年は手ホン引きと競輪を主に楽しまれたときくが、色川武大名義の作品を読むと人間同士の関係性への深い洞察が感じられ、麻雀よりさらに偶発性や運の要素がそぎ落とされた人間同士の競技、競輪にのめり込んだのも理解できる。
東洋のハリウッドも、人通りが寂しい雨の日曜日…
そんな競輪ではあるが、KEIRINとして五輪競技になったりといった明るい話題の一方で、バブル前に2兆円に迫った売り上げは年々減少、現在は6000億円程に落ち込み、赤字開催の自治体も多く、入場者数も減少し続けている。
かつて古館伊知郎氏がCMで実況していたころにあった自転車振興会はオートレースと運営主体が統合され、財団法人JKAとなってしばらく経つと今回初めて知った。
近年はお台場や横浜へ『カジノ』を誘致しようと躍起になる政治家がいるが、落ちたとはいえ、競輪はラスベガスのカジノとほぼ同規模の売り上げをほこっており、わざわざ新たに造るより、『クールジャパン』とやらの一環として今ある日本発祥の競輪に世界から人を呼び込むべきではないかと思う。
競輪とKEIRINはルールも人数も変わって別物ともいえるが韓国競輪も既にあるし、妥協点は見いだせよう。ネット投票をしてもらえば、わざわざカジノを造って呼ぶ手間暇もない。
結局は舶来の『カジノ』を有り難っているか、新しいハコモノを造って税金を還流させようとしたいだけと思われても仕方ないのではないか。
それはさておき、競輪と同様、日本で独特の発展を遂げたのが女子プロレス。
吉田豪氏のインタビューなどで、ブック無しの抑え込みで勝ち負けを付けていた時代の全日本女子では関係者が大金を賭けあっていたというが、いま女子プロレスを賭の対象にする人はいないという意味では、プロレスとしては健全な発展を遂げたのだろう。
日本独自の文化である競輪と女子プロレス、意外なようで必然性のあるタッグ結成だといえなくもない。