10・31後楽園での引退試合を控える大仁田厚が、21日、超戦闘プロレスFMWの新木場1stRINGで、NOSAWA論外との“最初で最後の一騎打ち”を制した。
同大会は、大仁田の同団体での最後の東京での試合となったが、対戦相手に指名したのが論外。論外は15年4月の同団体旗揚げから、毎試合のように大仁田と対じし、シングル戦を熱望してきたが、足かけ2年4カ月で、ようやく実現にこぎ着けた。
試合形式は、有刺鉄線バット&パイプ椅子15個&ギター・エニウェア・ストリートファイト電流爆破バットデスマッチで、会場外の駐車場には2本の爆破バットが設置された。
試合は意外にもグラウンドでのレスリングの攻防でスタートしたが、いったん場外戦に発展すると、論外が駐車場に大仁田を連れ出して、爆破バットで一撃。それでも、息を吹き返した大仁田は、毒霧噴射で流れを変えると、イス攻撃、サンダーファイアーパワーボムを叩き込むも、カウント2。ならばと、大仁田は駐車場で、爆破バット攻撃を論外に見舞う。リングに戻ると、イス攻撃、サンダーファイアーを繰り返すも、その都度、論外はフォールを許さず。しかし、最後は実に6発目のサンダーファイアーで、粘る論外も力尽きた。
惜しくも敗れた論外は「大仁田、今日オレとシングルやってくれてありがとう。今の状態から逃げ出したくて、プロレスやめようかなって思ったりしてたけど、あなたと殴り合って、まだプロレスができる気がしてきた。あなたと出会えて、あなたとシングルできて、うれしい。見に来てくれたお客さんも、今日だけはありがとう」とマイクアピール。その言葉に、もらい泣きした大仁田は、論外とガッチリ握手を交わし、健闘をたたえ合った。
だが、それで終わる論外ではなかった。「9月27日、東京愚連隊興行(新宿FACE)に、オレの大親友のケンドー・カシンが出るから、あいさつに来いや! カシンが誰を連れてくるかって? 藤田(和之)だよ」(論外)と言うと退場。
大仁田は引退試合の対戦相手として、“闘魂イズム”の藤田を視野に入れていたが、交渉代理人とされるカシンからは、つれない返事しか返ってこず、正式決定に至っていない状態だ。
控室に戻った大仁田は「27日に、『来い!』って言うから。(藤田が)逃げやせんと思うけど、調印の紙を持って、論外の興行に行く。行けば乱入になるんだろうから、乱入します。そのときに、最後の相手が決まるんじゃないかな」とコメントし、引退マッチの調印書片手に、9・27新宿に乗り込むことを宣言した。
また、大仁田は「つくづく思いますけど、論外の受けのすごさ。プロレスって、やっぱり受ける人がいるから成立する」と、論外をたたえた。かたや、論外は「オレだから、大仁田を引き出せる。ちょっとした伝説、作品がつくれたと思う。シングルを受けてくれて光栄。大仁田とリングに立つと元気になる。すべてを忘れさせてくれる。引退試合まで追いかける」と話した。
“超新星”中野たむが引退目前の豊田真奈美に玉砕!
元アイドルで、8・13後楽園でスターダム・デビューを果たした、フリーの女子プロレスラー・中野たむが、9・21新木場で、11月3日(横浜・大さん橋ホール)に引退興行を控える豊田真奈美に初チャレンジするも玉砕した。
先のスターダム最強決定リーグ戦「5★STAR GP 2017」では敢闘賞を受賞し、9・24名古屋ではアーティスト・オブ・スターダム王座への挑戦が決まるなど、波に乗るたむが、佐藤恵一と組み、鈴木鼓太郞、豊田組とミクスドマッチで激突。
これまで、豊田とタッグを組んだことはあったが、対戦するのはこれが初めて。たむは果敢に得意のキック、ダイビングセントーンなどで攻め立てたものの、最後は豊田の必殺ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールドの前に沈んだ。
たむは「対戦できて光栄です。これが最後かと思うと、悔しいし心残り。もっと強くなった自分で闘いたかった。(豊田の)30年の歴史を、キャリア1年の私が体感しました」と悔しさをにじませていた。
<その他ダイジェスト>
★9月1日付で、バトルエイドからA-TEAMに移籍した雷電が、「6周年記念試合」で、橋本友彦、HASEGAWAと組み、師匠・戸井克成、雷神矢口、保坂秀樹組と対戦。健闘したものの、戸井のダイビング・フットスタンプの前に屈した。
★悪性脳腫瘍のため、闘病中のRayが、昨年11・24後楽園以来、10カ月ぶりに試合会場に姿を見せ、本部席で試合を見届けた。
<試合結果>
■ 超戦闘プロレスFMW「大仁田引退ラスト2ヶ月前」最終戦
日時:9月21日(木)
会場:東京・新木場1stRING 観衆400人(超満員)
<30分1本勝負>
○リッキー・フジ、パンディータ、佐瀬昌宏
10分39秒、片エビ固め
ワイルドセブン、●ショッカー、寧々∞D.a.i
※9999
<30分1本勝負>
加藤茂郎、○千葉智昭
8分56秒、片エビ固め
佐野直、●友龍
※スパイビースパイク
<ミクストタッグマッチ 30分1本勝負>
○豊田真奈美、鈴木鼓太郎
14分59秒、ジャパニーズオーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールド
●中野たむ、佐藤恵一
<雷電デビュー6周年試合 45分1本勝負>
雷神矢口、保坂秀樹、○戸井克成
19分43秒、片エビ固め
橋本友彦、HASEGAWA、●雷電
※ダイビング・フットスタンプ
<大仁田FMW東京大会最後の試合~有刺鉄線バット&パイプ椅子15個&ギター・エニウェア・ストリートファイト電流爆破バットデスマッチ 時間無制限1本勝負>
○大仁田厚
19分1秒、エビ固め
●NOSAWA論外
※サンダーファイアーパワーボム
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