23日朝から、さいたまスーパーアリーナで『UFCファイトナイト・ジャパン』が開催され、メインでは岡見勇信がオヴィンス・サン・プルー(OSP)の得意技、ヴォンフルーチョークに110秒で沈んだ。ベストバウトは女子のストロー級ランキング戦だ。ブラジル人同士の対決だったが、下馬評を覆しフィジカルに勝るジェシカ・アンドラージが、現在米国在住のクラウディア・ガデーリャを水車落としで叩きつけるなど、両者流血の激闘を制した。文句なしに「ファイト・オブ・ザ・ナイト」賞を獲得している。
「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」は、戦慄のKOデビューとなった元K-1戦士グーカン・サキと、メインを一本で締めたオヴィンス・サン・プルーが選出された。
注目の日本人選手は、阿部大治の勝利に始まり、安西信昌、朱里、中村K太郎と試合順に勝ちが続いて幸先こそよかったが、計量オーバーの末にドクターストップになってしまった廣田瑞人に代わって、メインカード扱いになった佐々木憂流迦が裸締めでタップアウトしたあと、石原”夜叉坊”暉仁が有言実行で勝利したものの、五味隆典も、岡見勇信も秒殺負けをくらっている。
※詳細版は近日[ファイトクラブ]公開、金曜29日発売の[週刊ファイト10月5日号]に収録されます。
■ UFCファイトナイト・ジャパン
日時:2017年9月23日(土)開場午前8時 開演午前9時
会場:さいたまスーパーアリーナ 観衆8,571人(主催者発表)
【メインイベント】
<第10試合 ライトヘビー級マッチ 5分5ラウンド>
○オヴィンス・サン・プルー
1ラウンド(1分50秒)サブミッション(変形肩固め/ヴォンフルーチョーク)
●岡見勇信
ああ、と思った時にはもうお終い。必殺のヴォンフルーチョークが絡みついていた。
ハイチ国旗を掲げたOSP~米国生まれだが両親はハイチ出身。以前は80%フレンチに近いクレオール語、20%英語の家庭だったが今は逆の比率だそうだ。
「岡見があの体勢にもってくると思わなかったからビックリしたよ。あの体勢からならヴォンフルーチョークがかけられるのは分かっていたからね。俺の頭の後ろに手を持ってきたから、そこからチョークをかけてタップを待っていた。岡見と対戦するにあたって作戦の変更はしなかった。全力で試合に臨むことだけを考えていたよ。一歩一歩、タイトル戦に向けて勝ち進んでいくだけだ」
【メインカード】
<第9試合 女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
●クラウディア・ガデーリャ
判定3-0(26-30、25-30、27-30)
〇ジェシカ・アンドラージ
「クラウディアが攻撃的で強い打撃で向かってくるのは予想していたわ。いくつか驚かされるパンチはあったけれど、試合開始後1分もすると気楽にやれるようになったし、このまま勝てると思った。この試合のために必死にがんばってきたし、プラン通りにすべてできた。まだまだ進化を続けなきゃ。私の戦略はラウンドの終盤でテイクダウンの機会を狙っていくことだった。みんなは私がブラジリアン柔術から始めたのを忘れているようだけど、私はたまたま立ち技の方が向いているの。これでランキング1位にこぎつけたし、この後に狙うのはチャンピオンとの対決だけ。すぐに時間を作って、そのタイミングが来るまでトレーニングを続けるわ」
<第8試合 ライト級マッチ 5分3ラウンド>
●五味隆典
1ラウンド(1分30秒)TKO
〇キム・ドンヒョン
余りにもあっけなく惨敗した五味。年末RIZINの引退試合はあるのか?
「高校生の頃から五味の試合を見てきた。僕が総合格闘技を始めた頃の五味はトップファイターで、まさか彼と戦えるとは思っていなかった。オクタゴンで対面した時、これは現実なんだと思った。五味は強いファイターだとずっと思ってきたから、正直に言うと試合前は緊張していたんだ。でも、今日は勝てて満足している。予想よりも早く終わってしまったけど、全て計画通り。6月の試合はキャンセルになっていたし、UFCとの契約更新を楽しみにしている。今年はもう1試合を戦って来年はトップ50に入りたいと思っている」
<第7試合 ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○グーカン・サキ
1ラウンド(4分45秒)KO
●ルイス・エンリケ・ダ・シウバ
“This is my house!”
「UFCデビュー戦で自分の存在をアピールできたと思う。第1ラウンドで何度か強いパンチを打ち込んだ後、ノックアウトを取れた。相手がそれほどテクニカルにこないと分かっていたけど、強いハートのあるファイターだからね。彼はずっと気持ちを強く出してくるファイターだ。2年ぶりだけど感覚を取り戻せたし、今は最強になれるように鍛えたい。次の試合のことは考えず、防御を鍛えてもっと成長したい。来年はタイトルを獲るために戦う」
<第6試合 フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○石原”夜叉坊”暉仁
判定3-0(28-27、29-26、28-27)
●ロランド・ディ
「2連敗していたので、この試合はどうしても勝ちたかったんです。日本でファンが応援してくれたおかげで勝てたと思います。相手の打撃は問題なく受けられました。でも相手は本当にタフなファイターでした。股間に当たったキックはわざとじゃないのは分かっているんで。今後はこの試合に向けてトレーニングしてきた技などを、もう一度コーチである中村優作と相談しながら仕上げていきます」
<第5試合 フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ジュシー・フォルミーガ
1ラウンド(4分30秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●佐々木憂流迦
「今回の勝利とパフォーマンスには本当に満足している。きっとボーナスをもらえるんじゃないかな! コーチと考えたゲームプランがすべてうまくはまった感じだ。今回の試合は1ラウンドで決めたかったし、ノックアウトかサブミッションを考えていた。それができてよかった。ベストを尽くして戦って、一番になりたい」
会場にTHE WHOの♪Baba O’Rileyが鳴り響く~「ただの十代の荒野じゃないか」
【プレリム】
<第4試合 ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○中村K太郎
判定2-1(29-28、28-29、29-28)
●アレックス・モロノ
「ケガ明けで久々だったので、アグレッシブにいけなかった部分もあったと思います。本当はフィニッシュしたかったです。ボクシングの練習をしっかりやってきたのが勝利の秘けつだったかもしれません。何回かパンチを食らいましたが、全体的には練習の成果を生かせた試合だったと思います。次の試合では確実にフィニッシュを狙います」
<第3試合 女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○近藤朱里
判定2-1(30-27、30-27、28-29)
●ジョン・チャンミ
「UFCと契約して最初の勝利を手にすることができて良かったです。王者になるための最初の一歩が踏み出せたことがうれしいです。いつも練習してくださっているコーチ陣や応援してくれている人たちのおかげで勝利できました。相手の映像をたくさん見ていたので、落ち着いて戦えたと思います。今日、日本人選手3人目の白星がつかめてうれしいですし、いい形でUFC Japanの代表になれたかなと思います。今後の目標はUFC王者になること。頂点に向かって1試合、1試合、勝利していくだけです」
<第2試合 ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○安西信昌
判定3-0(29-28、29-28、30-27)
●ルーク・ジュモー
「2年ぶりの試合だったこともあり、復活戦で負けたくなかったんです。復活して負けたら普通の人になっちゃうので。ここで勝って自分がまだ戦えることを証明して、この2年間の努力が無駄じゃなかったことを見せたいと思っていました。しっかり辛抱強く戦えたと思います。最初、第1ラウンドの頭から相手のパンチは見えていたので、あとは自分の試合をすることを心がけていました。2ラウンドでもテイクダウンが奪えたので良かったです。フィニッシュできたら良かったんですけど。次は1試合、1試合勝っていくことが目標になってくると思います」
<第1試合 ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○阿部大治
判定3-0(29-28、29-28、29-28)
●イム・ヒョンギュ
「相手が最初から打撃で向かってくるのは分かっていました。自分の距離ではなく相手の距離で戦ってしまった場面もあったので、今後はそこが課題になると思います。カウンターをずっと狙っていたので、第3ラウンドでカウンターが決まったのは良かったです」
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▼[ファイトクラブ]UFCジャパン会見詳細:アリスター、サキの潜在力絶賛~2階級上げてショーグン秒殺男に挑む岡見の覚悟~夜叉坊涙の理由
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