WRESTLE-1「自分に必要なものはすべて自分に備わっている」中国武術の真髄で吉岡とのクルーザー王座戦へ!アンディ・ウーの武術特訓を直撃!


「自分に必要なものはすべて自分に備わっている」中国武術の真髄で吉岡とのクルーザー王座戦へ!アンディ・ウーの武術特訓を直撃!

8月某日、都内にあるWRESTLE-1道場で一人練習に励むアンディ・ウーを直撃した。現在第10代W-1クルーザーディビジョン王者に君臨するアンディは9.2『プロレスLOVE2017 in YOKOHAMA』横浜文化体育館大会で宿敵・吉岡世起をチャレンジャーとして迎え撃つ。4.19後楽園大会では逆の立場でアンディが吉岡に挑戦し、ベルトを奪ったという因縁がある。その後、アンディはMAZADAを相手にベルトを落としてしまったものの、7.16大阪大会で見事に奪還。吉岡の挑戦表明を受け、文体での再戦が決まったのだ。
この日、アンディが行なっていたのは常日頃から行なっているトレーニング。ライバルである吉岡が相手であろうが、特別な対策などは行なわない。それは吉岡を甘く見ているからというわけではなく、幼い頃から培ってきた中国武術の考えによるものだからだ
「今回相手が吉岡になりましたけど、それはたまたまで他の選手だったかもしれない。吉岡だけにフォーカスしてしまうと他の相手が来た場合に対応できなくなりますからね」
誰が来ても対応できるようにする。相手に合わせるのではなく、己を高めることが第一なのだ。
この日行なっていた棒術のトレーニングも子供の頃から続けているトレーニングの一つ。中国にしか生えていないという特殊な柳で作られた棒を足、腰、手と徐々に力を伝えるようにして、全身で振り回す。ウェイトトレーニングではできない筋肉をつけ、身体の可動域を広げる。また、バランス感覚を養い、スタミナもつけることができるという総合的なトレーニングだとアンディは言う。
「無駄な力を抜いた状態、脱力した状態で力を発揮するんです」
この考え方は続いて行なった陳式太極拳のトレーニングにも通じている。中国の人々が健康のためにやっているというイメージが強い太極拳だが、身体の外側だけではなく内側の内蔵から鍛えるのが目的だという。
試合中に無駄に力んでいると、自然と呼吸が止まってしまうことがある。そのため途中で息切れし、スタミナをなくしてしまうというのだ。この太極拳は様々な身体の動かし方を身体になじませつつ、呼吸法の鍛錬できる。この動きの場合はどういう呼吸をしたらいいのかなど、その場その場に適した呼吸法を身につけることができるそうだ。
「太極拳の技自体を使うのではなく、基本的な姿勢や考え方を取り入れるということですね」
中国武術の派手なアクションを使った技も魅力的なアンディだが、根本にあるのはその考え方を活かした闘い方なのだ。吉岡が驚異的だと語るスタミナもその中国武術で培ってきた賜物だ。
スピード対決だと意気込んでいる吉岡の発言も、「嘘かもしれないですよ。グラウンドで勝負に来る可能性もある」と真に受けない。例えどのような相手が来ようとも、そして相手がどんな手を使ってきても日頃の鍛錬を欠かさなければ対応できるという自信があるからだ。
「昔がむしゃらにトレーニングしていたことがあるんですけど、中国武術の師範に言われたんですよ。『自分に必要なものはすべて自分の中に備わっているんだよ』と。最近、その意味がわかり始めてきました」
泰然自若とした中で闘志を燃やすアンディ・ウー。クルーザーディビジョンのタイトルマッチを横浜文化体育館大会のベストバウトにしたいという思いは吉岡と変わらない。中国武術の真髄でクルーザー王者としての力を見せつける!

【以下選手コメント】

──今日の練習ですが、まず棒術はどういった意味を持った練習なんですか?

アンディ・ウー選手
「素早さ、バランス感覚、そしてスタミナとすべてを養えるトレーニングですね。この棒は重さもありますから、ウェイトトレーニング的な要素も入りつつ、スタミナも鍛えてバランス感覚を養える。これはウェイトトレーニングではできないんですよ。ちょっと難しいんですけど、無駄な力を抜いた、脱力した状態で力を発揮するためのトレーニングですね。だから、棒を振るのも手で振っているように見えるんですが、足、腰、手と順番に力を伝えていくんですよ。足の力で棒を振ったりとか、様々な身体の動かし方を鍛えるトレーニングです」

──あの棒は中国にしか生えていない柳を使って作られたということなんですけど。

アンディ・ウー選手
「そうですね。あの棒は子供の頃から使っている大事な棒ですね。武術をやっている人はみんな使っています。まずだいたい武器を使わない練習をして、初めて得る武器があの棒なんです。もちろんウェイトもやるんですけど、そればっかりだと身体の可動域が狭くなったなと感じることがあるんで、同時にやるのがベストですね」

──太極拳にはどのような意味合いがあるんですか?

アンディ・ウー選手
「あれは陳式太極拳ですね。ゆっくり動くんで、バランスと身体の動かし方を鍛えます。太極拳は健康法のイメージがありますけど、内蔵も鍛えられるんですよ。陰陽五行という考え方が中国にあるんですけど、木火土金水とあって、動き方がそれぞれ決まっているんですよね。上から下の動きは金の動きとか、開く動きは火の動きとか。例えば、火の動きは心臓や小腸に刺激をもたらしたりするんです。試合で力んでいる時は呼吸が止まっている場合が多いんですよ。それで息が切れたりするんで、力んでいても呼吸を止めずにその場に適した呼吸法を行なう。それを身につけることができます。だから、太極拳の技自体をプロレスに使うんじゃなくて、基本的な姿勢だとか考え方、そして呼吸法を取り入れていますね」

──基礎の部分をしっかりと身につければ、いろいろと応用できるということですね。

アンディ・ウー選手
「そうですね。だから、次の挑戦者は吉岡ですけど、誰が来ても対応できるような状態にしておくのが自分としては理想です。昔は無駄に鍛えたりとかがむしゃらに鍛えたりしていたことがあったんですよ。でも、武術の師範に『自分に必要なものはすべて自分に備わっているんだよ。それに気づくのが大事だ』って言われたんですよ。最近、その意味がわかり始めてきました」

──自分にすでに備わっているものを引き出せるかどうかが大事ということですか。

アンディ・ウー選手
「そういうことになりますね。だから、試合で出せている時と出せない時もあるんです。出せていても、負けてしまったということもある。ただ、今回はタイトルマッチですから、そう呑気なことも言ってられないんで難しいですけどね」

──それを常時引き出せるように先程のような鍛錬を欠かさず続けているということですね。

アンディ・ウー選手
「やっぱり、リング上だけではなくて普段からコンディションを整えるのが大事なんだと思います。僕は風邪とかひかないですからね。欠場もないですし、それは普段のトレーニングの効果だと思っています」

──プロレスの神様と言われたカール・ゴッチも、『最大の必殺技はコンディションだ』と言っていたそうですが、それと通じますね。

アンディ・ウー選手
「まさにそうだと思いますね」

──今回の挑戦者の吉岡選手は日本屈指のスピードを誇るアンディ選手とスピードで勝負したいと言っていましたが、それについてはどう思いますか?

アンディ・ウー選手
「吉岡のスピードは速いですよ。僕がそれについてこうとしているぐらいだし、だからさらに速く動こうとしてお互いに速い動きになっているのかもしれないですね。自分よりも速く見えるし、ちょっと目を離したらもうそこにはいないですからね。あと蹴りの速さは怖いですね。ただ、そうは言っていてもスピードで勝負してこない可能性もありますよね。嘘かもしれないですよ(笑)。グラウンドとかで勝負に来る場合もあるし、そう来た場合でも対応したいですね」

──まあ勝負ですから、裏をかくという可能性もありますもんね。ただ、ベストバウトを狙いたいと。その思いは一緒ですか?

アンディ・ウー選手
「それは僕もそうですね。組んでいてもNEW ERAですけど、闘ってもNEW ERAだと思っているんですよ。同じ志を持っている人間が組むよりも闘ったほうがおもしろいというのが自分にあるんで、吉岡と闘うのは毎試合楽しみにしています」

対戦カード・大会概要

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