[ファイトクラブ]アイスリボン初体験と埼玉県蕨市『ドロップキック・ワラビスタン』堪能!

[週刊ファイト5月25日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

photo & text by こもとめいこ♂

 今年1月、NHK-BSプレミアムの番組、『TOKYOディープ』で取りあげられるなど、最近にわかに脚光を浴びているのが埼玉県蕨市。日本一狭い市で、ワラビスタンと呼ばれるほどに亡命クルド人が多数居住、「ワラビ」と「ウズベキスタン」共和国をかけたのだろう。1946年に1年弱だけ存在したクルディスタンという国はもうない。
 住民票が取れるネットカフェがある…など、弱者に寄り添う土地である。そういえば、日本におけるクルド人家族を扱った『バックドロップ・クルディスタン』(2007)という、トルコ語が飛び交うドキュメンタリー映画もあった。
 とはいえ、付近に居住しているわけでない多くの人にとっては余り馴染みがないからこそ「ディープ」なる番組に取りあげられるのも事実。全国に22軒しか残っていないストリップ劇場の1つ、蕨ミニ劇場に代表される駅周辺の夜の街も、川口、赤羽のパワフルさに比べると、大人しめだ。
 埼玉南部に永らく住んでいる筆者にしてからが、通ったことはあっても降りたことはない場所であった。
 しかし実は、筆者が本誌ライターになったのに実は蕨が深く関わっている。そう、プロレス者にとって蕨は「レッスル武闘館」こと「アイスリボン道場」の所在地で、「アイスリボン」の聖地でもある。
 昨年10周年を迎え、各地での興行で満員札止めも珍しくないほどに定着したアイスリボン。アラフィフで本誌ライターデビューのキッカケとなった団体を1度は観てみたいと思いつつ、都合が合わずにいたのだが、先日、ようやく道場マッチ観戦の機会ができたので、レポートする。

 ファンの方にはお馴染みだろうが、アイスリボン所属選手にはそれぞれチケット予約メールアドレスが設定されていたりする。筆者は今回、アイスリボンのチケット予約、リボン直販で注文をした。

 レッスル武闘館があるのは京浜東北線の線路沿いで、周囲は住宅街、前の道路は一歩通行。若干解り難い感は否めない。
 平日水曜日、仕事帰りにも間に合うように19時開場となっているが、家を出るのが遅れ、迷ったこともあって筆者が会場到着時には既に第2試合が始まる所であった。
 扉を開けると受付があり、3000円と引き替えにチケットとポートレートの引換券を渡され、既に立ち見であることを告げられる。主催発表通り、掛け値なしの超満員であった。


■ アイスリボン803
日時:5月17日(水) 19時30分開始 19時00分開場
会場:アイスリボン道場
観衆:121人(超満員札止め)

<第1試合 タッグマッチ15分1本勝負>
○松本都 直 DATE
 8分54秒 みやここクラッチ
●尾﨑妹加 華蓮 DATE

<第2試合 シングルマッチ10分1本勝負>
○235
 6分48秒 旋回式ダイビングボディプレス⇒体固め
●トトロさつき

<第3試合 タッグマッチ20分1本勝負>
○藤本つかさ 華 DATE
 9分02秒 極楽固め
雪妃真矢 ●長崎まる子

<第4試合 6人タッグマッチ30分1本勝負>
つくし ○藤田あかね 法 DATE
 12分14秒 みかんでポン⇒片エビ固め
星ハム子 宮城もち ●テキーラ沙弥

PPP・あいあいのプロレスラーのフレンズ、尾崎妹加出演のすっごーい! 舞台。

PPP・あいあいのプロレスラーのフレンズ、尾崎妹加出演のすっごーい! 舞台。 


第1試合で観ることが出来なかった尾崎妹加。「都さんのペースにハマってしまった」と、反省しきり。
 演劇のろま集団の時に見せた笑顔とは対照的に神妙な面持ちだった。

次回道場マッチ『アイスリボン804』は5月27日(土)13時30分開場、14時00分開始となっている。


 椅子がぎっしり並んでいるので、立ち見の場所は物販テーブル脇の隙間ぐらいしかない。何とかそこに身体を滑り込ませ客席を見回すと、女子プロレス全盛期と違って常連と思しき男性が多い。かつて筆者が足繁く通ったJWPを思い出す。若干ではあるが恐らくは地元民の年配の女性も見受けられる。見るからにあどけない少女もおり、蕨、川口、戸田の中学生以下は無料というのもあるのだろうか。あるいはアイスリボンプロレスサークルの生徒かもしれない。一方、新日プロ他の会場で多く見かける20~30代のプ女子は、ほぼ見かけない感じである。

 細長い道場は、奥の一段下がった部分のリングと、手前の客席部分に分けられている。広さといい、感覚としては小さなライブハウスに近い。
 入場曲と共に、客席の合間のレッドカーペットを選手が入場してくる。観客席の間近ではあるが、かつての全女などのようにもみくちゃにされることはなく、マナー良く見守られている。
 プロレスに限らず、ヤジってストレス発散に来る輩もまま見受けられるが、試合中の観戦マナーも概ね良好。
 
 その第2試合は横浜で、今月末での「プロレス卒業」を発表した235と、トトロさつきとのシングルマッチ。235を観てプロレスラーを目指し、3月にデビューしたばかりのトトロへの惜別の試合は、旋回式ダイビングボディプレス2連発で235がトトロを沈めた。
 続く第3試合タッグマッチ。フェリス女子を卒業したトライリンガルの才女で、銀行員からせっかく転身したのに、「蹴る人間が4人も入ってくるんじゃアイスリボンを止めようかと思った」雪妃と、まる子が組み、藤本と、その「蹴る4姉妹」のDATE華組との対戦。最後はまる子がタップして激戦に終止符が打たれた。

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