アルベルト・エル・パトロンが新王者に!インパクト・レスリング!

(C)TNA

 3月9日(現地時間・放送日)に放送された『Impact Wrestling』は、2017年1月にディクシー・カーターから株式を買い取り新オーナーとなったアンセムスポーツ&エンターテイメントコーポレーション(カナダのテレビ局)がTNA創始者ジェフ・ジャレットを呼び戻し番組を仕切らせる事なったので新体制でのスタートとなった(ちなみにディクシーはアンセムの全スポーツ部門諮問委員に昇格となり、TNA新社長はアンセムの執行副社長エド・ノルトホルム氏。ジャレットはアンセムから執行コンサルタントとして雇われただけでオーナーに返り咲いた訳ではない。ただし暫くはジャレットに番組を任されている)。
 番組はいきなり、ハルク・ホーガン、スティング、ケビン・ナッシュ、リック・フレアー、ダスティ・ローデス、カート・アングルなど過去に参戦していたレジェンドから、現在WWEの中心となっているTNA育ちのAJスタイルズ、サモア・ジョーの名場面が次々に映し出され、いかにTNAに歴史があるかを見せつけたところでTNAの文字が消え、インパクト・レスリングという新しいロゴに変わった。
 そして仲間割れしたデイビー・リチャーズとエディ・エドワーズが客席で殴りあうという混沌とした中、番組がスタート。更にブルース・プリチャード(元スマックダウンのメインシナリオライター、TNAでもメインシナリオライターだったが、離脱していた。ジャレット体制で呼び戻された)がリングに上がり、TNAという名前は死んだ、今後はインパクトレスリングという名称になった。そのインパクトレスリングの世界ヘビー級王者、ボビー・ラシュリーの登場だと、ラシュリーをリングに呼び込んだのだった。
 ラシュリーは全員倒したのでもう敵がいないとアピールすると、そこになんとアルベルト・エル・パトロン(アルベルト・デル・リオ)が現れた。自分に王座に挑戦させろと迫るパトロンだが、そこにイーサン・カーター3世も登場。王座に挑戦するのは自分だと訴えたのだった。一触即発の3人を見たプリチャードがメインで、なんとパトロンの挑戦を決定してしまったのだ。そして試合は、ラシュリー、パトロン共にレフェリーに誤爆を繰り返し、混乱を極めた。レフェリー、サブレフェリーが共に倒れた隙に、パトロンがベルトを奪いラシュリーを強打、この反則攻撃をレフェリーが見ていなかったので、そのままパトロンがフォールを奪い勝利で新王者になってしまった。当然、反則だから無効だと激しく抗議するラシュリーだが、パトロンはベルトを掲げて新王者だとアピール。この王座戦線は今後も見逃せないだろう。

 また契約満了によりROHに移籍したブロークン・ハーディーズが保持するTNA世界タッグ王座はマット・ハーディの超能力でディケイト(アビス、クレイジー・スティーブ)にベルトが瞬間移動し、ディケイトが新王者になったようだ。

■ Impact Wrestling 
日時:2017年3月2日(現地時間・放送日)
場所:アメリカ・フロリダ州オーランド

<インパクトレスリング世界ヘビー級王座タイトルマッチ>
○アルベルト・エル・パトロン(挑戦者)
 ピンフォール
●ボビー・ラシュリー(王者)

<シングルマッチ>
○シエナ
 ピンフォール
●レイチェル・エラリング

<4WAYマッチ>
○ブラクストン・サッター
 ピンフォール
●マシュー・ロケット、カレブ・コンリー、DJZ

<タッグマッチ>
○リノ・スカム
 ピンフォール
●DCC

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