”ガチの奇跡”T-1グランプリ女子プロ抹殺指令

歌舞伎町の雑居ビル7階にある新宿FACEの黒いboxのような空間に、奇跡のライブ・エンタテインメントが繰り広げられた。なぜ2006年度、もっともインパクトのあった興行がPRIDEでもK-1でもなく"T-1グランプリ"なのか、その答えがここにある。

【取材・文:タダシ☆タナカ】06年師走の雑誌企画用に年間MVPを選ぶため、海外格闘技からドラゴンゲートまで、直接取材ができなかった大会をリストアップしてみたら、どうしても気になったのが、2月23日に新宿FACEで開催された女子プロレスオールスター戦「第2回T-1GP」興行だった。これだけは、DVDを入手しておく必要があると思わせた。
インターネット情報などで、狂気の沙汰の異次元空間であったことは承知していたが、百聞は一見にしかずとはこのことだ。162分の市販ドキュメンタリー映像は、プロレス興行の常識をことごとく破壊した、忘れることのできない衝撃の内容であった。

■客はなぜ、プロレス会場に足を運ぶのか。エンタテインメントなのだから、テーマやシナリオは準備されているはずなのに、そこにはなんらかの真剣勝負が見出さなければ、ライブに集う意味がないのではないか?――そんな根源的な問いかけすら浮かんできた一期一会であった。

★T-1GPは、堕ちるところまで落ちたマット界の究極の終着駅である。二見社長は女子プロをダメにしたフロント関係者批判にとどまらず、だらしのないレスラーの責任をも公然と客の目の前で告発したからだ。問題提起の一夜に関して、大会準備過程からして近年の女子プロレスというジャンルの縮図が現出していた。

☆第2回大会で奇跡の瞬間を見せつけたことで、T-1GPは壮大な大河ドラマに昇華している。第3回大会では、興奮したファンがリングサイドを取り囲み、バンバンとエプロンを叩くFMWのフィナーレ状態が自然発生した。
第2回大会の禊を経て、フロントが悪役で、レスラーが善玉という構図すら覆ってしまったのだ。「二見の方が正しい」――マニアに支持されて、ヒーローとなって崇められたのは社長であった。

◆東城えみ参戦発表の真実…禁断の果実、一連の騒動の秘話ついに解禁。
「二見激情」ブログでは公開されなかった内幕ドキュメント完全収録。

T-1物語はガチンコだから興奮できたのだ。格闘技ジャーナリストを名乗る者として、活字の無力さをこれほど感じたことはない。
二見社長の起こした一連のイベントは、あちこちで繰り返し語り継がれるべき刺激に富んだものばかり。しかし、忘れ去られた女子プロというお荷物カテゴリーのせいなのか、その真摯に取り組んだ開催意図の本質が報道されていないままだ。

”ガチの奇跡”T-1グランプリ女子プロ抹殺指令

商品コード futamiosam001

価格 315 円

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