[ファイトクラブ]フルボッコの凄惨~スターダム世Ⅳ虎-安川惡斗ケンカ戦波紋!新日傘下ノアX=矢野通の経緯

[週刊ファイト’15年3月5日号]採録 [週刊ファイト’17年2月2日号][ファイトクラブ]公開中

世志琥の2・11韓国ソウル『ROAD FC 036』大会での総合デビュー戦が発表された。そこで、すべての発端となった事件を取り上げた本誌’15年3月5日号の記事を採録する。part1
世志琥2・11韓国ソウル『ROAD FC 036』総合デビュー発表!

▼フルボッコの凄惨~スターダム世Ⅳ虎-安川惡斗ケンカ戦波紋!
 新日プロ主導で再建中のノアX=アシスタントブッカー矢野通の経緯
 by タダシ☆タナカ

マット界舞台裏3月5日号スターダム世Ⅳ虎惡斗ノアX東京マラソンIGF猪木72歳UFCロンダKID

 2015年2月22日のスターダム後楽園ホール大会、メインイベントで組まれた世IV虎vs.安川惡斗が、プロレスを逸脱した制裁マッチとなり、安川が頬骨、鼻骨、左眼窩底骨折、両目の網膜しんとう症を負った事件を受け、スターダムが25日記者会見を開き、世IV虎に無期限出場停止の処分を課したと発表した。
 また、ロッシー小川代表、風香GM、重鎮の高橋奈苗選手が3ヶ月間、30%の減給処分としたことも併せて発表されている。同日夜の後楽園ホールは、マッチメイクが新日本プロレスの管轄下にあるノアの興行があった。こちらの深淵に踏み込めるのも本誌だけだろう。
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7分45秒の試合時間は、メインの重責も踏まえレフェリー以下なんとか試合を成立させようとしたからであり、早い遅いの問題ではない!
世IV虎引退セレモニー紫雷イオら5選手引き止め 禍乱!6・14スターダム後楽園

 起こってしまったものは取り消せない、というのが記者の最初のリアクションである。業界全体にとって汚点意外の何物でもなく、真面目にプロレスという職業に取り組んでいる選手、団体フロント、専門誌紙記者にとっては迷惑千万な事件には違いないが、臭いものに蓋をして扱わなかったり、小さくしか載せないというのもまた愚行でしかない。
 二度と起こさないためには何が必要なのか等、建設的な提言に持っていかないことにはどうしうもない。また、生身の人間がやるスポーツ芸術プロレスは、毎晩同じショーをこなす舞台ステージとも異なる手前、ハプニングや事故も起こりうる危険なお仕事であり、教訓を反面教師にする必要もあろう。
 記者自身は後楽園ホールに行ったわけではない。本誌A-Rex記者カラの長電話になった最初の報告と、その完成版レポートに目を通し、他媒体の論調も確認したが、週刊ファイト!ミルホンネットの速報ブログ欄に関しては、当初の掲載予定に入ってなかったこともあり、写真は確保していたにも関わらず、他誌より遅れてノコノコ出す判断は見送った。
 本稿後半の話題ともリンクするが、無料公開の箇所に活字にすると、あとから変わったというだけなのに、「週刊マット界舞台裏が間違っていた」とか、肝心の電子書籍ジャーナルを買いもせず根拠のないことを言いふらす輩が少なくない。本誌的には、あくまでジャーナリズムを標ぼうする唯一の専門誌購入を促すサービスとして、お知らせニュース欄があるに過ぎず、定期購読してくれているなら本誌の一貫性なり、いかにスクープの回数と精度がダントツNo.1であるかは説明不要だろう。但し、そんな記録は知ったこっちゃないと揚げ足を取ったり、業界用語を駆使してタブーに言及することにアレルギーを示す読者への配慮は必要かも知れない。不特定多数の目にさらす以上は制約のある公開サイトに出して誤解されるのは本意でないとなった。

 あと、リングスターズが扱ってない、蜜月だったバトルニュースも・・・と、他媒体の詳細は避けるが、正規ラインのない本誌もまた、スターダムを取り上げてない経緯があることも明記すべきであろう。好戦的だった週刊ファイト母体の本誌の場合、団体と問題を起こそうが勲章にしか思わない。本誌顧問ターザン山本先輩の経歴を持ち出すまでもないことだ。どこの団体とも軋轢がないと自慢する専門媒体など、単にジャーナリズムが実践されてない裏返しであり、まるで羨ましいとは思われてない。現在のスターダムがそういう位置にあることもまた、今回の惨劇を生んだ背景であることを指摘せざるを得ないのだ。
 驕れる者は久しからずである。きっちりフォローしてないので、知ったかぶった記述は避けたい。翌月曜夜のサムライTV『バトル☆メン』のダイジェストを見て、和田京平レフェリーの仕切りに感心したものの、これは電子書籍コラム向き、情報商材の箇所のみとの決断を下している。
 A-Rex記者の受け売りに過ぎないが、愛川ゆず季が引退、良くも悪くも絶大な権力を握っていた夏樹☆たいようコーチも消えて、団体運営の歯車が狂っていたことは否めない。まして重鎮の高橋奈苗が手術すると決まり、かなり前から押さえてしまった毎月開催の後楽園ホール興行でマッチメイクが知恵不足に。ドキュメンタリー映画『がむしゃら』が完成した安川惡斗と、21歳、世IV虎のカードを無理やりメインにした失敗が悲劇を生んだようだ。
 処分に関しては批判する立場にない。昭和のプロレス者なら前田日明が解雇された件が有名だが、結果的に幻想を高めたのは歴史の知るところ。世IV虎を拾う他団体が考えられないこと、安川が復帰を望んだとも伝えられているが、団体の度量が試されるのはこの段階となろう。

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