髭面ジョニヘン不可解判定でウェルター級王座奪えず、MMAの象徴GSP休養示唆~20周年UFC167

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(C) Photo Courtesy of UFC
 UFCが史上最低の不可解判定でせっかくの20周年記念大会にミソをつけてしまった。8カ月ぶりの試合を迎えるGSPがアメリカでの試合。”パウンド・フォー・パウンドN0.1″に向け突き進むのか?  髭面ジョニー・ヘンドリックスが悲願のUFCタイトルを獲得するのか? いよいよ激突!
 

 2013年11月16日、UFCの本拠地であるネバダ州ラスベガスでUFC167が開催された。この大会はUFC20周年記念大会という位置づけになっている。直前のイベントでもUFCのみならず、MMA、総合格闘技を作ったと言っても過言ではないUFC最初の王者であるホイス・グレイシーが、現在の王者であるジョルジュ・サンピエール(GSP)に教える、まさにUFCの歴史を受け継いでいく豪華な公開練習など催しも多数あり、盛り上がりまくっていた。
 大会にも創設者ホリオン・グレーシーから俳優にして元カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガーまでVIP級の大物たちがこぞって観戦した。
 この記念大会のメインイベントで組まれたのは、そのホイスと公開練習を行ないUFCの信念を受け継いだウェルター級絶対王者GSPが、最強の挑戦者と言われるジョニー・ヘンドリックスを迎え討つという最高のカード。
 試合は壮絶なものとなった。試合開始早々にいつも通りテイクダウンに成功したGSPだが、ヘンドリックスはすぐに立ち上がり、逆に金網に追い込んでGSPを倒すヘンドリックス。勿論、GSPもすぐに立ち上がるものの、2Rには、ヘンドリックスの剛腕パンチが火を吹きGSPが棒立ちになる場面も。
 その後も手数、クリーンヒットではGSPだが、打撃の破壊力、そしてテイクダウンを奪うのもヘンドリックスという展開で、あのGSPが苦戦。なんとか5Rにはテイクダウンを成功させるGSPだが、激闘で顔面は流血。どちらともとれる接戦となったが、判定は2-1のスプリットでGSP。正直、負けを自覚していたGSPが驚いていた不可解な判定であった。もちろん手数、ポイントのGPS、ダメージ力のヘンドリックスという感じで採点するなら、微差とも言えなくもない限りなくドローに近い防衛となった。しかしながら、主催者側のスター選手を勝たせたとの批判が起きるのは免れえない。しかし、日本と違い判定を出しているのは主催者であるズッファ社ではなく、第三者である各州のアスレチック協会であり、そうした批判は的外れというしかない。どちらかが圧倒的な内容だったのならともかく、非常に僅差だった故2-1という判定だったという事で、こうした事はよくある事、大騒ぎする必要はない。田舎オクラホマのレスリング出身のジョニヘンが、紳士的に判定を受け入れたのが救いであろう。
 試合後、UFCに感謝を述べるGSPだが、私生活のこともあり少し戦線から離れると意味深な言葉を語った。引退の噂もあるが、どういう真意だったのか後日、説明を待ちたいものだ。
 セミファイナルでは、元ライトヘビー級王者、ラシャド・エヴァンスと、UFCのスポークスマンでもある悪口王チェール・ソネンが親友同士ながらも激突。共にレスリングベースで実力拮抗とも思われたが、エヴァンスが終始圧倒。
 最初にタックルにいったのはソネンだが、それを凌ぎ逆に金網に押し込むエヴァンス。お互いにテイクダウンを狙う攻防が続いたが、成功したのはエヴァンスだった。こうなるとエヴァンスがグランドで得意のパウンドを連打、最後は嫌がって背を向けたソネンに対し、バックマウントからヒジを交えて殴り続けたエヴァンスがTKO勝利。エヴァンスは再びタイトル戦をアピールした。
■ UFC 167
日時:2013年11月16日
場所:アメリカ・ネバダ州ラスベガス
<メインイベント ウェルター級タイトルマッチ>
○ジョルジュ・サンピエール(王者)
 判定 2-1
●ジョニー・ヘンドリックス(挑戦者)
※ジョルジュ・サンピエールが王座防衛
<セミファイナル ライトヘビー級>
○ラシャド・エヴァンス
 1R 4分05秒 TKO
●チェール・ソネン
<ウェルター級>
○ロビー・ローラー 
 判定 2-1
●ローリー・マクドナルド
<ウェルター級>
○タイロン・ウッドリー
 1R 4分38秒 KO
●ジョシュ・コスチェック
<フライ級>
○アリ・バガウティノフ
 判定 3-0
●ティム・エリオット
プレミアムカード
<ライト級>
○ドナルド・セラーニ
 2R 3分49秒 三角締め
●エヴァン・ダナム 
<ミドル級>
○ターレス・レイチ
 判定 3-0
●エド・ハーマン
<ウェルター級>
○リック・ストーリー
 判定 3-0
●ブライアン・エバーソール
<バンタム級>
○エリック・ペレス
 判定 3-0
●エドウィン・フィゲロア
<ウェルター級>
○ジェイソン・ハイ
 判定 3-0
●アンソニー・ラプスリー 
<バンタム級>
○セルジオ・ペティス
 判定 3-0
●ウィル・カンプザーノ
<ライトヘビー級>
○ジャン・ヴィランテ
 2R 1分22秒 TKO
●コディ・ドノヴァン
 UFCウェルター級チャンピオン、ジョルジュ・サン・ピエール(GSP)の防衛戦。2013年3月のUFC158では因縁深いニック・ディアスを大差の判定で下し、GSPの強さ・上手さが際立つ結果となった。対するジョニー・ヘンドリックスは最強の敵を倒し、悲願のUFCタイトルを狙う。GSPは8カ月ぶりとなるタイトルマッチで、このまま”パウンド・フォー・パウンド”の道を突き進んでいくのか? 注目の一戦だ。
 ライトヘビー級では同級の元チャンピオン、ラシャド・エヴァンスと、過激な発言でおなじみのチェール・ソネンが激突。
 今大会は11月17日、正午よりWOWOW UFC-究極格闘技-で生放送されました。
UFCオフィシャルホームページ
WOWOW UFC-究極格闘技-
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