熱かった天龍ファンたちよ、集まれ!4・19『天龍PROJECT』大会直前特集①

100412tenryu1.jpg 折原昌夫が一生懸命に「天龍プロジェクト」に汗を流している。大げさな言い方かもしれないがオヤジ(天龍源一郎)を昔どおりの天龍に蘇らせるためだ。折原のオヤジを慕い、一途につくそうとする光景をみていると、ついつい応援してしまいたくなるのが人情というもの。私も大いに応援していきたい。もちろん天龍もまた、折原に感謝しながら「天龍プロジェクト」4・19新宿FACE大会を成功させようとさまざまなアイデアを織り込み、また万全に体調を整えている。
 プロレス業界を長い間、取材してきたが、こういう温かい視点でおこなわれる興行は初めてだ。かつての熱かった天龍ファンたちも、ぜひ集まってきてほしい!(構成・文:安田拡了)

若手の心に天龍イズムを刻み込む!
<メインイベント>
天龍源一郎(天龍PROJECT)&高木三四郎(DDT)
vs.
嵐(ドラディション)&ディック東郷

 今回の「天龍プロジェクト」のメインカードは天龍&高木三四郎vs嵐&ディック東郷となった。
 このカードを見て「なるほどな」と思った。
 対戦相手となる嵐(当時、リングネームは高木功)は全日本プロレス時代、天龍にいつもボコボコにやられていたものだった。嵐を恐怖のどん底に突き落とし、そこから這い上がらせようとする天龍式の鍛え方がそこにあったのだ。その後、嵐は天龍が旗揚げしたSWSに参戦し、天龍ともに歩んでいくことになるが、それだけに天龍に対する思い入れは強い。
 そんな嵐とタッグを組むのがディック東郷。東郷は来月6月をもって国内のプロレス活動を終了し、その後、海外に遠征してボリビアで引退することを発表したばかり。
 残り少ない国内試合を一戦一戦悔いなきものにしていきたいと決意しいて、120%気合が入っている。
 東郷のプロレスはスピード・パワーだけでなく飛ぶのも組むのも超一流で、新日本などにはことあるごとに助っ人としてリングに上がっているが、本来は大きな団体で中核的役割をやっていっても不思議ではない凄腕レスラーだ。
 その東郷を対戦相手に指名したのは、ほかならぬ天龍だという。天龍は早くから東郷を買っていて東郷を実際に体感したかったに違いない。老いても意気軒昂の天龍らしい発想だ。それだけではなく近頃の天龍は、また一味違った考えを持ちはじめた。
 天龍に近い関係者が言う。
「天龍はいろんな若手に目を向けていきたいと思っている。地方で頑張っている選手もいっぱいいる。どのくらい頑張っているかを見てみたいし、いまのプロレスを否定するのではなく、天龍源一郎のようなプロレスもあるんだぜというものを彼らの心の中に残していきたいんです」
 おそらく自分がやってきたプロレス。天龍イズムを、頑張っている若手選手に刻み込ませたいというオヤジ心があるのだ。
 80年代のプロレスファンは実に熱かった。馬場派、猪木派で対立し、プロレス革命をしようとした天龍や長州の一挙手一投足に興奮したものだった。いまのプロレスラーはそういうプロレスを小さい頃に見てレスラーに憧れた。いま天龍からじかに体と心に刻み込んでもらえるなんて、こんな凄い話があるだろうか。
 天龍とタッグを初めて組むことになった高木三四郎(DDT)だって、思ってもなかったタッグに緊張しまくりだ。ベテランだけに本番でガチガチになることはないだろうが、そういう心理を探りながら試合を見るのもなかなか面白い。
 三四郎、あがるなよ(笑)。
提供: 天龍プロジェクト実行委員会