いまプロレス界はどこも厳しい。
それは団体に限らず、フリーの選手だって、マスコミだって同じこと。そんなことはプロレスファンなら誰でも分かっていることだ。
だが、その中でもいろいろな意味で一番苦しんでいるのは、ノアかもしれない。
なにせノアは地上波のテレビ中継がいまや付いていないのに、所属選手やスタッフの数など、規模でいえば十分メジャー。それに馬場全日本からの流れを汲み、いまは亡き三沢光晴前社長の意思を継いでいかなくてはいけない。
団体を潰すわけにはいかないのはもちろん、見るからに規模を縮小して、インディー団体になることすら許されないような十字架を背負わされている状態だ。
そんな十字架を背負い、メジャーであり続けなければいけないノアだが、昨年12月と今年2月の日本武道館大会は正直いって、2大会連続で“不入り”だった。
新日本プロレスから昨年のG1クライマックス優勝者である真壁刀義、そして故三沢さんのライバルだった川田利明が出場しても、残念ながら武道館をフルハウスにすることが出来なかった。
それどころか、昨年10月頃からは地方大会の興行成績もどんどん落ち込み、資金繰りは悪化する一方。
その原因の1つになっているのがスター選手の負傷欠場だ。小橋建太をはじめ、KENTAや潮崎豪、鈴木鼓太郎といった選手が次々に負傷欠場。秋山準も万全の体調とはいえない状態で、なんとか試合に出場している。
そんなノアにとって、一発逆転を狙えるビッグサプライズと思われるのが、三沢光晴一周忌興行として準備が進められている東京ドーム大会だ。
そのことは「マット界舞台裏」でも何度か取り上げてきたが、ここに来てどうやらノアのドーム大会が中止になった」という情報が飛び込んできた!
「ノア東京ドーム大会を開催」のニュースは「マット界舞台裏」がどのメディアよりも先にスクープしたネタ。それだけに元「週刊ファイト」編集長の井上譲二記者は“確かな筋”に当たり、本当に中止かどうかの裏を取った。
確認作業は思ったよりも困難を極めた。
それというのも、ノアは今年旗揚げ10周年を迎えたため、旗揚げ10周年記念イベントも計画しているのだ。つまり「三沢光晴一周忌興行と旗揚げ10周年記念イベントをまとめて開催するのか」「それとも別々に開催するのか」「一緒にやるならやはりドームだろう」「いや開催候補地にドームが入っていない」といった感じで情報が錯綜しているのだ。
だが、井上記者はそんな状態でもきっちり角度の高い証言を入手しているし、様々な情報を集めて吟味した上で、ノアが東京ドームをやるのか、やらないのか、どちらか予想をしている。
ノアファンの方は今週号をまず読まれてから、チケット代を貯めようかどうか悩んでみてはどうだろうか。
週刊マット界舞台裏'10年3月11日号
今週の「マット界舞台裏」では開催決定の発表の前に、中止のウワサもあるノア東京ドーム大会に迫る!
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