NJKF 5・10後楽園大会、出場4選手 インタビュー

5月10日、後楽園ホールにて開催される、NJKF「ROAD TO REAL KING VI」大会に出場する4選手のインタビューが行われた。
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(C)NJKF
☆健太「イメージでは70回ぐらい倒してる。NJKFを救います!」
──まずは、3月の紅闘志也戦から振り返っていただければ。予告通りKO復活とはいきませんでした。
健太 試合直後は凡戦やっちゃったんで結構へこたれてたんですけど、今となっては、あの時来てくださったお客さんには悪いんですけど、いろいろ試せてよかったかなと思ってます。
──とりあえず、白星もついたし。
健太 うーん……結構、客席がシーンとしちゃってたんで気にしてたんですけど、会長も慰めてくれたし(苦笑)。相手のせいにしたらアレなんですけど、あんまり勝とうという気が伝わってこなくて、防ぐことだけ考えてる感じだったんで、倒しきるのは難しかったですね。
──「いろいろ試せた」という中には、首相撲もあったわけですか。
健太 相手が首相撲をやってくると聞いてたんですけど、自分の方ができるなと思って。ガンガン行けばよかったんですけど、僕がイタリアでフランス人にやられた嫌がらせを逆にやったりして楽しんでたら、会場がシーンとしちゃったんで、反省してます。次の山内選手は噛み合うと思うんで、ああはならないと思います。
──その山内裕太郎選手ですが、全日本キックのスーパーウェルター級王者。全日本中量級のエースと言われています。
健太 うれしかったですね。チャンピオンになって、なかなかそういう実績と名前のある選手とは組まれなかったんで。しかもいい結果残してなかった中で組んでいただいて。山内選手には、「ありがとう」という感じですね。
──どういう印象を持ってますか?
健太 大きい選手ですけどコンパクトに攻撃して、センスのある闘い方をするんで、うまいなあという感じですね。
──印象に残っている試合は?
健太 山本優弥選手とやった試合とかですかね。結構前ですけど。
──対戦するかもしれない相手としては?
健太 常にそう見てましたね。やっぱりこの業界にいる以上、他の選手の試合は常に、自分がやるとしたらという目で見てるんで。
──実際に闘うとなって、一番警戒する点は?
健太 ヒザ・ヒジですかね。デカイし、僕も結構、疲れると足止めて下がってきちゃうんで、飛びヒザを警戒しないと。あとヒジですね。
──逆に、何を使ってどう攻めるかというと。
健太 何通りもありますよね。今回、初対決ですけど、イメージではもう70回ぐらい倒してますから。
──70通りの倒し方で?
健太 いや、同じ技で50回ぐらい倒してますけど。いろいろイメージして。当日はデジャ・ブみたいになるんじゃないですか。「あ、これか」って感じで。
──モチベーションも上がってるんじゃないですか。
健太 もちろん、メチャクチャ高いですね。今までは、「ああ、今日も練習しなきゃ……。よし!」みたいな感じだったんですけど、今は練習が楽しくなっちゃって、ハイな状態で。1日24時間ぐらい練習してます。
──何時間生きてるんですか(笑)。
健太 いやもう、寝るのも練習ですよ。早く寝て成長ホルモン出そう!って。疲れて休むのも練習。常に試合のことを考えてて、食事もゆっくり多く噛んで栄養を取り入れようとか。風呂入ってストレッチして、寝る前にイメージトレーニングして……いろいろしてると、24時間。
──なるほど。
健太 今回は、「練習やるぞ!」っていう意気込みもないですね。楽しいんで。減量がないからかもしれないですけど(笑)。
──前回に続いて70kg近辺での試合ですね。
健太 前回も、紅選手はライトから上げてきた選手なんで体格差も気にならなかったし、今回も普通にやれます。
──先ほども出ましたが、NJKF王者が全日本に連敗中という状況です。ファンからしてみれば、とにかく勝ってくれ!という状況だと思いますが。
健太 そこについてはプレッシャーは全然なくて。というのは、結構みんな、「健太負けるだろうな」と思ってると思うんですよ。だから僕は圧勝して、マイク取って「見たか!」と……絶対言えないですけど(笑)。でもそれぐらいの気持ちで。だからプレッシャーにはならないし、むしろ組んでくれた連盟にはホントに「ありがとうございます」って感じなんで。しっかりチャンスを掴みたいです。
──団体対抗戦という部分については?
健太 そうですね、人間の本能的に集団意識があるみたいなんで、属してる集団に愛着心が湧くもので。やっぱり自分たちの闘ってるリングで他の連盟に負けてると、自分たちの普段やってる闘いより、全日本とかの方がいいんだとかいう風にファンは思っちゃうと思うんで。もちろん選手も、自分たちは素晴らしいパフォーマンス見せてると思いたいはずなんですよね。それに自分が貢献できるんであれば、うれしいです。
──今年の目標は2階級制覇ということでしたが。
健太 そうですね。70kg近辺でもしっかり闘えるようにしたいですね。山内選手もすでにK-1に出てるんで、勝ってアピールして、体も大きくしていきたいですね。……まあ、今年の目標は「長島☆自演乙☆雄一郎選手を倒して2冠」だったんですけど、その前に大きな山場が来た感じですね。
──では最後に、試合に向けての意気込みをお願いします。
健太 まさかの健太が、ニュージャパンを救います!
☆山内裕太郎「全力で勝って、前戦の負けを払拭します!」
──前戦は3・18「Krush.2」後楽園大会でしたが、廣野祐戦では判定負けという結果でした。コンディションが悪かったとか?
山内 負けた後に何を言っても言い訳になってしまうんで言いたくはないんですが、確かにちょっと調整に失敗してました。
──ケガではなくて?
山内 そうですね。とにかく僕のアホなミスで、最低なコンディションで最低な試合をしてしまいました。
──その溜まった気持ちが今回の試合につながっていると。
山内 あんな試合してしまって落ち込んだんですけど、ずーっと落ち込んでてもしょうがないし、来ていただいたお客さんにも失礼なことをしてしまったんで、どうしたらいいかなと考えたんです。それで、自分にできるのは早く次の試合をして、そこでいい試合をしてみんなに見せるしかないなと思って。終わってすぐに連盟の方に話をして、場所はどこでも相手は誰でもいい、自分が出向くから試合をさせてほしいと。
──そしたら、まさにアウェーの試合が決まってしまったわけですね(笑)。でも、K-1以外では、山内選手が他団体で試合するのは珍しいですよね。
山内 しばらく全日本で闘ってたんで。ずーっと前、7戦目ぐらいの頃にJ-NETさんに出たことがあるんですけど、それぐらいですね。
──初のNJKF参戦ですが、どのような気持ちで臨みますか?
山内 もちろんアウェーなんで、中途半端な試合したら勝てないのは分かってるんで、そうじゃなくてホームだったとしても今回は自分に対する試練というか、勝つだけじゃなくて全力を出して、山内裕太郎を見せれる試合をするつもりなんで。思いっきりやるだけですね。
──敵地での試合というのは試合に影響しますか?
山内 リングに立ってみないと分からないですけど、今のところは特にないし、勝手が違うのはあるでしょうけどリングに上がってしまえば自分がやってきたことをやるだけなんで。気負わないように。
──相手は健太選手ですが、認識のほどは。
山内 正直、ちょっと知らなくて、映像もまだ見ていない状態です。でもチャンピオンだし、戦績とかは目を通してるんですけど弱い選手がチャンピオンになれるわけはないんで。自分と同等の力を持ってると思って、しっかり練習します。
──対策はこれから?
山内 はい。ビデオが手に入れば毎日、何回も何回も、夢に出てくるぐらい見ますから。
──そんなに見るんですか。選手によって分かれるみたいですけどね。
山内 見なくて得することは何もないと思うんで。トレーナーの方とみっちり何回も見て、いろんな方面から対策しますね。
──いま知っている情報から思うことは?
山内 すごく若いんですよね。自分と10歳ぐらい違う(笑)。そういう選手には負けられないんで。
──現役大学生ですからね。意識しますか?
山内 負けねえぞって気持ちはありますけど、そこまで意識するわけでもないですね。これから対戦する選手には弱い選手はいないと思うんで。
──そしてこの試合は、昨年から続いている「NJKF対全日本」という流れの中の一戦でもあります。
山内 ああ、自分の中ではそういう意識は全くないですね。今回は、自分が出せるか出せないかっていうのが課題なんで。
──自分のことだけ。
山内 そうですね。純粋に、「山内VS健太選手」っていう、そこだけに集中して。
──今回の試合で出したい「自分」というのはどういう部分ですか?
山内 あの技この技とかでなく、今まで練習してきたこと全てですね。それを3分5Rの中で出して。自分が全力を出せば、伝わると思うんですよね。どっかで抜いちゃうと「何だアイツ」ってなっちゃうんで。全力出して、熱い試合をしたいです。
──その中で、昨年の望月竜介戦の「横前蹴り」のように、見たこともない技を出して驚かせると。
山内 はい。でも、あんまり言ってると廣野戦みたいなことになっちゃうんで(笑)。技とかはしっかり練習してるんで、その時が来れば勝手に体が動いて出ると思うし。あれをやろうと狙うと、逆にうまくいかないんじゃないかなと。純粋に、自分の持てる技を全部使って試合をしたいです。
──しかし、あの横前蹴りには驚かされました。普段練習していても出してない技というのはまだたくさんあるんですか?
山内 自分の中ではあの技も、「技」っていう認識はあまりなくて、ジャブとかと同じような感じだったんですよ。でもあの試合の後、すごくいろんな人に言われるんで、珍しいんだなって。だから、自分では認識してないけど、そういうものもあるかもしれないですね。
──今回は5Rのキックルールです。よくスロースターターだと言われますが、5Rの方が闘いやすいですか?
山内 それもよく言われるんですが、自分の中では関係なくて、3Rでも5Rでもヒジがあってもなくても強い人が勝つと思ってるんで。ただ、一つ言えるのは、やっぱりヒジあり5Rの方がキツイです。
──なるほど。
山内 自分が3Rヒジなしで結果を出してないのでそう言われるんですけど、決して3Rヒジなしが苦手という意識はないです。
──勝つイメージというのは作るものですか?
山内 まあビデオもたくさん見るし、試合について四六時中考えてるんで、負けるパターンも考えるけど、勝つパターンもいろいろ想像して、最後は自分が勝つイメージを作るようにしてますね。
──NJKFのリングということで、山内選手を初めて見る人もいるかもしれません。そういう人たちにどんなところを見てもらいたいですか。
山内 全力で闘うってところですかね。できるのもそれだし、見てもらいたいのもそこなので。
──では改めて、試合への意気込みをお願いします。
山内 5月10日、健太選手といい試合します。頑張ります!
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☆国崇「1Rからラッシュかけます!」
──前回は3・18「Krush.2」での山本真弘戦、残念な結果に終わりました。振り返ると?
国崇 終わってから考えてみれば、勝つ確率を上げる方法はもっとあったんじゃないかなと。
──作戦面ですか?
国崇 いや、作戦は合ってたんですけど、その動きができなかったというのが。
──そこから2ヵ月弱で今回の試合ということになりましたが、あの試合を踏まえて何かありますか?
国崇 あの試合で分かったことがいくつかあったので、そこに気をつけて練習してます。
──例えば?
国崇 他の試合でもそうなんですが、自分のいいところというのは守った時じゃなくて攻めた時に出るということが一つですね。
──なるほど。今回、MAキックの高橋拓也選手との試合となりました。56kg契約ということで、最近はフェザー級~60kgの試合が多かったですが、体重の面ではどうですか?
国崇 問題ないです。55~58kgぐらいだったら。
──前回の山本戦での60kgは?
国崇 ちょっと、自分が小さいなと思いました。なので、とりあえず自分に合った体重からやり直していこうと思ってます。
──「高橋拓也」選手と言えば、国崇選手と同門の高橋選手(元NKBフライ級王者)と同姓同名ですよね。気になったりします?
国崇 いや、全然(笑)。ジムに「高橋拓也戦が決定しました」っていう貼り紙をしてるんですが、それでジムの人が驚いて聞いてきたりはしますけど。
──ま、知らないと驚くでしょうね。今回対戦する高橋選手の印象は?
国崇 生で見る機会はあまりなかったんですけど、ビデオは見ました。自分も会長も、ムエタイ寄りの待ちのスタイルかなと思ってたんですが、見たらけっこう1Rからガツガツ来るタイプだったので、「あれっ」と。トリッキーというか、1Rから来ますね。
──警戒する点は?
国崇 リーチが長いというところですかね。でも、リーチなら米田貴志選手も長かったですし。あとは奇襲攻撃でもらわないように。
──この試合での、自分のテーマは?
国崇 もちろん、勝つことですね。それと今回は、1Rから猛ラッシュでいってみようかと。
──猛ラッシュで! 短期決戦狙い?
国崇 というか、とにかく1Rから攻めるということですね。頭にはあったんですけど今まで、そういう試合がないんで。
──意識してそうすると。
国崇 はい。相手がどうこうではなく、やってみたいですね。
──お客さんにはどういうところを見せたい?
国崇 やっぱり3月の試合で失った信頼を、勝つことで取り戻したいですね。
──では改めて、試合に向けての意気込みを。
国崇 何度か言ってることなんですけど、新しい国崇を見せたいと思います。
──「新しい国崇」というのを、具体的にアピールするとしたら?
国崇 うーん……ウチの高橋拓也みたいな感じですかね(笑)。
──なるほど、「ジェットボーイ」的な感じで。それで同姓同名の相手を倒すと。
国崇 そうですね(笑)。頑張ります。
☆高橋拓也「噛ませ犬にはなりません!」
──今回、対戦する国崇選手との試合ということになりましたが。
高橋 やっぱりこの階級ではトップの選手なので、試合できて光栄ですね。
──国崇選手は最近、フェザー級でも試合をしていますが、そのあたりは?
高橋 話が来た時点でできる限り受けようと思っていたので、体重的な部分は気にしていません。
──一番、警戒する部分というのは?
高橋 代名詞の飛びヒザですね。でも、トレーナーと対策は立てているんで、迎撃します。
──自信はあると。確認ですが、一度引退されていたんですよね?
高橋 はい。「MACH55」トーナメントに王者として出場して他団体の王者に負けてしまったので、ベルトを返上して引退しました。責任を取って辞めました。
──ですが、リングに戻ってきたと。
高橋 1年半経って、もう少しだけやってみたいと思うようになって、ウチの会長にわがまま言ってまたやらせてもらうことになりました。
──戻ってきての一番のモチベーションは?
高橋 自分を応援してくれる人がいるので。もう本当の引退も近いかもしれないので、追い込みですね。
──その上で、今回の試合では何を見てもらいたいですか?
高橋 ぶっちゃけ、僕は1階級下の1位の人間なんで、噛ませ犬として呼ばれたと思ってるんですけど、噛ませ犬にはならないぞと。
──意地を見せると。では、お客さんへのメッセージを。
高橋 MA日本キックボクシング連盟にもいい選手はたくさんいるので、見に来てください。応援よろしくお願いします。