背を血に染めた“翼なき野郎ども”宙を舞い落下! 飛び交う大・キチガイコール! 3・12大日本新木場で禁断の「葛西vs.沼澤」が復活!

 12日、東京・新木場1st Ringにて、大日本プロレス『大日本最侠タッグリーグ公式戦』が行われた。
 意外にも、大日本がインディーの聖地・新木場を使用するのは実は今大会が初めて。この記念すべき“デビュー戦”に、大日本はなんと045邪猿気違’S(ゼロヨンゴ・ジャンキーズ)の葛西純と“黒天使”沼澤邪鬼の同門デスマッチという、切り札中の切り札カードをマッチメイク。
 この対決は以前に、2005年6月8日の横浜文化体育館大会にて、沼澤の『デスマッチ7番勝負』の6戦目として「カミソリ十字架ボードデスマッチ」という危険極まりない試合形式で行われたが、そのスプラッタ度MAXのグロテスクな両者の全身からの流血ぶりが、プロレスファン以外の層にもセンセーショナルな話題を集めたいわくつきのカード(試合映像をYouTubeなどの動画サイトで見て、衝撃を受けた方も多いことだろう)。それが13日の金曜日前夜、3年の沈黙を破り復活する――!
 セミファイナル終了後、不気味なBGMとともに粛々と設営されるデスマッチの舞台。「前を空けてください!」と、半ば怒号混じりにスタッフが絶叫しながら脚立と足場を運び出す光景を、362人超満員の観客が、固唾を呑んで見守る。
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異様な雰囲気の中設営される舞台。高さ4メートルの足場が完成すると、緊張気味に見守る北側観客から拍手が沸きあがった
 じっくりと時間をかけて作られた舞台は、リングと北側花道に立てられた脚立に足場を固め、ロープには蛍光灯、コーナーポストには蛍光灯十字架と、この二人の対決にふさわしく、最高最悪の危険度。
 観客の異様な熱気に包まれながら始まった序盤戦は、静かなレスリングの攻防。緊張のあまり一瞬、超満員の観客に「シーン現象」が起こるが、それも束の間、両者はアッという間に蛍光灯を次々と手に取り、いつ果てるとも知れぬ激しい傷つけ合いを展開。選手も観客もエキサイトしたまま、戦場はついに高さ約4メートルの足場上の攻防に。
 この高所での闘いを制したのは沼澤。幾度かの投げの打ち合いの後、リングサイド下に設置した机めがけて、沼澤はハリケーンドライバーで真っ逆さまに葛西を叩き落とす!
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これが落下の瞬間! 残念ながら画像がブレてしまったが、4メートルの高さから、確かに葛西の身体が真っ直ぐに落ちている……!
 
 蜂の巣をつついたように騒然となる場内。あまりのダメージの大きさに、かなりの時間が経っても両者立ち上がれない! 「…まさか、死んだか!?」と場内がざわめく中、葛西と沼澤がむくむくと蘇生すると、超満員の観客はまたまた大歓声! 激しい場外戦の後、沼澤をビニールテープで机にグルグル巻きに固定し、「どけー!」と叫びながら南側客席を突っ切って歩く葛西。…気づくと、天井沿いのバルコニーを歩いているではないか!
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 高さ約6メートル。前代未聞の新木場バルコニーダイブ! 本当に葛西が飛びやがった!!
 
 机に固定させた沼澤めがけて真っ直ぐに落下する葛西。見事沼澤に命中すると、「バキッ」という轟音が場内全体に響き渡る。その音を聴いた大観衆は、新木場では珍しい(?)両足ストンピングで、二人のエンドレス狂乱ファイトを歓迎! 場内の雰囲気は、プロレス会場というよりは、あたかもハードコアパンクバンドのライヴのようである。
 リングイン後も、残った蛍光灯を惜しげもなく破壊し合う二人。葛西が「アーッ!!」と絶叫しながら自らの胸に蛍光灯を突き立てて気合いを入れると、超満員の観客が、発情した獣のように一斉に大興奮! 場内が割れんばかりの大「キチガイ」コールに包まれる。
 
 キチガイコールで勢いづいた葛西は、フィニッシュに向けて一気に畳みかける。誰もが「決まった!」と確信した脚立からのパールハーバースプラッシュも、沼澤はカウント2.9で返す根性を見せたが、葛西はリバースタイガードライバーでさらにダメを押してカウント3を強奪。再度開かれた禁断の扉=沼澤との同門デスマッチを制した。
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「ヌマよぉー! オメーはカウント3つの奪い合いのプロレスじゃ負けたかもしんねー。でも殺し合いじゃ負けてねーよな!? 俺っちとオメーっちの殺し合いは、まだ始まったばかりだぜ!?」
と、試合後は勝者葛西が敗者沼澤にエールを送りノーサイド。そして抱擁し、ご覧のブラッディー・ディープキス! そして葛西にマイクを託された沼澤が、
「これからもオマエらを、俺たちキチガイが幸せな所に連れてってやる! ついて来い!」
と、ファンに向けて絶叫。
 記念すべき大日本の新木場第1戦を、血みどろのキチガイ一色に染めあげた邪猿気違’S。大満足で上気した観客は、葛西と沼澤が脚立を登り、花道の奥に消えた後も、二人の“翼なき野郎ども”をスタンディングオベーションでいつまでも讃え続けていた――。
 
 
 そしてミルホンネットでは、この禁断のキチガイデスマッチの衝撃未公開写真の数々を、20日発売の『マット界舞台裏』3月26日号で大々的に掲載予定。お楽しみに!!
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 前半戦のMVPが、2・19アパッチ興行でもハードな暴れっぷりを見せつけていたSTYLE-Eの若武者・竹田誠志。有刺鉄線ボードマッチで行われた第3試合の最侠タッグ公式戦にて、パートナーの木高イサミとともに、井上勝正を有刺鉄線ボードの上からイスでメッタ打ちにするなど、破天荒なラフファイトで観客の度肝を抜いた。こうなると16日アパッチ興行でのバラモン兄弟狩りに、俄然期待が沸いてくる!
■大日本プロレス『大日本最侠タッグリーグ公式戦』新木場1st Ring大会
2009年3月12日(月)開始:19:00
会場:東京・新木場1st Ring
<オープニングマッチ 20分1本勝負>
○谷口裕一、クレイグ
(10分59秒 スクールボーイ)
大黒坊弁慶、●河上隆一
<第2試合 メンズワールド6人タッグマッチ 30分1本勝負>
円華、○ツトム・オースギ、○ヘラクレス千賀
(15分35秒 エビ固め)※『展覧会の絵』より『小人』
MEN’Sテイオー、大石真翔、●佐藤悠己
<第3試合 大日本最侠タッグリーグBブロック公式戦 ボブワイヤーボードデスマッチ 30分1本勝負>
○竹田誠志、木高イサミ【1勝1敗 勝ち点2】
(14分10秒 片エビ固め)※国体1回戦スラム on the 有刺鉄線ボード
●井上勝正、星野勘九郎【1勝2敗 勝ち点2】
<第4試合 大日本最侠タッグリーグAブロック公式戦 30分1本勝負>
○関本大介、田中将斗【1勝1敗 勝ち点2】
(16分19秒 アルゼンチンバックブリーカー)
●大橋篤、岡林裕二【2敗 勝ち点0】
<第5試合 大日本最侠タッグリーグAブロック公式戦 30分1本勝負>
宮本裕向、○佐々木貴【2勝 勝ち点4】
(12分47 逆片エビ固め)
佐々木義人、●石川晋也【1勝2敗 勝ち点2】
<セミファイナル ハードコア6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○伊東竜二、シャドウWX、アブドーラ・小林
(16分2秒 体固め)※ドラゴンスプラッシュ on the チェアー
ジ・ウインガー、石川修司、●gosaku
<メインイベント 13日の金曜日イブ 三途の川に架ける橋 ~madness of massacre~ 30分1本勝負>
○葛西純
(16分51秒 片エビ固め)※リバースタイガードライバー
●“黒天使”沼澤邪鬼