歴史オタク的プロレス史9~リングは戦場なり~

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こんにちわ。歴史オタク、三瓶千詠です。
今回はミル・マスカラスをフューチャーいたします。
ミル・マスカラスといえば、“千の顔を持つ男”。
リングネームもスペイン語でまんま「千の顔」でございます。
ミル・マスカラスはメキシコのルチャ・リブレを代表する選手でございます。
ルチャ・リブレはマスクマンが多く、
その中でもミル・マスカラスは試合の度に
色んなマスクをつけてくるので有名なのでございます。
それにしても…1942年生まれ、現役って、どういうことでしょう!?
1942年といえばまだ第二次世界大戦真っ只中ではないですか。
それこそ普通の人なら「千の顔」ならず「千の風
になってしまいそうな年なのに…
ついついマスクの下は別人なのでは!?と思ってしまうほど。
でもその鍛え抜かれた逆三角のボディは、
幾多の修羅場をくぐり抜けてきた証として他の追随を許さないのでございます。
さてさて、マスク=変わり兜という定義は
こちらの記事でも書いてきましたが、
ミル・マスカラスの様に最も多くの変わり兜を使い分けた武将は誰か?
気になりまして、ちょいと調べてみました。

■徳川家康■
黒漆塗大黒頭巾形兜、黒漆塗一の谷形大釘後立兜

■上杉謙信■
鉄三枚張峯界形張懸冑、銀箔押張形懸兎耳形冑
金箔押左折烏帽子形兜、三宝荒神形兜
黒漆塗頭形鉢

■加藤清正■
長烏帽子形兜

■前田利家■
熨斗烏帽子兜

■黒田長政■
黒漆塗大水牛脇立桃形兜、銀箔押一の谷兜

■黒田孝高■
朱漆塗合子形兜、銀白檀塗合子形兜

■本多家■
金箔押栄螺形兜

■藤堂高虎■
黒漆塗唐冠形兜

…、はっ!!
これもう見たまんま謙信公の一人勝ちじゃないですか!?
変わり兜も武士の気性やアイデンティティを表したもでございまして、
つまりなんだ、謙信公、自己主張が激しすぎですぞ~!!
次点は徳川家康。黒田親子もなかなかの逸品揃いでございますな。
ミル・マスカラスはプライベートはストイックで、
それ故長く現役を保っております。
そのかわり、リング上ではエゴイストと言われております。
譲れない自分のプロレス美学があるのでしょう。
変わり兜を多く所有した上杉謙信も然りです。
やみくもに領土を広げるため戦をしかけるのではなく、
「義」の志の元で戦う名将でございました。
しかしながら群雄割拠の戦国時代、謙信の志は時として仇になりかねません。
「義」を貫く事、それは謙信公の究極のエゴと言ってもいいでしょう。
謙信公も、譲れない自分の戦美学を持っていたのです!
マスクや兜で自己主張をする人は『目立つ事』を受け入れております。
下手したらターゲットにされ、潰されかねないです。
だからこそ生半可な主張ではマスクや兜で主張なんてできないはず。
プロレスも戦国時代も、自己主張をする者は
命がけで己の信念を貫いているのでございます。
ミル・マスカラス、千の顔を持つ男。
今後の活躍にも期待大ですね。

山口敏太郎事務所 三瓶千詠(みかめゆきよみ)