アトランタのフィリップス・アリーナで開催されたUFC88 BREAK THROUGHは入場者数者数14736人、チケット売り上げは260万ドルだと即時発表。これにPPV、マーチャタイジングあわせると大会の売り上げはいくらになるのだろう?
アトランタ市内もモールなどには大きなUFCのポスターが貼られ、UFCのTシャツを着ている人間を多く見かけ盛り上がりを感じた。
アンダーカードの第一試合から満員のアリーナは大盛り上がり。長南亮はホアン“ジュカオン”カルネイロに辛くも勝利したが、判定が逆でもおかしくない大接戦だった。
次の試合からPPVが始まり、ケーブルTVのリアリティー番組TUF(ジ・アルティメット・ファイター)で活躍したマット・ブラウンの登場で盛り上がる。対戦相手が韓国のキム・ドンヒョンだったために大USAコールの中での接戦をものにしたキムには、最後まで厳しいブーイングが飛んでいた。
ダン・ヘンダ―ソンは柔術マジシャンのホジマール“トッキーニョ”パリャレスのテイクダウンをほぼ封じ、足カンも冷静に対処し老獪さを発揮した。再びタイトル戦線へ復帰であろうか?
リッチ・フランクリンとマット・ハミルは、聴覚障害のあるハミルと人気のフランクリンという注目の試合で1R押していたハミルが2R途中のローブローから失速、最後は3RミドルキックでKO負け、”数学教師”フランクリンもタイトル戦線に浮上した。
メインのチャック・リデルとラシャド・エバンスは大ブーイングのエバンスと大人気のリデルという対照的な迎え入れ方から。GOODシェイプのリデルの勝利が予想される中、息を飲むエンディングに向かう。毎試合カウンター狙いのリデルに対し、逆に引いてリデルに追いかけさせる展開を作るエバンス。
”チャック”コールがこだまし、前に出ざる得ないリデルの調子がやや狂った。1R、2Rも同じ作戦で金網際に追い詰めアッパーを放ったリデルに、エバンスの綺麗なカウンターの右フックが炸裂しノックアウト! ハッピーエンドを期待したファンのため息が聞こえた大番狂わせが起こる。
客の大ブーイングの中、己を誇示するエバンス、去就の決まらないティト・オーティズと引き分け、スーパースターのリデルをKOしたエバンスの次の試合が楽しみだ。
TUFで一般に浸透したと考えられがちだが、一見さんへの配慮を怠らない会場には感心した。ビジョンを10個も多用したり試合進行などもスムーズで、観客を楽しますスペクテイター・スポーツとして大会が運営されている。コミッションの的確な選手管理、大会管理、選手のプロ意識も高く、こう着が少しでもあると大ブーイング、ある意味ブーイングがアグレッシブな試合、選手を育てている側面もある。
日本再上陸の噂のあるUFC、世界MMAの頂点に立つプロモーションの日本大会開催が望まれる。
UFC88アトランタ現地観戦 チャック・リデルが陥落
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