飛び交うイス! This is Hardcore! 金村XWF、8・6後楽園で狂瀾怒涛の旗揚げ

 あの“問題児”が究極のハードコア戦で再始動――。金村キンタローが立ち上げた新・プロレス集団「XWF」の旗揚げ戦が、6日夜、東京・後楽園ホールにて行われた。
 金村は去る2月のセクハラ騒動によりアパッチ軍を辞し、一時期表舞台から遠ざかっていたが、6月に黒田哲広、田中将斗と、新ユニット「インディペンデント・ハードコア・ブラザーズ」を結成、同時に新・プロレス集団「XWF」を旗揚げを宣言していた。
 記念すべき旗揚げ戦は、金村に縁の深い選手が多数参戦し、華やかな顔ぶれとなった。メインの「エクストリーム・ハードコア・6人タッグマッチ」にて、インディペンデント・ハードコア・ブラザーズを迎え撃つガイジン3人組が、これがまた特濃。この日の午後5時ギリギリの来日で、関係者をヒヤヒヤさせたスーパー・レザー・フェイス、「サンドマン、暴行容疑で逮捕」により代打出場と相成ったレイヴェン、そして元ECWの常連トレイシー・スマザースの、豪華バカガイジン・ユニットの揃い踏み。究極のハードコアファイトを見せたい金村組にとって、これ以上ない相手である。

 先に入場は金村組。ホール南側客席から、金村が故・冬木弘道さんの紫のガウンを着て登場。ブリブラダンスで早くも会場を一体化させる。続くガイジン組の入場は、まさにレザーの独壇場。「もしや試合よりも長く時間をかけるつもりなのでは?」と思わせるほど、時間を存分にかけ、レザーは観客席のあらゆる箇所を破壊しまくり、逃げ惑う観客を阿鼻叫喚の地獄絵図に叩き落す。一時は死亡説まで飛び交ったのが嘘のような、R-18指定確実の暴れっぷりだ。
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恐怖! レザーフェイス劇場。お嬢さん、逃げて! 逃げて!

 肝心の試合も、「究極のハードコアマッチを見せる」というXWF旗揚げの意志にふさわしい、未曾有の大乱戦。選手たちが六者六様にリング内外に散らばり、場内にはイスの山が崩れる音、イスが床に叩きつけられる音が、あちこちで爆音のようにこだました。
 そして極めつけは、金村の呼びかけをきっかけに、1階席の観客が一斉に手持ちのイスをリングに放り投げたシーン。50基、100基、150基…。おそらく、1階席のすべてのイスがリングに放り込まれたのではないだろうか。以降は、オブジェのようにリングにうず高く積み上げられたイスの上でファイトが行われ、リングサイドの観客はそれを立ったまま見守るという、前代未聞の不思議な構図となった。
 最後はリングに積まれた“イス山”の上で、金村がスマザースを爆YAMAスペシャルで仕留めフィニッシュ。リングサイドに雪崩れ込んだ観客とともにブリブラダンスを踊り、狂乱の旗揚げ戦を締めくくった。

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宙を飛ぶイス、イス、イス! リング上は最後にはご覧のような有様に

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最後はブリブラで大団円。旗揚げでこの熱狂度は凄い!

 セミでは、幾度となく衝突を繰り返す大仁田厚と長州力が、越中詩郎を従えトリオを結成。しかし「ワイルド・シング」に乗って単独で入場する大仁田は、長州と越中そっちのけで場外ハードコアファイトを展開し、空気をまるで読まない暴走を延々と続ける。最後まで大仁田と噛み合わない長州と越中は、結局大仁田とのコミュニケーションを拒否。長州に至っては、試合途中でリングを後にしてしまう。試合は、大仁田がサンダーファイヤーパワーボムでNOSAWA論外を制したが、そこには既に、長州と越中の姿はなかった。

 「おい! おい! 俺が長州とぉ! 仲良くできるワケがねぇだろぉ~!」
 「金村ぁ! 旗揚げおめでとう!」
 と、大仁田はリング上から簡潔に二言だけメッセージを残すと、新生XWFでも、おなじみの「大仁田劇場」を開始。ゴキゲン気味に、リングサイドに群がるファンを水浸しにした。それにしても、「長州vs大仁田」の突っ張り合いは、一体どこまで続いていくのだろうか。XWFの今後ともども、見逃せない。
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やっぱり狼藉三昧の大仁田。おい! 俺が大人しくしてると思ったら、大間違いじゃ!
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何とかクリーンな試合を見せたい長州と越中だったが…
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自らが(勝手に?)創設した「DEATHMATCH」ベルトを誇示し、
「俺がデスマッチの教祖だからよ」とうそぶく大仁田

■ XWF旗揚げ戦「GIVE ME HARDCORE OR GIVE ME CHAIR」
日時:2008年8月6日(日)開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール

<メインイベント エクストリーム・ハードコア・6人タッグマッチ>
○金村キンタロー、田中将斗、黒田哲広
(12分31秒 爆YAMAスペシャル→片エビ固め)
スーパー・レザー・フェイス、レイヴェン、●トレイシー・スマザーズ

<第6試合 チャレンジマッチ 30分1本勝負>
●小幡優作(XWF)
(4分46秒 PK→片エビ固め)
○佐藤耕平(フリー)

<第5試合 ストリートファイトデスマッチ 時間無制限1本勝負>
長州力(RIKIPRO)、越中詩郎(フリー)、○大仁田厚(ダイプロデュース)
(10分39秒 サンダーファイヤーパワーボム→エビ固め)
●NOSAWA論外、MAZADA、TAKEMURA(いずれも東京愚連隊)

<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
●TAKAみちのく(K-DOJO)、ディック東郷(フリー)、折原昌夫(メビウス)
(14分38秒 パワーボム→体固め)
○火野裕士、KAZMAK、MIYAWAKII(いずれもK-DOJO)

<第3試合 グローブマッチ 30分1本勝負>
●新宿鮫(XWF)
(11分1秒 右ストレート→TKO)
○タノムサク鳥羽(DDT)

<第2試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
●斉藤謙(ZERO1-MAX)
(7分48秒 逆エビ固め)
○石井智宏(RIKIPRO)

<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
△ヒロ・トウナイ(K-DOJO)
(15分00秒 時間切れ引き分け)
△和田城功(RIKIPRO)