『ある極悪レスラーの懺悔』面白すぎです。
自分はW★INGのファンだったんですが、いかにポーゴさんのことを知らなかったことか。
ファンなんか、勝手なイメージだけで本人像を思い込んでいるだけで、初めて知ったことだらけ。とにかく驚きました。今回の自伝でそのスケールの大きさや海外での秘話に圧倒されっぱなしです。(まだW★INGの章は始ってもいないというのに、これは一本取られました。「御見それしました」の心境です)
ポーゴさんと言えば、好きな歌手の欄に「オリビア・ニュートン・ジョン」とか書いてあって、親近感を持ったものですが、今回の自伝には、いろんなロックの曲のことも時代背景として添えてあって、ますます悪役レスラーの本当の姿に魅せられてしまいました。
特に大笑いしたのが、桜田淳子が二度も登場している箇所。第6章の『⑥本土上陸と搾取、アトランタからロスへ』には、以下のような記述があって読ませます。ポーゴさんは本当に文才あります。隠された才能がついに開花したようで、W★INGに熱狂した自分のことを誇らしく思えました。
栄菊でのキッチンヘルパーとしてのバイトも慣れてきたある日、
仕事を終わらせた俺様は
いつものように夜のリトル東京をぶらついていた。
当時は缶ビールを片手に散歩する事が楽しみであり、
仕事の疲れも癒せたのだ。
ロサンゼルス市内の一角に設けられた日系人たちの憩いの街、リトル東京!!
ここでは、アメリカに居るという現実から離れ、
俺様自身、多少なりとも安心感を得られるのだ。
この街にあるレコード店からは、
桜田淳子の「青い鳥」が流れている♪♪
こんな地球の裏側の小さな街で!
俺様は心地よい夜風に吹かれながらいい気分で歩いていた。
と、その時二人の大男が笑いながら向こうから歩いて来るのが目に入った。
第7章『国際プロレスミスター・セキ凱旋帰国!!』には、
テレビのスイッチを入れると桜田淳子が『青い鳥』、『夏にご用心』を歌っている。
そしてチャンネルを回すと、
中央大学同級生であったジャンボ鶴田がジャイアント馬場と組んで、
メインイベントで活躍している映像が映し出されていた。
(奴も、出世したもんだ)
そういう感慨を抱いたかどうか、
いまではさすがにそこまでは思い出せない。
とあって、あの時代を思い出しました。
この章には、小山ルミのことも詳しく載っていて、なんか嬉しかったなぁ。これはW★INGだの、ポーゴさんだのを知らない、猪木、馬場で時計が止まってしまった昭和のプロレスファンにも読んでいただきたい名作ですね。時代証言としても、貴重過ぎます。もっと多くの人にぜひとも購入を勧めておきます。
先日テレビをつけたら、若きポール・マッカートニーが歌っている。1979年にロンドンで開かれた、カンボジア難民救済コンサートの映像です。慌てて途中から録画。当時はVHSビデオがなかったものだから、僕はラジカセにコードを繋いで、音だけ録ってました。
今回時を隔て見ても、その時の音だけはしっかり蘇ってきて、大変懐かしかった。イアン・デューリーのダミ声、ロバート・プラントがリフレインのカウントを間違える所、カッコいい「スリー・タイム・ルーザー」の曲等、20数年ぶりの邂逅。そして、単独来日が決まったザ・フー絶頂期の名演が聴けたのはよかった。ポーゴさんも同世代だったんですねぇ。
クラッシュという名前を聞くだけで青春時代を思い出すのはオジサンになったからでしょうか? 先日、帰宅するとカミサンがテレビで名作曲家 アクユウの(漢字を忘れたのもオジサンになったからか?)ドラマを観てました。夕飯を食べながらいつのまにかのめり込んでしまいました。
当時の歌謡曲はなぜか心に響きます。私、実は当時、桜田淳子の大ファンでサイン会にもこっそり行っておりました。握手もしてもらいクックックックとニヤついていたころが懐かしいです。
ポーゴさんありがとう。素晴らしき『ある極悪レスラーの懺悔』に乾杯します!
特別寄稿 GSさんより