「ゴング格闘技」名称復活、どうなる「週刊ゴング」!?

 すでに多くの格闘技ファンがご存じだと思うが、「GONKAKU」が5月23日発売の7月号から誌名を以前使用していた「ゴング格闘技」に戻した。
 ゴング格闘技(以下ゴン格)は元々日本スポーツ出版社が発行していた格闘技専門誌だったが、2007年に日本スポーツ出版社の社長が不祥事を起こし、同年2月23日号をもって一旦休刊となった。しかし、その直後に制作スタッフはイースト・プレス社に移り、同年4月に誌名を「GONKAKU」と改めて復刊した。
 ほとんどの制作スタッフがゴン格時代と変わらなかったため、変わった点といえば発行元と表紙のロゴくらい。宝島社から発売されている「プロレス『悪夢の10年』を問う」に掲載されている「専門誌実売指数推移」を見る限り、売り上げも休刊前とさほど変わっていない。
 それだけに今更誌名を「GONKAKU」から「ゴング格闘技」に戻したところで、変わるのはやっぱり表紙のロゴくらいのような気はするが、なんでもゴング格闘技という名称を保有していた日本スポーツ出版社から、現在ゴン格を発行しているイースト・プレス社が買い取ったらしい。
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 スタッフの中には、まだ休刊前何ヶ月間の給料を日本スポーツ出版社側からもらっていない者もいるというのに、逆にゴング格闘技という名前を使うためだけに金を払ったというのか?
 さらにはプロレス専門誌の「週刊ゴング」に関しても、日本スポーツ出版社はその誌名を売却したようだ。
 現在元週刊ゴングのスタッフは金澤克彦派の「Gリング」(大都社)と、清水勉派の「Gスピリッツ」(辰巳出版)に分裂しているが、はたして「週刊ゴング」という名称はどちらが買い取ったののだろうか。
 それとも“第3のG”として、新たに週刊ゴングが復刊するのか。少し前に日本スポーツ出版社の元社長が、ターザン山本を編集長にして週刊ゴングを復刊させるという動きがあったようだが、結局その話は頓挫してしまった。
 ゴン格に比べると、週刊ゴングという名前はある程度のブランド力があるし、復刊となればそれなりに話題になるだろう。ターザン山本以外にも編集長を引き受ける人間がいるかもしれない。
 しかし「週刊ゴング」という名前よりも、財産価値があるのは日本スポーツ出版社が所有しているプロレスの写真だ。週刊ゴングの前身「月刊ゴング」が創刊された1968年から、休刊する2007年3月まで、その膨大な写真とネガはものすごいお宝だ。
 少なくても2つに分かれた元ゴング編集部にしてみれば、のどから手が出るほど欲しいだろう。日本スポーツ出版社がどこに、いくらで「週刊ゴング」という名前を売ったのか、それと写真も一緒に売ったのか、実に気になるところだ。