プロレス美術館館長の『迷走ナビゲーション!?』

試合会場で、サイン会を予定している選手は、より過激なファイトをするのか?
会場で生観戦し、激戦にエキサイトしたり、あるいは凡戦続きでフラストレーションを溜めると、周囲の人々と盛り上がったり、グチったりするのは当たり前。最近では携帯メールの普及により、大変ご丁寧にも写真添付で観戦記を送ってくれる人が増えた。大半が試合終了後であるが、中には前半戦終了の休憩時間に大量の文字数を頂くこともある。
これはつい最近の実話であるが、頂いたメールを読み終わると同時にお礼のメールを送るのだが、また間髪いれず「休憩時間が長く、暇で仕方がないのです」と送り返してきた。
彼に言わせれば、大会を主催する団体が休憩時間の売店で1000円でも多くの売り上げを上げたいために、試合再開が2分・・・3分と先延ばしにされていくのがミエミエで、売店からお客が引くと同時に後半戦開始のゴングが連打されたという。
また私を含めオールドファンの方々ならば、ここまでならば日常茶飯事で、まだ免疫ができているのだが、このレベルを超えると、ファンを置き去りにした利益至上主義の運営だと言わざるを得ない。
例えば、場内が休憩時間に入った時、前半戦の最終試合を闘った選手が、控え室に戻らず、汗も拭わずグッズ売店に直行することがある。その選手が“ベストバウト”を提供した後ならば、おのずと売店の集客力は増し、売上アップにつながることになる。それがサイン会ともなれば、記念撮影まで加わり、1人当たりの接客時間は長くなる。休憩時間として見込んだ予定時間の10分~15分(?)が経過しても、そのサイン会の列は途切れる気配を見せない。この光景を眺めていて思ったことは、「客席で試合開始を待つ大半の観客は、ある意味“被害者”なのか?」と。ファンからすれば、リズムとテンポの良質なイベントを提供した上で、売上至上主義であってほしいものである。