大晦日フジテレビ放送RIZIN~日本格闘技復活の狼煙!髙田延彦「世界に宣戦布告」

髙田延彦が「俺たち此処に帰ってきたぞ~!」と絶叫!「made in Japan – 世界最高峰の舞台を作りたい」
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 12月31日、ついに地上波放送での格闘技が復活。PRIDE復活を謳うRIZINが29日に続いて『IZAの舞』をさいたまスーパーアリーナで開催。フジテレビで時間差中継ながらブチ抜きで『紅白歌合戦』に挑戦した。
 2日目の大会は、主催者が女子選手をプッシュするとの広言から抜擢されたシュートボクシングの女王RENAの総合格闘技デビュー戦から。最初の記者会見で「飛びつき腕十字にもトライしたい」と述べていたが、本当に佐藤ルミナ直伝の技術でイタリアの美女、イリアーナ・ヴァレンティーノをタップさせたのだから凄い。選手控室に戻ってきた際の第一声は、「やっぱり私、持ってるわ!」だった。心配された怪我した左拳だが、「最初の一発で頭に当たってしまい左は使えなくなった」そうで、それで勝利するとは強運の持ち主だ。
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 新生K-1から新たなスターとしてお茶の間に紹介された武尊、対戦相手のテロップには”中国最強戦士”とあり大笑いだが、きっちりKOして役目を果たした。『週刊ファイト!マット界舞台裏』本誌が先行スクープで詳細してきた通り、石井和義元K-1館長経由で噂では5000万円を出資したとされる高須クリニック。新生K-1の宣伝広告費としては安いのかも。ドクター高須先生も満足だったに違いない。
151231Rizin_MurataHashimot151231Rizin07KI-TT151231Rizin07Shu_0150【写真、左から】ギャビの元々の柔術師匠ファビオ・グージェウ。グージェウは柔術世界王者。レナート・ババル(ブラジル・ポルトガル語の発音では「ヘナート」)。99年のリングスKOKトーナメント準優勝。UFCでモーリス・スミスに勝利。後にPRIDE&UFC王者になるマウリシオ・ショーグンに一本勝ち、ロビー・ローラーにも勝利。ギャビ(中央)。キングズMMAを主宰するハファエル・コルデイロ。ヴァンダレイ、アンデウソン、ショーグン、そして現UFC王者ハファエル・ドス・アンジョスとファブリシオ・ヴェウドゥムを育てた名MMAコーチ。これら、そうそうたるコーチ陣の元でギャビは練習している。

 女子選手の強化では、日本大学レスリング部から東京オリンピックを目指す村田夏南子が、二足わらじで総合デビューすると髙田統括本部長が紹介。「目標は吉田沙保里とロンダ・ラウジー」と言ってのけた。RIZINは本気である。リングに立った姿はかなり小さかったが、2011年の全日本選手権で村田は吉田と対戦、肉薄した逸材だ。
 その女子の目玉、ブラジルの98kgギャビ・ガルシアは、総合デビュー戦なのにすでに霊長類女子最強なのだそうだ。但し、打撃にひるむ場面もあり弱点というか課題を残した。女子応援ということで、記者は200%知らない橋本マナミがセクシー衣装で登場していたが、格闘技ファンとしてはインリン様の降臨をお願いしたいところだった。
151231Rizin08TT1151231Rizin08_0268曙セコンドはWRESTLE-1河野真幸とDEEP横田一則。RIZINはシーザー会長と髙田の”格闘技”復権の舞台でもある。
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 世間的には、今回「大晦日に格闘技復活」となって、真っ先に巷の話題になったのは曙vs. ボブ・サップである。注目の試合は2R終了まで続いた分、視聴率が楽しみではあるが、サップの大振りフックが曙の後頭部を切り裂いてしまった。UFCからリーボック・スポンサーの件で追い出されたカットマンのステッチさんがなんとか処置を繰り返したが、確かに出血量が多く2Rまでの判定となった。記者はサップの反則攻撃という風には思ってない。ケツはわかりきっているし、だからサップが引退からの復帰を決めたカードだが、中断が多かったのが助けになった怪我の功名もあるにせよ、曙が2Rまでに倒されなかったのは努力したんだと評価したい。
 総合デビュー戦のアンディー・サワーは長島☆自演乙☆雄一郎を1RTKOに葬った。インタビュースペースに現れたサワーは、自身がMMA転向を画策してシュートボクシングのシーザー武志会長に相談したそうだ。会長がRIZINに話を持っていき、それで今回、曙vs. サップ戦のレフェリーでも、まるで選手入場のようにやたらシーザー武が最優遇の扱いを受けていた。
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 MVPだなんだは本来なら榊原信行と髙田延彦だと思うが、選手から選ぶならピーター・アーツということになる。クリスマスに六本木で泥酔していたら、急に「試合が出来るか?」となったそうで、「友達の把瑠都とやるのはどうか」と思ったが、大会を救ったことは間違いない。最後のラウンドまで立っていたのは驚異的だ。ピーターにとっては、KOされたり、一本はとられないという意地で最後まで闘っていた。まるで映画『ロッキー1』のようで、3分3Rを最後まで闘い抜いたことで真の勝者だったと評したい。試合中会場は「アーツ、アーツ」の合唱が起こっていた。
 本人は「2年前に引退した」と明言。休暇で呼んだハズの妻からあきれられたと試合後に話していた。ちなみに、把瑠都と対戦予定だったジェロム・レ・バンナはIGF両国国技館大会に立会人として来日。要するに石井慧以下、根こそぎRIZINに持っていかれたIGFが報復した格好だが、そもそもIGFに未来があるのだろうか?
151231Rizin11-SachikoHotaka1151231Rizin11-SachikoHotaka2第11試合のみ (C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka 
 PRIDEはプロレス最強の髙田延彦と、グレイシー柔術の400戦無敗ヒクソンが対戦した1997年から歴史が始まっている。お茶の間向きカードとして、RIZINはレスリング山本ファミリーの19歳、東京オリンピック出場を目指す山本アーセンと、ヒクソンの次男クロン・グレイシーを組んだ。結果自体は専門家なら予想していたと思うが、山本が何度もクロンをひっくり返したりと身体能力の高さを披露。お客さんを大興奮させ、デビューの新人に「アーセン、アーセン」と会場が自然コールをしていた事実は特筆せねばなるまい。
 試合後インタビュー詳細や大会レポート詳細は、金曜1月8日発売『週刊ファイト1月14日号』に大特集予定だが、クロンの試合後インタビューに同席したヒクソンが、終わってから安西”グレイシー”伸一と稲垣収記者に握手を求めていた。
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 日本の格闘技復活の狼煙を、しっかり印象付けた大会だった。髙田延彦は、「世界に宣戦布告する」と、UFCに挑む姿勢を叫んでいる。四角いリングだが、高さを低くして寝技を見やすくしたのみならず、ロープがLEDで光る斬新な仕掛けともども、金網でやるMMAとの違いは提示出来たのではなかろうか。アマ競技じゃあるまいし、体重がどうたらとかは全部カードごとに決めるとか、MIXルール戦を挟むというのは、記者は賛成だ。今のUFCはガチガチ過ぎて面白みに欠けるからだ。
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 あとで知ったことだがTBSは、山本“KID”徳郁にスーツを着させて、刺青NGだったようだ。また、米国でのRIZINは朝の10時から3時間近くSpikeTVで放送された。基本はキング・モーが優勝したトーナメントが軸で、サブタイルが”Breakfast with Fedor”とあるように、ヒョードル復活が売りのメイン。初日からは桜庭和志と、ベラトールと契約する所英男のカードを流したが、曙vs. ボブ・サップは放送されなかった。

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電子書籍拡大版は金曜8日発売『週刊ファイト1月14日号』に収録されました。
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