PRIDE復活とは? 桜庭和志78kg契約何も出来ずタオル舞う!青木真也と世代交代儀式 『SARABAさらばの宴』

 フジテレビが全国ネットで10年ぶりに格闘技をゴールデンタイムに復帰させる新プロモーション、RIZINの旗揚げ戦が12月29日、さいたまスーパーアリーナで開催された。

 31日大晦日が『IZA(いざ)の舞』ということで、初日メインを務めたカードは桜庭和志vs.青木真也戦。RIZINの旗揚げ公式発表の際に、第一弾として発表されたものだ。PRIDE復活を謳う実行委員会なので、突然の復活に禊というか新旧スター対決が必要だったのかも知れない。新日本プロレスの年内最終戦、12・19後楽園ホール大会に桜庭和志は参戦している。ジャンプスーツで闘うため上半身はさらしてなかったが、78kg契約試合に本気なことはわかった。伝説のホイス・グレイシー戦時点のサクの体重は88kgだ。煽りビデオの段階で『あしたのジョー』クライマックスを思い出した方は多いだろう。
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 あと、地上波復帰を直前に、そもそもPRIDEが立ち上がった黎明期を紹介する連続放送番組がBSスカパー!という、BS/CS放送が受信出来る環境なら無料で見られるチャンネルで『ヘリテージ』と題された回顧録が前夜からオールナイト放送された。髙田延彦と榊原信行(当時・東海テレビ)との出会いから始まり、例えば『PRIDE.3』カイル・ストゥージョン戦では、統括本部長本人が「いろんなルールの交じった大会だった」と口にする。そうなのだ、本年に新しく制作し直した番組であり、当時の番組を垂れ流しただけのものではなかったのだ。
 「カードを組ませたのが悪いのであって、髙田選手は悪くない」と、いわゆる格闘技マニアの論調に反論していた記者自身を思い出した。『ヘリテージ』には水道橋博士らもPRIDE愛を語っている。そこで先行紹介されていたのが、桜庭和志の柔道を始めたという高校生になった息子の登場だ。これは『ロッキー』シリーズの最期、ジュニアに託していく展開含みなのだろうか。その親子対話は小池栄子が実況席にいるフジテレビ中継でも放送されていた。
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 会場に、映画『スピード2』からのテーマ曲が鳴り響く。もう覆面をかぶりプロレスラーであることをお茶の間にアピールする必要はない。日本の総合格闘技が世界の頂点を極めた時、それは桜庭和志がNWA世界王座でも、AWA世界王座でもなく、紙で作られた手製のプロレスチャンピオンベルトを世間が、世界が本物である、People’s Championだと認めた期間と重なる。プロレスラー最強伝説は実証された。煽りVでも、金原弘光が「Uインター道場が間違いなく最強だった」時期を語っていた。総合格闘技はプロレスの異母兄弟に過ぎない。殴って闘ってそれを職業に出来ると、サーカス巡業の一部から派生したプロレスが現在のような興行イベントとして完成形をみたのは約100年前とされる。最強は当然追及されてきたものだ。
 時は流れ、花道に登場した愛称サクは46歳で総合格闘技のリングに立っていた。佐藤映像制作の事前煽りVの作り込み方からしても、結末は関係者の多くが見えているカードである。なんにも出来ないまま抑え込まれてタコ殴りにされるも、お茶の間には知られてないレフェリーはメインイベントの選手だからすぐには止めない。そこまで予想通り、練り込まれた映画の脚本まんまのケツに向かうモンタージュのような試合。詰将棋の残酷プロセスが長すぎて、記者仕事せねばならない反面、余りにも切なくて涙をこらえるのが精一杯の5分56秒だった。
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 桜庭和志の対戦相手はヒョードルのリスト選考よりシンドイ大役であり、青木真也しかいなかったということだ。ただ、格闘技の場合は試合そのものからはなにも魅せられなかった選手の側にせよ、前後に壮絶なドラマがあったりする。サクの場合は77.6kgである。酒を断って節制、キャッチ・ウェイト契約を成立させ、自身との闘いは勝利した。
 試合後、青木は号泣して好感度を上げた。但し、会場に行かないとわからないことがある反面、テロップが出るフジテレビ版をあとで見直さないと、青木の最後のマイクパフォーマンスはわからなかった。ゴミと対戦したい、と!?
 現場で「あれなんと言ったのか?」、同僚が「五味」と言うのだが、UFCと契約しているからピンとこなかった。日本語で♪バカ・サバイバーと歌われる入場曲の青木である。恐らくは旧プライド幹部が「お前の役割は桜庭和志と、次に五味隆典を介錯すること」を吹き込まれ過ぎて、馬鹿正直に言ったのかも。
151229Rizin-SachikoHotaka1151229Rizin-SachikoHotaka2(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka
 ファンの側が想像する以上に、主催者側にPRIDE栄光史=桜庭和志という思い入れが強かったRIZINの初陣大会だった。プロレスと総合格闘技のミッシングリンク=Uインターがなければ、PRIDEは誕生しえなかった。果たしてUインターは井の中の蛙大海を知らずのドン・キホーテだったのか否か。TAKADAは騙しのビジネスという罪を背負って処刑され、世間からプロレスが負けたとゴルゴタの丘にさらし者にされるが、弟子の桜庭和志が主の名誉を守る。

 オープニングには有言実行の人・高田延彦がふんどし姿を披露。全選手入場の儀式では、青木真也が口を開けた北岡悟トランスモード百面相をやっていた。
 2015年12月29日、日出づる国より格闘技プロモーションRIZINは船出した。

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パンチラ激写から新宿二丁目絶賛まで実績の週刊ファイト写真部:髙田延彦ふんどし太鼓連射グラフ集収録!電子書籍拡大版は金曜8日発売『週刊ファイト1月14日号』に収録されました。
週刊ファイト1月14日号中邑事変Rizin7.3%さいたま1.4東京ドーム新日代価巌流島復活

151229RizinSU_0589青木真也「レフェリー止めろよ! 人潰して盛り上げようとしているなら、気持ちのイイ仕事じゃないですね。正直、うれしくないですよ」

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