沢田智-深淵ローラン・ボック本制作秘話驚愕-週刊ファイト記者でも仰天

 ローラン・ボック評伝の日本語版出版を、クラウドファンディングにより脅威の粘りで成功させた沢田智さんの講演は、誰よりも詳しいハズだと自負する週刊ファイト記者が仰天する、驚きの連続となる貴重な内容であった。

 そもそもドイツ語原書は、自身に都合のいいように脚色されている箇所もあることは、どのジャンルであれ普通のこと。ただ、日本語翻訳者としての沢田さんは、執念で様々な資料をあたり、丁寧に裏をとっていたのだ。その沢田版検証成果の資料量たるや、今回の講演用だけで639ページもあったのだからたまげた。
クラウドファンディング本も本文が460ページのブ厚い超大作だったが、正直、目をひん剥いた、唖然としたのが正直な感想である。

 翻訳とは、単にドイツ語に堪能というだけではこういう特定のジャンルに絞った題材の場合、無理がある。講演が始まって最初の段階で、ドイツなどヨーロッパの地図に日本を重ねた絵がパソコンから繋いだTVの画面に出てきて、「意外と日本は結構大きいなぁ」とか、ビジュアルとして納得させたのだから、講演のプレゼンとしても模範である。理想のセミナーになった満足感があった。

 業界人までがビックリする濃さ、深さだったので内容からも「週刊ファイトのトークライブは価値あり」との体裁が維持されて恰好がついた。その面からは大成功イベントなのは間違いない。

 例えば原書を読むと、生存中なので不味いとなったのか偽名にされていたポール・バーガーは、読み進めればスグに誰のことかわかる。そこで沢田さんは著者のアンドレアス・マトレ氏に連絡を取り、「日本語版なら実名でいいだろう」と了解を取った件などは、ほんの序の口に過ぎない。

 内容を詳細したら参加者に不公平になるから1つに絞るなら、例えば皆さんの関心の高い「シュツットガルトの惨劇」前後にせよ、なぜにかくも記録が違うのか。ある媒体は初戦10Rとご丁寧に試合経過まで活字にされているのだが・・・、実際は間違いなく5Rだったとか(笑)。

 だいたい、米国もそうだが海外のプロレスは試合結果記録をきっちり残す習慣がない。反則決着だった場合、ではやられた方が勝者なのか? 記憶なんかいい加減なもので、特に不透明決着の場合は勝者と敗者が媒体によって違うことなどよくあることなのだ。
 沢田さんは綿密かつ丁寧に調べ上げているのだから、「恐れ入りました」となるのである。


 今回のコーディネイター美しき活動家さん(中山美穂を育てた山中則男・交流会「あぶさん会」広報役員)より、『中山美穂「C」からの物語』本の紹介もあり即売に。紀伊國屋書店本店で平積みにされている作品であり、美しき活動家は販売推進会長を務めている。