[週刊ファイト8月27日期間] [ファイトクラブ]公開中
▼大谷マネーがアメリカで超高額バスを走らせる!? 日米入場料問題
Mike Lano通信員提供 by 安威川敏樹
・僅か約3.2㎞のバス代が1万3千円超え!? 凄い『大谷効果』
・JTBシャトルバスのメリット及びデメリットとコスト・パフォーマンス
・30年間でアメリカが日本に大逆転! MLBとNPBの経済格差
・プロレスでの日米格差は? 日本のプロレス団体とNPBでも比較
メジャー・リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平は、左膝の故障により現在では二刀流を封印している。しかし、怪我していても打者としてきっちりホームランを放つのだから、真のスーパースターであることに異論はあるまい。
そして、熊本地震やベネズエラ地震、カナダ山火事への被災者支援として、総額100万ドル(約1億6千万円)以上の寄付をしていたという。しかも大谷は、このことを公表していない。まるでジョー・ディートンのような『いいヤツ』だ(比較対象が間違っている)。
そんな大谷に関し、面白い情報が入ってきたので、それを紹介しよう。

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僅か約3.2㎞のバス代が1万3千円超え!? 凄い『大谷効果』
本誌通信員のMike Lano氏が、大谷翔平について書かれたLAタイムズの記事を送ってきてくれた。正確に言うと、大谷本人の記事ではなく、それに付随するツアー企画の特集である。
記事によると、日本の大手旅行社であるJTBが、ロサンゼルスでシャトルバスの運行を始めたという。狙い目はズバリ、大谷らドジャースの日本人選手である。去年、JTBはドジャースとスポンサー契約を結び、ロサンゼルスへ行くツアー・パッケージを商品として売り出したのだ。
もちろん、ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ハリウッドが目的の人もいるが、今や日本人にとってのロサンゼルスと言えばドジャー・スタジアムらしい。しかも、3連戦全てを観戦したいという客が多いのだ。
ツアー・パッケージには、ホテル代や試合でのチケット代なども含まれている。だが、日本人全員がツアー・パッケージ全体を購入するわけではない。そこでJTBは、ホテルとドジャー・スタジアムを結ぶシャトルバスの運行を始めたのである。
その距離は僅か約2マイル(約3.2㎞)にして、値段は何と85ドル。1ドル=160円で換算すると13,600円である。ちなみに言うと、筆者の最寄りのバス停から最寄り駅までの路線バス代は約5㎞で片道270円だ。
さすがインフレ大好きトランプ大統領が支配するアメリカ、これがロサンゼルスでの運賃の相場なのかとも思えるが、さすがにそんなことはない。
大陸横断鉄道や地下鉄のユニオン・ステーションからドジャー・スタジアム・エクスプレスというバスに乗れば、試合のチケットが必要とは言え無料である。あるいはウーバーに乗れば、だいたい18ドル(約2,880円)だという。
それらに比べれば、JTBのシャトルバス代がベラボーに高いのが判るだろう。果たして、1万4千円近くもの価値はあるのだろうか?
▼8月9日付のLAタイムズの記事(提供:Mike Lano氏)

JTBシャトルバスのメリット及びデメリットとコスト・パフォーマンス
もちろん、この価格設定にはカラクリがあって、単なるバス代だけではない。ドジャー・スタジアムにはアーリー・エントリー即ち先行入場という追加オプションがあり、試合前のドジャースの打撃練習を観ることができるのだ。ちなみに日本プロ野球(NPB)の場合、開門時には既にホーム・チームの打撃練習は終えており、ファンが試合前に観ることができる打撃練習はビジター・チームだけだが、年会費数千円のファン・クラブに入会すると先行入場サービスがある。
ドジャー・スタジアムでは、先行入場の費用は40~70ドル(約6,400~11,200円)。試合でもない、たった1時間の打撃練習を見学するために、これだけの高額料金がかかってしまうのだ。
実は、JTBのツアー及びシャトルバスには、この先行入場料金40ドルが含まれているのである。さらに、駐車料金45ドルを加えればちょうど85ドルになって、シャトルバス代がチャラになるのだ。実際、この先行入場を楽しみにしている人も多いという。
とは言え、家族4人で自家用車利用により先行入場した場合では、その方がJTBのシャトルバスよりも安くなる。要するに、このシャトルバスは地元民をターゲットとはしていないのだ。
そのため、乗客の約9割が日本人だという。当然、日本人旅行客が自家用車で行くわけがなく、レンタカー利用の人もいるだろうが割合としては少ない。普通なら公共交通機関やウーバーの配車を利用することになるが、現地の交通事情が判らない人にとっては不安にもなるだろう。
だが、JTBのシャトルバスなら地元に不案内でも安心して利用できる。中には試合のチケットやホテルは自分で手配するという日本人客もいるが、その場合でもバイリンガル・ガイドを同行させるVIP仕様の送迎サービスを販売しているのだ。
しかし、欠点もある。9回終了の30分後には、JTBのシャトルバスは出発してしまう。つまり、延長戦になった場合は最後まで試合を観ることはほぼ不可能。また、9回で決着がついた場合でも、試合終了後に行われることがある花火やドローン・ショーなどのイベントは体験できない。
いずれは日本人だけではなく、地元民や英語圏の客も取り込みたいと考えているJTBだが、このあたりが課題と言えるだろう。
もっとも、帰り際のメリットも少なくない。日本の球場と違ってドジャー・スタジアムには広大な駐車場があるため、自家用車での来場客が多いので、試合終了後は大渋滞に巻き込まれてしまう。ドジャー・スタジアム・エクスプレスは乗車できるまで待たなければならないし、ウーバーを配車しても来るまでに相当な時間がかかる。
それに引き換え、JTBのシャトルバスならホテルまで約15分で着くというのだ。筆者は日本で何度も経験があるが、何万人も集まるスタジアムからの帰宅は本当に地獄で、それが15分で帰れるというのなら天国以外の何物でもない。
メリット、デメリット双方があるJTBのシャトルバスだが、ドジャー・スタジアムへ行きたいと思っている人は利用するのも一考だろう。少々値段が高くても、費用対効果として安心やスピードを得られるのなら、充分にお釣りが来るとも考えられる。

30年間でアメリカが日本に大逆転! MLBとNPBの経済格差
LAタイムズの記事に書かれていた内容はここまでだが、それにしても、と思う。MLBのチケット代は高過ぎないか?と。MLBのチケット代は定価ではないので、日時やカードによって変動するのだが、ドジャー・スタジアムで言うと安い席でだいたい1万円から。高い席なら20万円は下らないだろう。日本人向けのMLBチケット代理店のサイトを見ると、71万円なんていう席もあった。
たとえばNPBの阪神タイガースの場合、本拠地の阪神甲子園球場のバックネット裏は全て年間指定席なので、京セラドーム大阪での阪神主催試合で比較してみる。大人で最も安い外野上段席は当日券1,700円、最も高いバックネット裏下段席は当日券14,000円だ。ドジャー・スタジアムに比べると、同じプロ野球とは思えないほど格安である。
しかし30年ぐらい前は、MLBのチケット代の方がNPBよりも遥かに安かった。1990年頃のデータでは、MLBの平均チケット代は当時のレートで約1,000円、最も高い席でも約1,500円だ。
一方のNPBでは平均約2,000円、最も高い席で約4,700円となっている。当時の日本はバブル景気真っ只中で、また物価も現在とは全然違うが、NPBのチケット代はMLBを圧倒していたのだ。