[週刊ファイト08月06日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼2026年に現存する最古級のプロレス題材トーキー作品が再び脚光を浴びる
Mike Lano提供 編集部編
・Mike Lano現地報告:1プロレスをテーマにした最初期のトーキー映画
・貴重な『Sit Tight』がTCMで放送 約95年の時を経て再び視聴者の前に
・初期トーキー映画として現在も高い歴史的価値を持つ一本
・プロレス史の貴重な映像資産として静かな注目を集める
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Mike Lano現地報告:1プロレスをテーマにした最初期のトーキー映画

これは私が知る限り、音声付きで初めての作品です。何年も前に見たことがあります。サイレント映画出身の人気コメディアン、ジョー・E・ブラウンが演じています。彼はワーナー・ブラザーズの有名なカートゥーンでも、バッグス・バニーやポーキー・ピッグ、ダフィー・ダックなどが登場する前から、優しくからかわれることがよくありました。
この映画『Sit Tight』で、ジョーが演じるキャラクター・ジョジョ・マリンズは、「世界チャンピオン」のプロレスラーの親友という役どころです。そのチャンピオンは、ザ・ザ(Thesz)と彼の友人でレスリングの伝説的存在だったデイブ・レヴィンを混ぜ合わせたような見た目でした。
ジョー(ジョジョ)は、はるかに強敵の「マスクド・オラフ」(レスラーのフランク・ハグニーが演じた)を倒します。ジョジョは「勝つ見込みがない」とされていましたが、親友が世界チャンピオンを防衛する試合の前に、リングに放り込まれてしまったのです。実は彼はジムの手伝いをしていただけで、「通信教育のプロレスラー」であり、まだきちんと訓練を受けて「卒業」していませんでした。
また、カラ・パシャが「リングマスター」の挑戦者を演じ、チャンピオンの「トム・ウェストン」(レスラー兼俳優のポール・グレゴリーが演じた)に敗れます。
プロレスラーが出演した最初期の映画として知られるのは、映画の黎明期である1890年代の実験的な短編記録映像や実写フィルムです。特に有名なのが、エジソン研究所でウィリアム・K・L・ディクソンが撮影した『Wrestling』(1892年)と、ヨーロッパに現存する初期の短編であるマックス・スクラダノフスキーの『Ringkampf』(1895年)です。
初期のレスリング映画のマイルストーン
Wrestling(1892年):映画の先駆者ウィリアム・K・L・ディクソンがトーマス・エジソンの実験的なキネトスコープ用に撮影。スタジオで2人のプロのアスリートが組み合う様子を収めた作品。[1]
Ringkampf(1895年):ドイツの映画の先駆者マックス・スクラダノフスキーが撮影した、グレコローマン式レスリングの技術を実演した39秒のワンテイク短編映像。[1]
Sideshow Wrestlers(1908年):ジョルジュ・メリエス監督によるフランスのサイレント・コメディ短編。見世物小屋でプロレスラーとスパーリングする様子を描いている。
貴重な『Sit Tight』がTCMで放送 約95年の時を経て再び視聴者の前に

1931年に公開されたプロレスを題材とする初期トーキー映画『Sit Tight』が、2026年7月28日にアメリカのクラシック映画専門チャンネルTCM(Turner Classic Movies)で放送され、映画史とプロレス史の双方において貴重な作品が約95年の時を経て再び視聴者の前に姿を現した。TCMではJoe E. Brown主演作品を特集する編成が組まれ、『Going Wild』(1930年)、『Sit Tight』(1931年)、『You Said a Mouthful』(1932年)、『Elmer the Great』(1933年)といった初期トーキー作品が連続して放送される構成となり、その中でも『Sit Tight』はプロレスを物語の中心に据えた作品として特別な意味を持つ一本となった。
近年では配信サービスやDVDなどで古典映画へ触れる機会は増えているものの、1930年代初頭のプレコード作品がテレビ放送される機会は決して多くなく、ましてやプロレスをテーマとした初期トーキー作品となれば視聴できる機会は極めて限られている。そのため今回のTCMによる放送は、クラシック映画ファンだけでなく、プロレス史を研究するファンや映像史に興味を持つ視聴者にとっても貴重な出来事となった。
プロレスという競技は映画草創期から短編映像やニュースフィルムなどで撮影されてきた歴史を持つが、それらは無声映画の時代に制作された作品であり、本格的なトーキー映画としてプロレスをストーリーの中心へ据えた作品となると1931年公開の『Sit Tight』は極めて早い時期の代表例として知られている。有声映画が本格的に普及したのは1927年以降であり、そのわずか数年後にレスリングを題材とした長編コメディ映画が制作されていた事実は、現在のスポーツ映画史を振り返る上でも非常に興味深い。