[週刊ファイト02月19日]期間 [ファイトクラブ]公開中
▼三冠前哨戦が暴いた「#DOOMの日」攻防、全日新木場の主役争い
(C)全日本プロレス公式 編集部編
・全日本プロレス新木場大会!激闘の記録
・宮原健斗と斉藤ジュンが最初からぶつかり合った理由
・試合後マイクは「#DOOMの日」宣言へ、宮原健斗の拒否反応
・土井成樹が差し込んだもう1つの前哨戦、井上凌と交差した瞬間
・綾部蓮がデスルーレットで鈴木秀樹を沈めた新木場セミの意味
・綾部蓮の「絶望」宣告とタロースの「化けの皮」宣言が示す温度差
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全日本プロレス新木場大会!激闘の記録

■ エキサイトシリーズ2026
日時:2月7日(土)
会場:東京・新木場1stRING
<第6試合 三冠ヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
宮原健斗 本田竜輝 ●井上凌
13分13秒 サイコブレイク→片エビ固め
○斉藤ジュン “ミスター斉藤”土井成樹 セニョール斉藤
<第5試合 世界タッグ選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
○綾部蓮 タロース 安齊勇馬
13分02秒 デスルーレット→片エビ固め
●鈴木秀樹 関本大介 真霜拳號
<第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○羆嵐
11分35秒 ダイビング・セントーン→体固め
●他花師
<第3試合 Road to ゼンニチJr.タッグフェスティバル タッグマッチ 20分1本勝負>
△青柳亮生 ライジングHAYATO
20分00秒 時間切れ引き分け
△吉岡世起 進祐哉
<第2試合 Road to ゼンニチJr.タッグフェスティバル タッグマッチ 20分1本勝負>
●小藤将太 MUSASHI
10分44秒 逆エビ固め
田村男児 ○佐藤光留
<第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
立花誠吾 ●宮本裕向
6分20秒 豪腕ラリアット→体固め
○潮﨑豪 芦野祥太郎
▼G馬場に関する永遠の命題「馬場さんは本当に強かったのか?」
宮原健斗と斉藤ジュンが最初からぶつかり合った理由

2月7日(土)、東京・新木場1stRINGで組まれた<第6試合 三冠ヘビー級選手権試合前哨戦 6人タッグマッチ 30分1本勝負>は、宮原健斗に挑戦表明した斉藤ジュンと、挑戦を拒む王者側の意地が、試合開始の瞬間から剥き出しになる構図であった。リングに立ったのは宮原健斗、本田竜輝、井上凌の宮原組と、斉藤ジュン、“ミスター斉藤”土井成樹、セニョール斉藤の斉藤組であり、この6人が並んだ時点で、前哨戦という言葉が単なる前振りではなく、2月23日 東京・大田区総合体育館へ向けた空気そのものを左右する装置になることは明らかであった。
実際、序盤に宮原とジュンが先発で対峙した瞬間、いきなり激しいぶつかり合いが発生し、そこに「拒否」の温度と「奪取」の温度が混ざり合った。宮原が井上に代われば、ジュンもセニョールへとつなぎ、6人タッグとしての速度と連係が前面に出る流れへ切り替わるが、井上凌が得意の蹴りでセニョール斉藤を攻め、カットに入った土井成樹まで蹴散らした場面は、宮原組が単に王者の周辺ではなく、役割を背負っていることを示す局面であった。一方で土井&セニョールが素早い連係で形勢をひっくり返し、流れを変えると、前哨戦は「宮原vsジュン」だけで完結しない、斉藤軍団としての総合力の誇示へと傾いていったのである。
試合が熱を帯びたのは、単純な攻防の優劣ではなく、感情の導火線が何度も点火されたからだ。宮原健斗がロープに飛んだ斉藤ジュンの足を引っ張って場外に引きずり込み、そこから両チームが派手な場外戦を展開したことで、会場の視線は「勝敗のための技術」だけではなく、「どちらが主導権を握るか」という空気の奪い合いに集中していく。さらに宮原はファンが持っていたジュンのタオルを奪い取り、わざわざリング上で踏みつけるという挑発行為に出たが、この一瞬は、宮原が2月23日の大田区で「斉藤ブラザーズを応援する空気が充満してしまう」ことを警戒しているという文脈を、試合の所作として観客に刻み込む行為でもあった。
リング内外でつかまり続けたジュンが、宮原のシャットダウン・スープレックス狙いを振りほどいてようやく土井成樹へつないだ場面は、斉藤組が「耐えてから一気に流れを渡す」設計を持っていることを示していたし、宮原組が土井に襲いかかり、井上が攻勢をかける展開になっても、土井が蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリューを決め、そこから大暴走を経由してジュンへつなぐ連続性が、試合の温度をさらに引き上げた。前哨戦とは本来、当日のカードの見せ場づくりになりがちだが、この試合は「誰が次の主役か」という主導権争いが、そのまま技の繋がりに反映されたという意味で、前哨戦の枠を超えた密度を持っていたのである。
終盤、斉藤組が井上凌へ連続攻撃を畳みかけ、ジュンが本田竜輝にスピアを見舞い、井上へのチョークスラム狙いが切り返されても、打撃の畳みかけを受けながらカウンターのフロントキックで井上の動きを止め、バックドロップで流れを戻したところに、ジュンの「試合を締める意思」が濃く表れた。さらに宮原健斗にもラリアットを放ち、Dying Lightで排除してからのラストは、サイコブレイク→片エビ固めで井上凌から3カウントを奪い、13分13秒で決着したのである。前哨戦において王者本人から直接取ることがすべてではないが、宮原を排除したうえで井上を沈めた流れは、斉藤ジュンが「三冠へ向けて勢いをつけた」というだけでなく、「王者の世界をいったん分断してから勝ち切る」絵を完成させた点で、非常に意味が重い。
井上凌にとっては、勝敗だけでなく、自身が標的になった事実そのものが、今後の戦い方に影響する敗戦であったはずだし、宮原健斗にとっては、挑戦者を止めたい意志と、会場の空気の中で孤立しうる危機感が、結果として斉藤ジュンの勝利を際立たせる形になったとも言える。前哨戦の勝利は1勝にすぎないが、2月23日を前にした「見え方」を奪ったという意味で、斉藤ジュンの取り分は大きい一戦だったのである。
試合後マイクは「#DOOMの日」宣言へ、宮原健斗の拒否反応

試合後、リング上の主役は勝った斉藤ジュンであったが、会場の空気を最も揺らしたのは「#DOOMの日」を巡る応酬であった。まずジュンは勝利の勢いのまま、次の言葉を放っている。
ジュン「斉藤ブラザーズが勝ったぜ! この勢いのまま2月23日、大田区を斉藤ブラザーズの、そうだな“DOOMの日”にしてやる。オマエらみんな、ハッシュタグに“#DOOMの日”って書いて、SNSに上げろ。それが俺たち斉藤ブラザーズのチカラになる」
これに対し宮原健斗は、聞き返しから入り、言葉の定義をリング上で徹底的に詰めていく。
宮原「いまオマエ、なんて言った? もう一度、ちょっと頼む」
ジュン「2月23日を、“DOOMの日”って言ったんだ」
宮原「DOOMの日? 2月23日、東京・大田区総合体育館、なにがDOOMの日なんだ、それは?」
ジュン「2月23日大田区は、弟の斉藤レイが完全復活。そして俺はオマエから三冠ベルトを奪ってチャンピオンになる、DOOMの日だろうが」
宮原「なにそれ、いま流行りのSNSのハッシュタグってやつ、言ってんの? まさかオマエ、2月23日、東京・大田区総合体育館の公式ハッシュタグの話をしてんのか、オマエ」
ジュン「そうだよ! しつこいな」
宮原「そんな個人の締めの『DOOM』なんて、公式で使うな。DOOMの日は絶対にやらない!(ファンから「え~」の声)」
ジュン「DOOMの日だ!(ファンから歓声)」
宮原「DOOMの日は絶対にさせない!」
ジュン「DOOMの日だ!」
宮原「絶対にさせない!」
ジュン「#DOOMの日だ!」
宮原「#DOOMの日は絶対にさせない!」
ジュン「オマエはしつこい! 分かった、だったらまた、会社に決めてもらう(会場から拍手)。まあ、どうなるか結果は分かっているがな。宮原健斗、DOOM!」
宮原「(引き揚げつつマイクを通さずに)絶対にさせないからな!」