西のインディー格闘技の雄と言われている、武士正こと近藤哲夫が率いる格闘技団体ACF初の新宿FACE大会が行われ、平日開催という状況下ではあったが、大健闘の客入りを見せた。
『ACF114・5』と銘打った本大会は、通常のナンバーシリーズに比べ試合数は少なめではあったものの、賛否両論で世間をお騒がせした超人イリエマン対内田ノボルの猪木・アリ戦の再現ルールあり、タイヤファイト2年ぶりのの全国統一戦あり、注目のグラップリング対決ありの、まさに格闘技のおもちゃ箱の面目躍如の内容となっている。
タイヤファイトJAPAN2025トーナメントは、『タイヤファイトの申し子』右乳の2連覇で幕を閉じたものの、決勝戦は同選手初の全国戦でのタイヤアウトを取られるなど波乱。大変、見ごたえのある試合内容となっている。
グラップリング戦は、キングダム期待の新入団選手森田祥平(しょうへい/キングダム立川コロッセオ)が登場。試合巧者、徳☆正の下からの変幻自在の守りに翻弄されたものの、無難な判定勝ちを納めた。試合後、森田は本誌インタビューに対し、勝ったら5本のベルトを獲得しているACFグラップリング部門の絶対王者、渡部修斗選手に対し「一本だけちょうだい!」と、対戦をアピールするつもりだったらしいが、判定決着ではマイクを持つ気になれなかったと話している。
森田は、史上初の修斗2冠王者でキングダム立川コロッセオの一般会員でもある新井丈(和術慧舟會HEARTS)の胸も借りており、総合格闘技キャリアにおいては、キングダム入門から1年4ヶ月と日も浅いが、ことグラップリング戦では、柔道出身の地盤を生かし無差別級で全試合1本勝ちで優勝。無敗を貫いていることから、もしRIZIN東京ドーム大会のメインで、朝倉海と対戦経験のある渡部戦が実現すれば、ビックチャンスが訪れると言える。
キングダム対ACFのもう一つの対抗戦。アマチャア時代には、キングダム出身のビックネーム今成正和とも対戦(フロントチョーク1本負け)の名物選手、安藤深夜(しんや)が登場。これまたACFの名物選手、ぺロ正と対戦した。試合はラクビー仕込みのタックルからコーナーに安藤が詰められ、持ち上げスラムから縦四方固めに移行。最後は巨大な腹で押し潰すかのようなノースサウスチョークで圧殺している。
これで今回の対抗戦は1対1となり、10月13日に開催予定のキングダム本拠地である立川コロッセオでの『ACF117』では、キングダム対ACFの3対3、または5対5の対抗戦が内定。対戦カード発表が待たれる。
試合後、ぺロ正はイリエマン、近藤に煽られてイリエマンとDEEPでの対戦経験のある、これもキングダムの名物選手、木村プロに対戦要求。試合後、イリエマンの出場要請に木村プロは、「グラップリングは医者から止められている。総合なら秒殺するから対戦を受ける!」などと訳の分からない言い分を主張しており、今後どんなアングル?に進むのか注目される。
6月26日の世界格闘技の日に、日本の中心街新宿歌舞伎町で繰り広げられた熱戦の数々。格闘技あり、プロレスありの盛り沢山のイベントとなった。主催者近藤は毎年の開催を検討しており、来年の猪木vs.アリルールでの超人イリエマンの対戦相手も一般公募を開始した。偉大なる格闘技界のスーパースターが残した遺産を今後も広めて欲しい。
なお、太田プロ芸人神宮寺しし丸のチャンネル「今週の格闘技“裏”ニュース」では試合の模様や、試合後のインタビューを無料公開中!一度、格闘技のおもちゃ箱の蓋を空けてみるのもいいかもしれない。
【試合結果】 <第1試合1分2R タイヤファイトJAPANトーナメント2025準決勝> 〇武士正 1R 0分25秒 2‐1 ●中川達彦 <第2試合1分2R タイヤファイトJAPANトーナメント2025準決勝> 〇右乳♡ 1R 0分9秒 2‐0 ●クィック・チョップ・リー <第3試合3分1R グラップリングヘビー級> 〇ペロ正 1R 0分27秒 ノースサウスチョーク ●安藤深夜 <第4試合5分1R グラップリングフライ級> 〇森田祥平 判定 ●徳☆正 <第5試合1分3R タイヤファイトJAPANトーナメント2025決勝> 〇右乳♡ 1R 0分39秒 3‐1 ●武士正 ※これにより、右乳がJAPANトーナメントを連覇 <第6試合3分3R 猪木対アリ特別ルール> △超人イリエマン 時間切れ判定引き分け △内田ノボル 【第二部】 <第7試合20分1本勝負> キャプテン・アメムラ 〇佐々木幹矢 11分3秒 逆さ抑え込み 太陽塔仮面 ●めでタイガーマスク <第8試合30分1本勝負> 〇優宇 SAKI 11分23秒 ダイビングスプラッシュ ●小橋マリカ 花園桃花 <第9試合30分1本勝負> 〇シャドウWX 佐野直 10分14秒 垂直落下式ブレーンバスター ●大和ヒロシ 定アキラ <第10試合30分1本勝負> 〇晴斗希 ラ・ピート 岩崎孝樹 16分20秒 ムーンサルトプレス 菊池悠斗 ●バイオレンス・ドラゴン ガイア・ホックス