マーク・ケアー、UFC殿堂入り(2025年クラス)決定

 UFC®は、UFC®14およびUFC®15のヘビー級トーナメント優勝者であるマーク・ケアーが、2025年のUFC殿堂入り「パイオニア部門」の一員として選出されたことを発表した。

 2025年のUFC殿堂入り式典は、UFCインターナショナル・ファイトウィークの一環として、6月26日(木)にT-Mobileアリーナにて開催予定で、UFC FIGHT PASS®にて独占ライブ配信される。

UFC社長兼CEOのデイナ・ホワイトは次のようにコメントした。

「マーク・ケアーは高いレベルのレスリング技術を持ち、PRIDEでも活躍した初期のMMAパイオニアの一人だ。」

 ケアーは「パイオニア時代」部門で殿堂入りする21人目の選手となる。この部門は、2000年11月17日(統一ルール制定前)以前にプロデビューした選手が対象で、35歳以上または引退後1年以上経過していることが条件となっている。

 ケアーは12年間のMMAキャリアで通算27戦(15勝11敗1無効試合)、うちUFCとPRIDEで10勝4敗1無効試合の戦績を残している。勝利した相手には、元KOTCスーパーヘビー級王者ダン・ボビッシュ、K-1 WORLD GP王者ブランコ・シカティック、元修斗ヘビー級王者エンセン井上などが名を連ねている。

 1997年1月19日、ケアーは「World Vale Tudo Championship 3」のヘビー級トーナメントに出場し、3試合すべてを1ラウンドで勝利してプロデビュー戦で優勝。同年7月27日には「UFC®14: SHOWDOWN」にてUFC初登場し、モティ・ホレンスタインとダン・ボビッシュにTKOおよびサブミッションで勝利し、わずか4分でヘビー級トーナメントを制覇した。

 さらに同年10月17日、「UFC®15: COLLISION COURSE」でもグレッグ・ストットとドゥエイン・ケイソンを計70秒で下し、2大会連続トーナメント優勝を果たした。これはホイス・グレイシー、マーク・コールマン、ダン・スバーン、ドン・フライと並ぶ、UFC複数トーナメント制覇の偉業である。

 その後ケアーはUFCを離れ、PRIDEに参戦。デビューから3年間で8戦中6勝を挙げ、破壊力あるファイトスタイルから「ザ・スマッシング・マシーン」の異名を得る。

 その後9年間にわたり、複数の団体でトップ選手たちと戦い続け、2009年に現役を引退。

 またケアーは、キャリアを追ったドキュメンタリー映画『The Smashing Machine』の主人公としても知られる。同作は批評家から高く評価され、2024年には同名の劇映画が、ドウェイン・ジョンソン主演、A24製作で10月3日に公開予定である。

 オハイオ州トレド出身のケアーは、アイオワ州ベッテンドルフ高校でレスリングを始め、将来UFC殿堂入りを果たすパット・ミレティッチとチームメイトだった。オハイオ州に戻り、Waite高校で州王者(1986年・ディビジョンI)となる。

 大学ではシラキュース大学に進学し、EIWA(イースタン大学レスリング連盟)で1989年、1991年、1992年にカンファレンスタイトルを獲得。最終年にはオールアメリカンに選出され、NCAAディビジョンI王者にも輝いた。

 その後フリースタイルレスラーとしても活躍し、1992年・1994年のUWWワールドカップで銀・金メダルを獲得。1995年にはパンアメリカン大会でも銀メダルを手にし、1993年・1994年にはUSAレスリングの世界代表選考会で優勝している。

 さらにADCCサブミッション・ファイティング・チャンピオンシップにも出場し、ジョシュ・バーネット、リコ・ロドリゲスといった後のUFCヘビー級王者たちを破り、1999年、2000年、2001年大会で金メダルを獲得。2022年にはADCC殿堂入りも果たしている。