5月12日(月)、テレ朝系ABCの関西ローカル番組『なるみ・岡村の過ぎるTV』にて、同志社プロレス同盟(DWA)が取り上げられていた。同番組はタイトル通り女芸人のなるみと、お笑いコンビのナインティナインの岡村隆史がMCを務めている。
DWAと言えばご存知の通り、本誌のタダシ☆タナカ氏や俳優・みぶ真也が創設に参加した同志社大学のプロレス・サークルだ。そのDWAが現在、消滅の危機にあるという。
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歴史ある同志社プロレス同盟、現在はレスラーがたった1人
DWAの設立は1978年。関西最古の学生プロレス団体と番組では紹介されていた。しかしタダシ☆タナカ氏によると、関西最古どころか世界最古だという。
だが、2025年4月現在のDWAは、レスラーがたった1人。もし新入生が入部しなければ、世界最古の学生プロレス団体が、その永い歴史に幕を閉じるのである。
その、DWAただ1人のレスラーとは、3回生の栗栖くん。今春の新入生歓迎会は、DWA存亡の正念場だ。それだけに、栗栖くんも新入部員獲得に必死である。
そこで、なるみとナイナイ岡村がDWAに刺客を送り込んだ。漫才コンビのフースーヤ(田中ショータイム&谷口理)である。このフースーヤ、以前に同番組でプロレスの大技を1日でマスターしたほどの天才コンビだ。
栗栖くんは、同大入学時からDWAに入っていたわけではない。2回生の時、先輩の石井くんのプロレスを観て、カッコいいなと思ってDWAに入部した。
しかし、1ヵ月前にその石井くんも引退。1人になった栗栖くんは練習もできないので、同じ京都にある立命館大学プロレス同好会(RWF)の練習に参加させてもらっているという。RWFと言えば、棚橋弘至も所属していたことで有名だ。
フースーヤはサプライズを仕掛けようと、栗栖くんを目隠しにして、ある場所へ連れて行く。その場所とは、ドラゴンゲートの道場。待ち構えていたのはドラゴン・ダイヤだった。
同大で行われるプロレス・イベントの第1試合はフースーヤvs.ドラゴン・ダイヤの2対1のハンディキャップ・マッチ。第二試合は栗栖vs.Ben-Kだという。
道場で特訓が始まった。栗栖くんが挑むのは、フースーヤが成功したティヘラ。栗栖と聞くと、筆者などはイス攻撃を期待してしまうのだが……。
とはいえ、栗栖くんは練習を重ねるうちにティヘラをマスターする。さらにトップロープからのティヘラを成功させ、ダイヤを驚かせていた。
しかしダイヤは、ティヘラを必殺技にするのであれば、ポーズや掛け声が欲しいとアドバイス。そこでフースーヤは『CO2』というギャグを伝授し、栗栖くんはその特訓までした。
……って、ギャグの練習を道場でやらんでもええやろ。
さらに、肝心のプロレスに戻り、雪崩式フランケンシュタイナーの猛練習。栗栖くんはこれもマスターした。
フースーヤは本業の仕事により帰ったが、ここから栗栖くん1人での特訓。ケガをしないように、受け身の練習をみっちり3時間行った。
いよいよ試合当日、DWAは存続か、消滅か!?
試合前日、立命大からRWFのメンバーがリング設営を手伝いに来てくれた。そして試合当日、DWAに所属する、もう1人のメンバーの姿もある。
女子大生ながらレフェリーを務める2回生の奥村さん。マネージャーも兼務して、栗栖くんを支えてくれる。
試合時間まで栗栖くんと奥村さん、そしてフースーヤの4人でビラ配り。その甲斐あって、50人を超える同大生が集まってくれた。
この日の目的は、もちろん客にプロレスを楽しんでもらうことだが、それ以上に新入部員を集めることである。そのためには、プロレスの魅力を知ってもらわなければならない。
この日はドラゲーからドラゴン・ダイヤとBen-Kの他に、解説者として堀口元気、司会進行役としてリングアナの小野将希も駆け付けた。
第1試合はフースーヤとダイヤの2対1マッチ。2人がかりでも苦戦するフースーヤだが、ダイヤをコーナーに追い詰め、なんと奥村さんをコーナーにホイップし、奥村さんはそのままの勢いでダイヤにラリアット! レフェリーを悪用する卑劣な技に、ダイヤも今度はお返しに奥村さんラリアットをフースーヤに見舞わせた。
それでもめげないフースーヤは、ツープラトンでホイップ・ティヘラ。ダブル619、ダブル・ブレーンバスターの大技3連発。素人でなかなかここまでは出来ない。
しかし、さすがにプロが負けるわけにはいかず、最後はダイヤのギブアップ勝ち。とはいえ、フースーヤも大技連発にギャグもありと、大いにリングを盛り上げた。
そして、いよいよメインの栗栖くんとBen-Kとの対決。栗栖くんは逆水平チョップを何度も叩き込むが、Ben-Kには全く通用しない。その後もBen-Kの猛攻が続く。
Ben-Kが逆エビ固めで栗栖くんをグイグイ絞め上げるが、これは何とかロープに逃れた。
栗栖くんはコーナーに飛ばされるが、Ben-Kのエルボーをすんでのところでかわす。ここで栗栖くんがコーナーのセカンド・ロープに上がり、特訓したCO2ギャグ。そして、ティヘラを敢行し、見事に成功させた。
さらには、雪崩式フランケンシュタイナーまで披露。カバーに入るが、これはカウント2で跳ね返される。残念ながら、栗栖くんの善戦もここまで。最後はアルゼンチン・バックブリーカーを食らいギブアップした。
しかし、場内からは大きな拍手が沸き起こる。マイクを持った栗栖くんは、DWAに入って一緒にプロレスしませんか? ホントにプロレスは楽しいんですよ! と客に訴えた。
続いて奥村さんは「最初、栗栖はプロレスをやる気がなくて、プロレスのことも何も知らなくて、それが今ではこんな背中になりました」と、栗栖くんの背中を見せる。
栗栖くんの背中は、受け身によるアザで真っ赤っ赤。ここまで頑張ってくれてありがとう、と奥村さんが締めた。
そしてなんと、1人の新入生がDWAに入りたい、と名乗り出る。栗栖くんと奥村さんは大喜びだ。これでDWAの存続が決定した。
さらに、スタジオでの事後報告では、3人が体験入部したという。全員が正式入部となれば、DWAの黄金時代が復活するかも?
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