Rパイパーに捧ぐ!女王ロンダ34秒殺パンチpitbull撃沈!ショーグン10年後ノゲ弟~UFCブラジル+World Series of Fighting 22

(C)Photo Courtesy of UFC

 プロ興行的には究極のセッティング。地元の醜女は4フォースウィメンの盟友を倒している。しかも、煽りVにはロンダ父の自殺を持ち出した。
 そして”ラウディ”ロディ・パイパーが亡くなった。カットマンStichの解雇事件をも生んでしまい様々な影響と波紋を広げるReebokの猛威のみならず、地元ビールのスポンサーシップを得てビジネスとして理想の敵地興行は、これ以上にない理想のエンディング(腕十字の女王がパンチで秒殺勝利する)を迎えた。
 現地時間8月1日夜、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロで行われた『UFC 190 – Rousey vs. Correia』は、ヒールの王者が敵地に乗り込んで最大のビジネスを生み出すという、興行セオリーに原点回帰。PRIDE最高の名勝負だと煽られたマウリシオ・ショーグンvs.アントニオ・ホジェイロ・ノゲイラの10年後の再戦、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ引退試合などをそろえ、巨額ビジネスを成功させている。
 世界中のあらゆるプロ・スポーツにおけるチャンピオンの中で、ビジネス規模という真実から真のNo.1チャンピオン認定を受けたロンダ様。今宵、勝利をロディー・パイパーに捧げ、天国の父のもとに召されたと述べた。
 2015プロ格闘技ビジネスのクライマックス! ”ラウディ”ロンダ・ラウジーは21世紀のヒール伝説を継承した。

 ブラジル開催のUFC190。メインカードは、11戦全勝の女王ロンダ・ラウジーと9戦全勝のベチ・コヘイアの女子バンタム級タイトルマッチ。6度目の防衛を目指すラウジーはここ2試合、アレクシス・デイビスを16秒、キャット・ジンガーノを14秒で撃破し“秒殺”を量産中。一方、ブラジル出身のコヘイアはUFC177でのTKO勝利後ラウジーからのベルト奪取を宣言した。お互い負ければ初黒星だけに激闘必至。試合は、女の壮絶な殴り合いとなり、じわじわロンダが優勢になり、最後はコヘイアを金網に追い詰めて殴り倒してTKO勝ち。ロンダが今度は一本ではなくTKOで秒殺勝利した。

 また、リオデジャネイロを本拠地とするノゲイラ兄弟が参戦。兄・ホドリゴ、弟・ホジェリオとも前回の大会ではKO負けしている。特にホドリゴは、引退勧告を受けており勝利は絶対だ。ホジェリオは元ライトヘビー級王者のマウリシオ・ショーグンと、ホドリゴは211cmの長身から技を繰り出すステファン・ストルーブと対戦する。ほか、アントニオ・シウバが、UFCでの6戦中4つの勝利すべてが完全決着のソア・パラレイと激突!

 マウリシオ・ショーグンとホジェリオの潰し合いは、なんとスタンドでホジェリオが攻め込む場面もありショーグンが手堅くテイクダウンも織り交ぜてポイントを稼ぎ判定勝ち。試合終了直前にはホジェリオのギロチンが極まり、あわやという場面もあった接戦だった。

 しかし、ホドリコの結果は非情だった。ステファン・ストルーフの打撃に苦しめられ、かつての動きも出来ないホドリコは判定負け。大会終了後、ダナ・ホワイト社長から、ホドリコと話し合い、引退に合意したと発表した。今後はUFCのフロントとしてポストを与えるということだ。逆に復活を期すアントニオ・シウバは、ソア・パラレイを豪快なヘビー級らしいパンチラッシュでオクタゴンに沈め復活の狼煙をあげた。

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■ UFC 190 – Rousey vs. Correia
日時:2015年8月1日
場所:ブラジル・リオデジャネイロ

<女子バンタム級王座タイトルマッチ>
○ロンダ・ラウジー(王者)
 1R 0分34秒 TKO
●ベチ・コヘイア(挑戦者)

<ライトヘビー級>
○マウリシオ・ショーグン
 判定 3-0
●アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ

< “TUF: Brazil 4″ ライト級トーナメント決勝>
○グライコ・フランカ
 3R 4分46秒、リアネイキドチョーク
●フェルナンド・ブルーノ

<“TUF: Brazil 4″ バンタム級トーナメント決勝>
○レジナウド・ヴィエイラ
 判定
●ジレノ・ロペス

<ヘビー級>
○ステファン・ストルーフ
 判定 3-0
●アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ

<ヘビー級>
○アントニオ・シウバ
 2R 0分41秒 TKO
●ソア・パレレイ

<女子ストロー級>
○クラウディア・ガデーリャ
 判定 3-0
●ジェシカ・アギラー

プレミアムカード
<ウェルター級>
○デミアン・マイア
 2R 2分52秒 リアネイキドチョーク
●ニール・マグニー

<ライトヘビー級>
○パトリック・カミンズ
 3R 0分45秒 TKO
●ハファエル“フェイジャオン”カヴァウカンチ

<ウェルター級>
○ワーレイ・アウヴェス
 2R 4分11秒 ギロチンチョーク
●ノーディン・タレブ

<バンタム級>
○ユーリ・アルカンタラ
 判定 3-0
●レアンドロ・イッサ

<ミドル級>
○ヴィトー・ミランダ
 2R 2分38秒 TKO
●クリント・ヘスター

<バンタム級>
○ギド・カネッティ
 判定 3-0
●ウゴ・ヴィアナ

 2015年8月1日にネバダ州ラスベガスで『World Series of Fighting 22: Palhares vs. Shields』が開催された。UFC、ベラトールに次ぐ全米第三のMMAメジャー団体として精力的に活動するWSOFだが、先日は、ユニバーサルスポーツネットワークとBack9Networkの前社長で最高経営執行者のカルロス・シルバをCEOとして任命した事を発表した。レイ・セフォー社長も更に躍進する事を強くアピールし、エメリヤエンコ・ヒョードルやブロック・レスナーという超大物を獲得する資金もあると吠えた。そのヒョードルが出るのでは?と言われる大晦日興行に関する情報はマット界舞台裏8月6日号W10対応 超人解雇G1広島佐山聡ブアカーオUFCミャンマーラウェイの巻頭記事「シュート活字講座① TV東京ROAD TO UFC JAPAN~清原邦夫と大晦日」に掲載されているので併せてご覧下さい。

 さて、今大会は2大王座戦が組まれ、メインはウェルター級王座戦で、王者ホジマール・トキーニョが、最強の挑戦者ジェイク・シールズを迎え打つ。足関節で一本勝ちの山を築いてきたトキーニョだが、1999年からMMAで試合をしており桜井”マッハ”速人や岡見勇信にも勝利している名門シーザー・グレイシー門下のベテランであるシールズという最大の敵を迎えた。試合はいつも通り、徹底してテイクダウンを狙い上を取るシールズのペース。トキーニョも得意の極め技を仕掛けるものの、全てそれらを潰して、すぐにシールズが上をとる体勢になり、逆にシールズが肩固めを仕掛けていく。しかし、3Rになると、スタミナ切れもありシールズのタックルをトキーニョが潰すようになり、シールズが苦しくなる。そして、強引に倒そうとシールズが組みついた腕をトキーニョが捕らえ、そのままシールズがトキーニョを倒すが、トキーニョのアームロックががっちり極まっており、シールズがタップ。トキーニョの一本勝ちだが、シールズがタップしていても気がつかず締め上げていたので、技が解かれた時、シールズがトキーニョにパンチを放つ、またトキーニョが試合中にアイポークを注意されるなど後味の悪い面もあった。そして、試合後にトキーニョの試合内容が吟味されWSOFタイトル剥奪&無期限出場停止処分となった。空位となったタイトルは、ジェイク・シールズと、岡見勇信vs.ジョン・フィッチ戦の勝者との間で争われる見通し。

 またセミファイナルはバンタム級王座戦。なんとブラジル人同士の王座戦となり、絶対王者となっている隙がないマルロン・モラエスにムエタイベースのシェイモン・モラエスが挑戦。打撃戦が続いていたが、3Rの壮絶な打ち合いでマルロンの左フックがシェイモンの顎に命中。崩れおちたシェイモンをグランドで捕らえたマルロンがチョークを極めて一本勝ち!マルロンが見事に王座防衛を果たした。

■ World Series of Fighting 22: Palhares vs. Shields
日時:2015年8月1日
場所:アメリカ・ネバダ州ラスベガス

<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○ホジマール・トキーニョ(王者)
 3R 2分02秒 キムラアームロック
●ジェイク・シールズ(挑戦者)

<バンタム級王座タイトルマッチ>
○シェイモン・モラエス(挑戦者)
 3R 3分46秒 リアネイキドチョーク
●マルロン・モラエス(王者)

<ライトヘビー級>
○クリフォード・スタークス
 判定 3-0
●マイク・カイル

<ウェルター級>
○アブバカル・ヌルマゴメドフ
 判定 3-0
●ジョージ・モレノ

<ライト級>
○イズラム・マメドフ
 1R 4分47秒 TKO
●ジミー・スピクーザ

電子書籍版はマット界舞台裏8月13日号Rパイパー追悼ロンダUFCZERO1せらリボン広島freedoms永州中日戦G1肝に掲載されました。

UFC,WOWOW実況解説者でお馴染みの稲垣收記者が『UFC 190』の見所を徹底解説!しっかりした取材と専門家らしい考察。電子書籍コンテンツとして誇れる内容です!
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マット界舞台裏8月6日号W10対応 超人解雇G1広島佐山聡ブアカーオUFCミャンマーラウェイ
▼UFC190展望~女子B級絶対女王ロンダが”最恐の挑戦者”ベチを
 ノゲイラ兄弟、ショーグンも参戦!
 Text by 稲垣 收
・Mタイソンも絶賛した柔道銅メダリスト・ロンダのパンチ力
・ロンダ・ラウジーの親友2人を倒したベチ・コヘイア
・「ロンダが自殺しないことを祈るわ」(ベチ)
・「絶対許さない。たっぷりお仕置きしてやる」(ロンダ)

▼ Fメイウェザーが総合に出たら秒殺負け?
 メイウェザーがUFC選手の彼女にちょっかい出し、一触即発!
 Text by 稲垣 收
・ホリフィールドをKOしたボクシング3階級王者Jトニーを
・UFC2階級王者ランディ・クートゥアーが1R葬
・「オスカー・デラホーヤだってキックじゃ勝てないよ」
・(パッキャオのトレーナー、フレディ・ローチ)