[ファイトクラブ]NOAH小川良成頚椎負傷で引退/生観戦想い出の3試合

[ファイトクラブ]公開 [週刊ファイト8月29日号]収録

▼NOAH小川良成頚椎負傷で引退 ケガから僅か5日で決断!
 photo & text by 西尾智幸

・8月4日の後楽園が最後の試合になった
・本人の意思で引退セレモニー等は行わず
・過去にもセレモニーなしの選手複数いたが共通項あり?
・ジュニアの枠を超えてヘビーとも渡り合った
・三沢光晴とのコンビは安定の長続き
・筆者が生観戦した3試合をピックアップ
・ザックセイバーjrがG1優勝後第1声が小川への感謝


NOAH小川良成頚椎負傷で引退 ケガから僅か5日で決断!

 プロレスリングNOAHのベテラン選手、小川良成が8月13日付で引退すると団体側より報告された。来年で40周年を迎えるはずだったが、8月8日付けで翌9日の後楽園大会を首の負傷で欠場と発表。そこから、僅か5日で引退発表となった。理由は、頚椎の負傷で現役続行が不可能とのこと。

■ 以下、NOAH公式発表の全文

いつもプロレスリング・ノアへのご声援・ご支援をいただき、誠にありがとうございます。
このたび、NOAH所属小川良成選手が現役引退を決断されましたことをご報告いたします。

小川良成選手は、1985年全日本プロレスでのデビュー以来40年近くの現役生活で、GHCヘビー級をはじめ、GHCタッグ、GHCジュニアヘビー級、GHCジュニアタッグほか数々の栄冠を手にするなど第一線で活躍されてこられました。
近年はNOAHジュニアの中心に位置するだけでなく、技術面でもNOAHの支柱的な存在でした。

しかし、頸部の負傷により今後現役を続ける事が難しいと判断されたため、小川選手ご本人からのお申し出により現役を引退されることとなりました。

小川選手へのこれまでのご支援・ご声援に対し、心より御礼申し上げます。
なお現役生活は引退されますが、日常生活等は心配なく過ごす事ができますので、ファンの皆さまにおかれましては、ご安心くださいますようお願いいたします。
また、小川選手本人の強い希望により、引退会見や引退セレモニーなども行いませんので、悪しからずご了承のほどあわせてお願い申し上げます。

 8月4日に行われた、横浜武道館大会の8人タッグが最後の試合となった。57歳だったが、まだまだ元気だったし、昔から全く見た目が変わらない若さを維持していただけに、とても残念な報告だった。
 小川は2011年11月に、バイソン・スミスとの対戦で頭を強打。頚椎捻挫等で1年以上欠場しており、その古傷があったのも、今回の即引退に繋がったのかもしれない。
 また、本人の強い意向により、引退セレモニー等が一切行わないのもファンは心残りだろう。

 余談だが、過去に表に出ないまま、引退していった選手、ラッシャー木村やブル中野(引退から15年後にセレモニー興行は行った)、キラーカーン、佐々木健介、また飯塚高史は引退試合は行ったもの最後は大暴れし試合後のセレモニーをブッチして消えた…などと何人もいるが、思いついた選手は小川を含め全員血液型B型というのは単なる偶然?(笑)。まあ、こういうタイプのB型は、実は照れ屋で形式ばったものが嫌いなタイプが多いのかもしれない。

 小川は、1985年9月3日に全日本プロレスにて、笹崎伸司戦でデビュー。その後、その巧妙なテクニックで頂点に上り詰め、日本におけるジュニアヘビーの代表的選手となった。全日本で3度、NOAHで1度ジュニアシングルを獲得、GHCジュニアタッグは9度も戴冠している。

 ジュニアの枠を越え、ヘビー級とも渡り合っていた。印象が強かったのは、当時GHC王者の秋山準に挑戦。会見で秋山は、「5分以内で終わらせます。いや、大先輩のチャレンジなのであと5分足して10分以内ってことで!」と余裕の宣言をした王者秋山。小川は多くを語らなかったが、試合は、2002年4月7日の有明大会。序盤から飛ばす両者。4分位で秋山はエクスプロイダーの連発に誰もが終わったかと思った瞬間、一瞬の丸め込みで逆転勝利。時間は4分20秒。
 小川は、マイクで「約束通り5分で終わらせました!」はカッコ良すぎるし、勿論会場のボルテージは最高に!
 一歩間違えれば、え?もう終わり?? となるのだが、そこが小川のキャラであり巧さだと思う。
 また、故三沢光晴選手とのタッグも全日本時代からの名物コンビで、全日本では世界タッグ王座、NOAHに移籍してからは、GHCタッグ王座も2度戴冠。

筆者が生観戦し心に残った小川良成の3試合ピックアップ!

 筆者は、NOAHは発足当時はどの団体よりも試合も過激で好きだった。実際生観戦した小川選手の試合の中で、印象に残っている3試合をピックアップし紹介させて頂きたい。

■ 2002年4月7日 大阪 GHCヘビー級戦 
【王者】小川良成vs.高山善廣【挑戦者】


 秋山からベルトを奪取し、この大阪が3度目の防衛戦。相手は、ヘビー級の中のヘビー級、帝王高山善廣。身長差25cmは簡単に丸め込めない。高山の巨体をバックドロップで投げるなど健闘するも、最後は天井まで飛んでいきそうなエベレストジャーマンを2連発で喰らい轟沈。

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