[ファイトクラブ]マリーゴールド桜井麻衣[覚醒] ジュリア・ラスト後楽園満杯26分46秒

[ファイトクラブ]先行公開 [週刊ファイト8月29日号]収録

▼マリーゴールド桜井麻衣[覚醒] ジュリア・ラスト後楽園満杯26分46秒
 Photo: G-MASAO/他 by 甘井公平 w/編集部編
・新エースは超貴婦人!埋まった後楽園ホール訪れたファンと選手は?
・恰好良いジュリア壮行Arrivederci(さらば)煌びやかな紙テープの嵐!
・選手間の不安かき消す?大サクライ・コール!麻衣今後の手腕に注目
・8・25新木場ジュリア〝全員がけ〟壮行記念アイスリボン藤本つかさ戦
・UN青野未来V1 アクトレス勢押す次期エース天麗皇希、経験不足露呈
・SEAdLINNNG背負い最後まで自身貫き通す安里紗x高橋奈七永タッグ
・イリミネーション林下詩美、MIRAI、ボジラ~ゆく川の流れは絶えずして
・松井珠紗 石川奈青 翔月なつみ3way戦より 田中きずなの動きを見よ
・一本釣り新人アタリ続き!勇気みなみ再デビュー勝利+入団・山岡聖玲


■ MARIGOLD Summer Gold Shine 2024
日時:8月19日(月)
会場:後楽園ホール 観衆1,450人(超満員=主催者発表)

新エースは超貴婦人!埋まった後楽園ホール訪れたファンと選手は?

 「スターダムとマリゴ、両方追うのって厳しいよね」、「東京女子だって試合内容もファンサも充実してるしなぁ」、「金も時間も足りない」、「お盆休み明けの月曜、仕事溜まってるのは目に見えてるしね」。
 これらは各種SNSで見られた女子プロファンの書き込みである。
 特に最初の言葉は、プロレス団体分裂時の常であろう。古くは新日本から新生UWF、SWSと同じで、いままで1枚のチケットで観られた選手やカードが、2枚3枚とチケット購入が必要になるのだから、ファンとしては懐がたまらない。

 しかしジュリアの国内ラストマッチ。
 試合開始時点では最前列と指定席D(最安値)以外は当日券販売していたが、ふたを開ければ19:00過ぎには満員となった。迷った末に駆け付けたマリーゴールドファン、盛り上がりはいきなりMAXだ。
 また、スターダムと比べると日ごろのファンサービスが良いせいか、撮影にのめり込むファンが少なく、試合を楽しんでいるように見える。筆者の左前の席には性懲りもなく「推され隊」がいたが、ロッシーはあまり気にしないタイプかな。

 なお会場には堀田祐美子(中島安里紗の初代師匠)、伊藤薫(Sareeeの師匠)などが見受けられたが、実は北側マスコミ席後ろに帽子を目深に被ったスターダム・舞華(写真右上)を発見! 思えば彼女はJTO後楽園ホール興行でジュリアにスカウトされスターダム入りしたのだから、今日ばかりは見逃せなかったのだろう。これは検索すれば各種SNSで確認できる。

恰好良いジュリア壮行Arrivederci(さらば)煌びやかな紙テープの嵐!
<第6試合 ジュリア・カウントダウンFINAL 30分1本勝負>
○ジュリア
 26分46秒 バーミリオン⇒片エビ固め
●桜井麻衣

 試合前、自身のSNSで「負けたら貴婦人キャラ封印」を宣言していた桜井麻衣。
 貴婦人モードは封印、入場時から表情には覚悟が感じられる。

 試合はジュリアが例によって、相手選手(桜井)のすべての引き出しを開けようとしたが、桜井は主導権を渡すまいと、なりふり構わぬ頭突き連打! 後楽園ホールには「ゴツッ」という鈍い音が何度も響く。そしてタイガー・スープレックス、グロリアス・ドライバー、カナディアンからのTFパワーボム、リストクラッチ・ドライバーと、初めて使う技のオンパレード。

 ジュリアはむしろ嬉しそうな顔で「それでは」と、ラストマッチにふさわしく自身の得意技を連発して桜井を仕留めにかかるも、キャッチした桜井は蝶野直伝のSTFでひたすら締め上げる。
 ならばと場外乱闘に持ち込み東西南北引きずりまわして、机割りパイルドライバーまで披露し、リングに戻ってのグロリアス・バスターやノーザンライト・ボム連打も、カウント1で返す桜井。
 気が付けば27弱のロングマッチに。ここまでくればジュリアも満足だ。

 桜井はスターダム時代の私生活でも大の仲良しで、食事も練習も共にすることが多く、(年齢は自身が上だがプロレスキャリアは3年先輩の)ジュリアを姉貴と慕っていた。「ダンスをやりに(スターダムへ)移籍したんじゃない!」と、中野たむのコズエンを無理に離脱してジュリアが率いるDDMに移籍したのも懐かしい。
 最後は全体重を乗せた最終奥義・バーミリオンで、天龍のごとき鬼神の表情で抑え込み、カウント3が入った。

選手間の不安かき消す?大サクライ・コール!麻衣今後の手腕に注目

 試合後のマイクでジュリアは、「実は桜井とはカード発表後、マジで大喧嘩になった。試合のことじゃないんだけどね。だから口もきいてなかったんだよ」。「でも今日のお前は、本当に素晴らしかった! やっと目指してたプロレスラーになれたじゃん! 安心してマリーゴールドを任せられるよ」。

 桜井は試合後の囲みインタビューでひとしきり試合感想を述べ、PPV用のTVカメラが去った後、ある記者から「ジュリアさんとの喧嘩の原因は?」と問われた。
 「うーん。マリーゴールドはいろんな団体出身者が集まっているから、試合運びや練習方法一つにしても行き違いが多くて。ジュリアが喝を入れてくれるんだろうな、と思っていた。そうしたら、怪我や渡米前の仕事やファンサービス、自伝なんかで忙しくてそれがなかった。だから私がジュリアに訴えたら、『私はもう、いなくなる人間。団体をまとめるのが次のエースの仕事だろ? 甘えるな!』となって。

 私の自覚不足なんですけど、林下とか青野と話しても、今の、いや、いままでの私では、なかなか、その・・・」 
 ここでロッシー小川が(余計なことまでしゃべらせるな、とばかりに)インタビューを打ち切った。

 しかし桜井麻衣という選手は、ずばり「やるときはやる」タイプ。スターダムで2023年6月2日に行われた『New Blood‐9』における高橋奈七恵のパッション注入マッチでは、体育館ではない会議室の硬い床の上でドロップキックを連打し、受身の音で高橋と観客を驚かせたこともある。
 試合後は青アザだらけの体で「庶民派・高橋選手に負けちまいましたわ! おほほ!」とコメントしていたのが印象に残っている。

 まだ旗揚げ3ヶ月の寄せ集め団体。道場や私生活では色々もめごともあり、一枚岩ではないことが露呈しかけたわけだが、エースの自覚をもって「覚醒」した桜井麻衣の今後の手腕に注目である。

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