[ファイトクラブ]ケラニ・ジョーダン初代北米 LバイスSベイズラーUFC apex NXT-TNA

[週刊ファイト6月20日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ケラニ・ジョーダン初代北米 LバイスSベイズラーUFC apex NXT-TNA
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 タダシ☆タナカ+シュート活字委員会編
・親会社TKO傘下でUFC所有会場だけでなくプロダクションも任せたが
・一見さん沸かせた初代女子北米王者ハシゴ戦 ケラニ・ジョーダン戴冠
・便利屋アンギャロ ネイサン・フレイザー&アクシオムのスピードに翻弄
・JバーネットのBloodsport両国前 LバイスSベイズラー格闘技戦注目
・ナイジェリア出身オバ・フェミ北米防衛3way ジョー・コフィ&ウェス・リー
・10万ドルのお仕事 飯田沙耶が目指すべきジョーダン・グレイス3試合
・WWE開国政策日本にも マリーゴールド両国イヨ・スカイ 日曜ノア提携
・Cody派閥のイーサン・ペイジもWWE!トリック・ウィリアムス防衛メイン


―― 大会開催地がNXTブランドとして初の遠征になるラスベガスとなったのは、当然2025年の『レッスルマニア』決定だから。メインのスタジアム会場だけでなく、SmackDown-RAWやNXTのPLE(プレミアム・ライブイベント)もあるから、親会社TKO傘下の兄弟会社となったんで、UFCが所有しているApexを使う予行演習も兼ねているんでしょう。

■ WWE NXT Battleground
日時:6月9日(現地時間)
会場:ネバタ州ラスベガス近郊エンタープライズ UFC Apex

オフレコ それがすべてうまく運んだわけではない。毎週じっくり見ている専門媒体やファン諸氏には、UFCのプロダクション班が収録もやったのは明らかや。

―― 格闘技の撮影と、プロレスではカメラのスイッチングにせよ、撮る角度も違うから、大会が始まってスグ気が付きました。あ、会場だけでなくUFCが撮影担当なんだなと。

オフレコ 実際、天上クレーンのカメラが、別のカメラの映像に2度も映りこんでしまうとか、スイッチングも、「そこじゃない!」まで、ディレクター目線で見てしまうから番組の作りにおけるミスの指摘は多々やれるけどな。

―― まぁ試合の、他が気が付かない細かい底なし沼論評は[ファイトクラブ]記事の面子に懸けても掘り下げますけど、そこまで専門的な番組技術の分析は求められてないと思われます。

オフレコ ただ、UFCとの共闘体制の実験開始段階なんやろうが、PLEなのにフロリダのCapital Wrestling Centerよりは少し大きい程度のUFC Apexなんだけど、一部に空席もあるなぁというのが最初から目立っていた。

―― それも説明が必要。PLEだけどあえて小さい箱でやるからチケット値段を上げる作戦に出て、イチバン安い席で$250もチャージだったそうです。それじゃいくらベガス方面でもNXTがイチバン面白いと思っているファンは相当数いてようが、ちょっと高過ぎる金額でしたかねぇ。

オフレコ そもそもベガスというのはやはり今やファミリーが行く休暇地やから、コアのプロレス・マニアが小会場に集う雰囲気ではない。

―― そこは2024年のフラデルフィアとは大きく違いますね。だから、UFCから殿堂入りのフォレスト・グリフィンや、現役王者が客席に写されるのはお約束としても、どうもUFC関係者なり、いわゆる一見さん客がかなり混じっている感じでした。

オフレコ 客の声援でやる気が3倍になるプロレスなんで、そこはApexでやるマイナス面だったな。まぁ、会場の声援を先導するサクラ係りが、必死でコール起こして客を誘導していたのまで、ボクにはバレてたぞ。

―― もっともNXT Undergroundとして、いわゆる3カウント・フォールのないUWFルールのカード、ともに格闘家出身の先輩シェイナ・ベイズラーと、売り出し中のローラ・バイスの激突とか、会場に合わせたマッチメイクもあったんで、プラス面もあったかと。

オフレコ 中身は悪くないPLEだった。TNAの女子部門ノックアウト王者であるジョーダン・グレイス対、NXT王者ロクサーヌ・ペレスは他媒体が真似できない観点からたっぷりやろう。もっとも、試合後アングルに絡む予定だったベイリーが、当日体調不良で会場に来れなかったとか、裏ネタも出すから。

▼NXT女子覇者へ ロクサーヌ・ペレスにTNA王者ジョーダン・グレイス戦

NXT女子覇者へ ロクサーヌ・ペレスにTNA王者ジョーダン・グレイス戦

一見さん沸かせた初代女子北米王者ハシゴ戦 ケラニ・ジョーダン戴冠
<NXT女子北米王者決定ラダー戦>
登場順ソル・ルカ ジェイダ・パーカー ミーチン ファロン・ヘンリー ラッシュ・レジェンド ケラニ・ジョーダン
優勝:○ケラニ・ジョーダン 12分24秒 天上のベルト確保

―― それでは試合順に行きましょう。まずはラッパーのセクシー・レッドの前説なんですが・・・。

オフレコ あとからわかった話だけど、なんとニュージャージーの空港でラッパー軍団と暴れて逮捕されたらしい(笑)。結局ベガス空港に間に合って何事もなかったんだけど。

―― ミーチン(ミア・イム)が出てきた時から会場人気ありましたね。西海岸だからんですかねぇ? ファロン・ヘンリーは、以前使ったことのある牛の白に黒のドットがある分厚いガウンで登場。田舎のカウガール・キャラは辞めたと思ってたんですが、脱いだら新しい衣装で大人の色気も出て来ました。

オフレコ 来年にはSmackDown-RAWで活躍していると、本誌はすでに活字に残してあるけど、再度触れておく。ラッシュ・レジェンドは、大きなティアラを着けてきて女王様かな。

―― 最後がケラニ・ジョーダン、(一緒に見ていたので)「ほらね!」と言いましたね。

オフレコ 他媒体、またまた外していたけど、本誌の読みは圧倒的に世界No.1を自負できる。

―― 新鋭を初代女子北米王者にしないでどうする。ただ、ラダー戦の経験ない面子ばかりです。

オフレコ マイナスはそこになるけど、12分24秒の尺でリハ通りにやれていたんじゃないかな。経験が長いミア・イムがリード役で、自から高く投げ飛ばされ、数珠つなぎでスリーパーされる時は土台役だし、イチバン最後にケラニに場外に落とされるまで光っていた。

―― 客にも受けたご褒美で、火曜夜のNXTで最初の挑戦者に選ばれたことも発表されています。

オフレコ イチバン重くてゴツいラッシュ・レジェンドが、エイプロンと客席敷居に架けられたハシゴに叩きつけられたりと、その一見さん客たちにせよ、「女子がこんな激しいのをやるのか」と驚かせたんじゃないかな。だから掴みとしても第1試合は高評価しておこう。

便利屋アンギャロ ネイサン・フレイザー&アクシオムのスピードに翻弄
<第2試合 NXTタッグ王座戦>
[王者]○ネイサン・フレイザー&アクシオム
 11分38秒 アクシオムのスパニッシュフライ⇒ネイサンのフェニックス・スプラッシュ
[挑戦者]The O.C.(●カール・アンダーソン&ルーク・ギャローズ)

―― まったくもってなんの問題もないタッグ王座戦だったのですが・・・。

オフレコ ネイサン(フレイザー)とアクシオムがスピードで攪乱するが、ベテランのO.C.も体格差を使い王者を追い詰める。ただまぁ、アンギャロの試合は新日時代から、あまりにも沢山見てきているから、トキメク展開がないというか・・・。

―― ないものねだりなんですけどね。The O.C.の職人芸がピークから落ちているとかはまったくなく、それだけでも凄いこと。ネイサンとアクシオムを現タッグ王者にしているのに異論ナシ。

オフレコ ポスターにもあったThe Familyのトニー・ディアンジェロはNo Showだったけど。

JバーネットのBloodsport両国前 LバイスSベイズラー格闘技戦注目
<第3試合 NXT Underground>
○ローラ・バイス
 10分17秒 シェイナ頭ステップにぶつけ意識朦朧⇒裏拳⇒ボコってレフェリーストップ
●シェイナ・ベイズラー

―― もとはシェイン・マクマホンがRAW Underground名義でやり出した地下格闘技、要はUWFルールです。それに、必ずしも選手ではなくセキュリティーとかのギャラリー勢が、ロープのないリング四方を取り囲み、リングをバンバン叩いて闘いを煽ります。絵的にはランバージャック・デスマッチになりますね。

オフレコ なんといっても6・22『Bloodsport武士道』が目前というタイミングは、日本のファンにとっては興味深い。ロープのないリングでの戦いというなら、これはまったくのブラッドスポーツやからな。

▼6・22『Bloodsport武士道』ジョン・モクスリーvsジョシュ・バーネット両国

6・22『Bloodsport武士道』ジョン・モクスリーvsジョシュ・バーネット両国

―― 二人とも道着での入場。しかも、髪の毛は三つ編みなりでちゃんと固めてきており、特にローラはイメージが違って戦闘モードです。照明も落ちて会場の雰囲気をガラりと変えての格闘技戦。この試合だけ事前収録したのかも・・・。

オフレコ 知らない。他媒体の評まで読んでないのでわからない。一応、この試合の前後に「次のレッスルマニアはベガスです・・・」とか、様々な予告編やっていたから、その裏で会場ではロープを取り外してとか仕様変更やってたのかもだし、ニアライブというか、西海岸での収録なんで現地ではちょっと早く初めてだったのかもだけど、それはあまり重要ではない。

―― RAW Undergroundは「なんちゃって格闘技」になってしまい、尻切れトンボでしたけど、NXTでのUndergroundはこれで4回目。NXTでは我々のようなプロレスも格闘技も扱う媒体から見ても、「これならアリかなぁ」だったんですが、この4度目で完成形を魅せたというか・・・。

オフレコ それをやったのが女子戦という皮肉はあるけどな。UFC Apex開催の意義も含めてうまくいったことは間違いない。あと、そのエディ・ソープというなら、試合後の後片付けの時間なのかはともかく、親戚一同?も出てくるプロモが流され、怪我も癒えたんで近く復帰だと。ただ、” ネバダの猛獣”元カール・フレドリックスは先住民インディアンというのが強調されていた。

―― 親戚の顔がモロにインディアンでしたからね。この試合のあとに出てくるオバ・フェミがナイジェリア出身というプロモも出て来たんですが、ここら辺りは日本のファンには説明しておく必要があります。

オフレコ 話を戻すなら、公式写真になかったんだけど、シェイナは切札クラッチやっても極まらないとか、プロレスの格闘技戦はツッコミどころも満載ではあるんだけどな。まぁアスカの奥歯を吹っ飛ばしたとか、踏みつけて手首骨折させたまで、普段から”壊し屋”のシェイナだし、お互いハードヒットにやりあっていたことは間違いない。

―― 最後は先輩シェイナのダウン役に言い訳を残す恰好にして、階段ステップにブツけた際に頭打ったから、それでフラフラのところに裏拳が命中というフィニッシュでしたけど、それでも裏拳がきっちり命中しないリスクもありますから、説得力はありました。勝利後は、腰クネクネのダンスをする陽気なラテン系のローラに戻ってましたけど(笑)。

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