日本プロレスリング連盟(UJPW)は何のための組織なのか!?

 先週も触れたが、3月26日に日本プロレスリング連盟(以下、UJPW)の記者会見が行われた。しかし、その内容は本誌が危惧した通り、単なる合同興行のためだけのPRだったのである。
 現在のプロレス界は課題が山積み……。そんな中で、その課題を解決するためにUJPWが発足されたはずだ。本誌の主張は、UJPWが合同興行だけの組織では無意味、ということである。

 だが、先日の記者会見は全くの期待外れ。少なくとも、今年に入って朝陽さんと吉江豊さんが亡くなるという異常事態があったばかりなので、それに関する対策などを発表して欲しかった。
 しかし、プロレス界で2人も死亡したという事実に目を背け、そんなことは記憶にございませんとばかりに完全無視。何をか言わんやである。こんな連盟、他のスポーツ界では有り得ない。


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3ヵ月以上経ってもまだ法人化されていない、UJPWのノロさ

 もう一度、昨年の2023年12月に発足されたUJPWの運営目的をおさらいしてみよう。

『わが国におけるプロレスへの認知を高め、プロレスが社会の文化的公共財であることを認識し、これを普及して国民生活の明朗化と文化的共有の向上を図るとともに、プロレス事業の推進を通してスポーツおよび文化の発展に寄与し、プロレス業界の繁栄に貢献することを目的とする』

 なるほど、なかなか立派な文言である。と言っても、だいたいの公共事業団体は、この程度の理念は掲げているが。
 だが、今回の記者会見では『文化的共有』などはほとんど感じられなかった。5月6日の日本武道館大会は、地震で被災した能登半島復興支援チャリティ大会であり、そのこと自体は素晴らしいことだが、それはUJPWが発足しなくても各団体で実行していたことだ。
 逆に言えば、能登半島地震がなければ、本当に単なる営利目的の合同興行だったのか?

 UJPWの記者会見の冒頭で話し始めたのは、同連盟の事務局長である菅林直樹氏(新日本プロレス会長)で、彼はいきなりこう言い放った。

「現在、法人化に向け調整を行っております」

 なんと、発足されて3ヵ月以上も経つのに、UJPWはまだ法人化されていなかったのか!?
 プロレス団体を設立する場合は、電光石火のスピードで会社登記を行うのに、非営利団体となるとデンデン虫のようなノロさである。

 公益法人になるのなら、かなりハードルが高いため法人化に時間がかかるのは判るが、プロレス組織が公益法人になれるわけもない。
 馳浩のゴリ押しがあるのならともかく、普通に考えれば一般社団法人になるのが妥当だろう。公益社団法人に比べ、一般社団法人になるのは遥かに簡単だ。

 公益社団法人は税的優遇を受けるため、当然のことながらかなり審査が厳しく、また審査が通っても活動範囲が制限されるので、プロレス組織には向かない。
 一方の一般社団法人は、税的優遇の恩恵はほとんど期待できないが、認可は簡単で、しかも法的に縛られることは少ないのだ。UJPWには打って付けである。

 しかし、UJPWは発足から3ヵ月以上経っても、まだ法人化されていないという。一般社団法人なんて、問題さえなければ申請してから遅くても10日もすれば認可されるはずだ。
 UJPWがどういう形で『法人化に向け調整中』なのか、知りたいところである。

筆者の認識が甘すぎた、UJPWのさらなる野望!?

 UJPWの記者会見で、菅林直樹氏に代わって登場したのが、プロレスリング・ノアの丸藤正道、DDTプロレスリングの高木三四郎、そして新日本プロレスの棚橋弘至。全日本プロレス関係者は、5月6日の日本武道館大会に参戦していないため、この記者会見には出席していない。
 この3名による記者会見も内容スカスカで、まさしくプロレス・ヲタク向けのもの。UJPWの理念であるはずの『プロレスが社会の文化的公共財』など全くない。

 その後の質疑応答も、合同興行以外の質問はしてくれるな、という忖度の空気がプンプン。
 そんな中で、UJPWの法人化に対する質問が飛んだ。高木がそれに答える。

「単純に(UJPWの)社長は誰なのか、疑問ではあるんですけど……」

 社長って、UJPWを会社組織にするつもりだったのか!? これは筆者の認識が甘かった。てっきり、UJPWとは非営利団体だと思っていたのだが、営利団体だったとは……。

 営利団体だったのなら、朝陽さんや吉江豊さんが亡くなった事件にUJPWが無頓着だった理由も頷ける。営利団体だと、金儲けと宣伝以外には関心がないのだから、自らの不祥事となる事柄(今年に入って2人も死亡者を出したこと)を隠蔽するのは当然だろう。
 もっとも、まともな業種だったら営利団体でも小林製薬のように糾弾されるのだが、プロレス界は『まともな業種』ではなさそうなので、その点は心配ないのかも知れないが。

 ひょっとすると、UJPWは馳浩による庇護の元、営利団体としてさらなる飛躍を図っているのかも知れない。そうなると、とても筆者の手には負えなくなる。
 いずれにせよ、UJPWが営利団体になるのなら、レスラーの安全性や待遇改善などは二の次になるだろう。
 何しろ、UJPWは金儲けだけが目的になるのだから。


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