3・21ストロングスタイルプロレス後楽園大会!澤田敦士、アレクサンダー大塚インタビュー

ストロングスタイル3・21後楽園で激突する関根“シュレック”秀樹を「無名の人」扱い…。澤田敦士が大放談!

(前文)
“帰ってきた売名王”澤田敦士がストロングスタイル3・21後楽園ホール大会に参戦。実力派マスクマン、政宗とタッグを組み、関根“シュレック”秀樹&日高郁人と激突する。小川直也の弟子であり、柔道日本一の実績を誇る澤田とMMAでも活躍する柔術&柔道の実力者・シュレックの初遭遇に注目が集まるが、澤田はシュレックを「知らない」とバッサリ。さらに「無名の人」扱いするなど挑発的な言葉を並べる一方で、「相手が誰であろうと覚悟を決めてリングに上がる」と不退転の決意を示す。さらに澤田は昨今のマット界で物議をかもす中嶋勝彦に対しても噛みつくなど売名王の舌鋒はとどまるところを知らなかった。

(本文)
――3年9カ月ぶりのリング復帰を果たした昨年12月のストロングスタイルプロレス後楽園ホール大会以来、3カ月ぶりのリングになります。いまのコンディションは?

澤田 ぶっちゃけって言うと、練習しすぎてヒザと肩がヤマいってしまって。ちょっと追い込み過ぎた。

――そんな激しい練習を…。ちなみに練習相手は?

澤田 柔道の元メダリストですね。でも、それを言っても仕方ないんで。試合が組まれたら体を痛めようが何しようがリングに上がるのがプロですから。最近はちょっとケガしたら欠場していいみたいな風潮もありますけど、我々はプロレスラーなんでね。3月21日、後楽園ホールのリングに上がります。(負傷は)もう治ったんで。

――…絶対治ってませんよね。

澤田 (無視して)そしてリングに上がる以上は対世間。世間と闘う気持ちでリングに上がります。アントニオ猪木会長がずっとおっしゃってましたけど、いまのプロレス界に足りないのはそこでしょう。本当に小さい世界のなかでピザパイの食い合いをして。プロレス界だけじゃなく、格闘技界もそうだけどホントに小さくなった。猪木会長が泣いてますよ。

――昨年12月の3年9カ月ぶり復帰戦でも世間と闘う気構えでリングに上がったんでしょうか?

澤田 あの時もそれはもってましたよ、この業界どこに向かってんだよって。いまの僕がそれを言うのはおこがましいという気持ちもありますけど、いまのプロレスは“プロレスを知ってる人”しか知らないんですよ。


――どういうことでしょう?

澤田 (我孫子市議をやっているため)子どもたちに接する機会が多いんですけど、いまの子供たちはプロレスという言葉自体、知らない。悲しいですよ。オファーをもらったから出るというのはもちろんですけど、やる以上はプロレスとはなんぞやと。それをもう一回確かめるためにも出ようと。

――対戦相手は関根“シュレック”秀樹選手。柔術・柔道の実力者でRIZINなどMMAのリングでも活躍しています。

澤田 相手は考えない。プロレス界、格闘界では知られた人かもしれないけど、僕は正直知らない、その関根シュレックという人間を。ただ、猪木会長は無名の人をドンドン世間に売り出していきましたからね。

――澤田選手もシュレック選手をうまく料理してやると?

澤田 そうですね。どんな闘いになるかわかんないですけども、とにかく腹をくくって、覚悟を決めてリングに上がりますよ。

――事前に研究するつもりもないんですか?

澤田 ないですね。(シュレックのパートナー)日高選手は知ってますけどね。なぜかと言ったら、奥さん、あびこめぐみさんですよね?

――我孫子(あびこ)つながりで(笑)。

澤田 ムフフ。

――先ほども言いましたが、関根選手は柔術・柔道の実力者です。澤田選手に対して道着を着てこないほうがいいと忠告を送っていましたが?

澤田 何も響いてこないですね。寝言言ってんじゃねぇぞとも思わない、ありきたりな言葉過ぎて。逆に言ってやりますよ、吐いたツバ飲み込むんじゃねえぞと。でも、これじゃ彼がかわいそうなんで、僕が道着を着るかどうかはリングに上がるまでわからないってことにしておきましょうか。結局、その関根シュレックさんも目の前しか見えてないんですよ。世間を見てない。なのに闘いだとか闘魂だとか軽々しく使っちゃう。

――IGFでデビューした澤田さんは長きにわたって故アントニオ猪木さんの考え方や教えに接してきました。

澤田 みんな闘魂がどうだとか軽々しく言うじゃないですか。そんなの僕だってわからないですよ。常に世間を意識しろっていうのはありますけど、それもあくまで猪木会長の考えのひとつにすぎませんから。

――澤田選手も3・21後楽園で覚悟のファイトが求められます。

澤田 いまの僕が見せられるのは覚悟だけですよ。覚悟しかない。花が咲こうが咲くまいが、生きてることが花なんだと。

――澤田選手は2020年3月のストロングスタイルプロレス後楽園ホール大会の試合後、救急搬送。心臓の手術を受ける大ダメージを負いました。

澤田 プロレス界に恥をさらした試合ですよ。でも、猪木会長も言ってたじゃないですか、恥をかけって。「とことん恥をかけ。かいてかいて恥かいて、裸になったら見えてくる。本当の自分が見えてくる」って。僕はトコトン恥をかきました。関根シュレック選手も恥をかいたほうがいい。中嶋選手も恥をかいたほうがいい。もうカッコつけたってしょうがないでしょう。恥をかいて、ホントの自分を見せたほうがいい。僕も今回の試合は、相手がどうのこうのじゃなくて、自分との闘いですよ。覚悟をもってリングに上がる。恥をかくんであればトコトン恥をかく。どういう結果になろうが、見たくないヤツは見なくていいし、見たいと思ったら裸の僕を見てくれればいい。2024年3月21日、澤田敦士をさらけ出すだけです。


古豪アレクサンダー大塚が明かす14年ぶりレジェンド王座挑戦の理由
尊敬する初代タイガーという存在とデビュー30周年の夢!

 現在52歳、来年にはデビュー30周年を迎えるアレクサンダー大塚がストロングスタイルプロレス3・21後楽園ホール大会で間下隼人が持つレジェンドチャンピオンシップに挑戦する。2008年12月に同王座を巻き、第3代王者になったことのあるアレクが狙う約14年ぶりの2度目の戴冠。「ベルトへの欲がない」と語るアレクがレジェンドチャンピオンに挑む理由はストロングスタイルプロレスの創始者、初代タイガーマスク・佐山サトルへのリスペクト。生え抜き王者・間下隼人をさらに「強くする」ため、そして何より自分が強くなるためにアレクはベルトを取る。そしてデビュー30周年を王者として迎えるという夢も明らかにした。

初代タイガーマスクストロングスタイルプロレスVol.28
■開催日時:3月21日(木)18時30分 
■会 場 :後楽園ホール
《Wメインイベント②レジェンド選手権試合 60分1本勝負》
[第17代王者]間下隼人(ストロングスタイルプロレス)
vs
[挑戦者]アレクサンダー大塚(AODC)

――ストロングスタイル3・21後楽園ホール大会で間下隼人選手が保持するレジェンドチャンピオンシップに挑戦。ベルト戴冠となれば、第3代王者時代(2008年12月~2009年10月)以来、じつに14年ぶりになります。
アレク いま現在の僕のプロレスキャリアの中で持ったことがある唯一のベルトになるんですよ。

――シングル・タッグを問わず、他のベルトを巻いたことはない?
アレク ないですね。バトラーツ時代にリーグ戦で優勝とかはありましたけど、ベルトというものに対しての欲がなかったのもあるし、僕自身がプロレスファンではなかったというのもあったのかもしれないですけど。

――そんなアレク選手が唯一取ったのがレジェンドチャンピオンシップだと。
アレク やっぱり初代タイガーマスク、佐山サトルという偉大なレスラーを尊敬しているのは間違いなくありますね。その佐山さんが創設されたストロングスタイルプロレスのチャンピオンベルトということで、自分のなかで重き思いを抱くことができたんだと思います。

――2・16川崎大会で王者の間下選手から勝利し、14年ぶりのレジェンド王座挑戦を表明。カードが組まれた時点でベルト挑戦という意識があったんでしょうか?

アレク 正直なかったです。自分はいまどこかに所属することもなく、フリーとして過ごしてきて。そのなかでストロングスタイルプロレスではレギュラー参戦させていただいて。コロナ禍の2020年には自分の25周年記念試合として船木(誠勝)さんとのシングルマッチを組んでいただきました。記念試合や記念興行がなかなか難しいコロナ禍で、入門テストをマンツーマンで見ていただいた船木さんとシングルマッチさせていただいたんですけど、初っ端の蹴りで思いもかけないケガをしてしまって。それまでそんな大きなケガなんてしたことなかったんですけど、腕を骨折して…うまく言えないんですけど、端的に言えばあの時、アレクサンダー大塚ってこんなもんかなっていう気持ちがあったんですね。

――自分自身へのもどかしさといいますか…。
アレク はい。そんな自分がありつつ、復帰してからはストロングスタイルプロレスに出ることもなく。ただ記事で間下君がチャンピオンになったっていうのを見て、ようやく報われたかと。泥水すすってきてたのを見てきたつもりなので、あの間下君がチャンピオンになったっていうので自分にとっても元気をもらえたし。

――今年1月15日の自主興行では間下選手とタッグを組んでいました。
アレク ストロングスタイルプロレスに出場する機会はなかったですけど、平井(丈雅ストロングスタイルプロレス代表)さんを通じて、大会の協力をしてもらえたらとお願いしたら快諾いただいて。1月15日の浅草大会はプロレスとは違う部分の思いがあった大会だったんですけど、対戦カードを考えた時、スーパー・タイガー選手と間下選手、どちらを自分のパートナーにするか迷ったんですよ。結果的にチャンピオンになった間下君とタッグを組んで隣で試合運びだったり、そういう部分を見たいなと。それでカードを組ませてもらったんですけど、じつは自分が勝利したら、「もしチャンスがあるならば間下くんが持ってるそのレジェンドチャンピオンシップのベルトに興味がある」みたいなことを言おうと思ってたんです。ただ、プロにあるまじきなんですが、自主興行だったのもあって感情が高ぶってしまい、開始から泣いてしまったりして、そんなことを言える状態じゃなくなってしまったんですね。それで大会が終わって、ああこれがいまの自分なんだよなと。世の中の歯車というか、ここで言えなかった自分はそういうことなんだろうなって。タイミングじゃなかったんだなって。
そしたら2月16日、しばらくストロングスタイルに出てなかったのに、川崎大会に急きょ声をかけていただいて。しかも対戦カードを見たらストロングスタイルプロレス、佐山さんの直弟子であるスーパー・タイガー選手、間下選手とタッグ対決だと。

――ここはチャンスだと?
アレク いえ、自主興行の時チャンスを逃したこともあって、その時は挑戦するなんて気持ちはまったくなくて、目の前の試合を一生懸命闘おうと。そしたら結果として間下選手に勝つことができた。自分もあっけにとられてしまったなかで、思わず言ってしまったっていう感じだったんです。

――なるほど。成長した王者・間下隼人と対戦して、成長や変化は感じましたか?
アレク 感じました。体も大きくなってましたし、佇まいから違ってましたね。
――それはチャンピオンの佇まいでしょうか?
アレク う~ん、どうなんでしょう。これはチャンピオンに申し訳ないですけど、じつは当時、自分自身似たような思いを抱いたことがありまして。チャンピオンになった間下隼人という選手は、自分のやるべきチャンピオンであったり、佐山さんの弟子である彼が「自分がチャンピオンなんだ」というところにドンドン気づいていって(王者像を)いままさに築き上げているという感じを抱きました。

――いまなお成長途上にある王者だと?
アレク 間下選手の根本的な性格も含めなんでしょうけど、「俺がチャンピオンだ! 誰でもこい!」みたいな感じではなく、チャンピオンになっても成長して佐山さんに「私の弟子です」と胸を張って言ってもらえるようなチャンピオンにならないとと。そういう部分も感じましたね。

――現在、初代タイガーマスク、
佐山先生はメニエール病で欠場中。そこも間下選手が責任感や使命感を抱く部分につながるのでしょうか?
アレク (間下の強さは)そこも含めてなのかなというのは感じます。僕自身もチャレンジャーの立場ではありますけど、間下選手をより一層強く、大きくするために佐山さんからチャンスをいただいたのかなと。たぶんもう下り坂にいるアレクサンダー大塚かもしれないですけど、佐山先生の教えと思い、必ず勝ちます。

――ファンのなかには、キャリアや年齢、現在の立ち位置みたいなところを考えて、アレクサンダー大塚でベルトが取れるのか?と懐疑的な視線を向ける人もいるかもしれません。
アレク それはもういろんな目で見ていただいて結構です。

――それを見返す自信は?
アレク その答えを出すのがプロレスだと思うので。

――リングで答えを出すと?
アレク そうですね、はい。

――間下選手も会見で言及していましたが、1998年10・11「PRIDE4」(東京ドーム)でのマルコ・ファス戦にアレク選手は勝利。一夜にして世界を変えて見せました。今回も間下選手に勝ってベルトを巻けば「下り坂」的な見方を変えることができるのかと思います。

アレク ホントそうですね。それは周りにもそうだし、何より自分自身に対しても。皆さんからよく言っていただくんですけど、僕がアレクサンダー大塚で、AOというイニシャルで、そのなかで”AO”cornerという入場曲と出会って、自分は人生において死ぬまでチャレンジャーで生きていくことが大切なんだなというのを月日とともにドンドンドンドンわかってきた。だからこそ今回も力強いチャレンジャーでタイトルマッチに臨み、またチャンピオンになりたいなと思っています。

――間下選手に勝利し、ベルトを巻いたらどんなチャンピオンロードを歩みたいですか?
アレク そうですね…タイトルマッチ自体が1月15日でポツンと切れたのもあるのでホントいまだけを見ているのが正直なところで。ただ、インタビューでそういうふうに質問されて、ふと欲を出して考えれば、来年自分自身がデビュー30周年になるので。今回ベルトを取って、チャンピオンで30周年を迎えられたらそんなにうれしいことはないかなと思いますね。

――思いがけない欲が出てくるのもプロレスの魅力です。
アレク そうですね。夢を持てない人がいる世の中で、いくつになろうが夢を持つことで元気に進めるっていうところも見せたいなと思います。

――ベルトへの意欲がないと公言するアレク選手が挑戦表明し、ベルトを巻いた先のことまで考えられるのがレジェンドチャンピオンシップのベルトなんですね。
アレク 繰り返しになってしまいますが、やっぱり尊敬する佐山さんが創設された団体のベルトだからです。それに自分が着けていた時のベルトとは(デザインが)変わって、すごくゴールドになっていて。新しいベルトも巻きたいなと思います。自分があのベルトを巻きたいし、巻いた姿を皆さんにも見てもらいたいです。
 あ! 1月15日の浅草三人祭の勝利者賞、末ッ子の餃子110人前をまだ間下選手と行けてないので、このレジェンドチャンピオンのタイトルを僕が取って! タイトル奪取の祝勝会も兼ねたいですね。

対戦カード・大会概要

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