3・21初代タイガーマスクストロングスタイルプロレス後楽園大会!見どころ&間下隼人、関根“シュレック”秀樹インタビュー

【決戦直前!見どころコラム到着!】
初代タイガーマスクストロングスタイルプロレス3・21後楽園ホール大会
レジェンド王者・間下隼人が元王者のリアルレジェンド、アレクサンダー大塚を迎え撃つ!初代女子タッグ王者・ジャガー横田組がDarkerZと初防衛戦!タイガー・クイーンとSareeeの遭遇で何が生まれる!?船木誠勝とグレート・サスケ、時空を超えて、まさかの初タッグ!

初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)が3月21日(木)東京・後楽園ホールにて今年最初の“聖地”後楽園大会「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.28」を開催する。当日は、レジェンド選手権試合とSSPW女子タッグ選手権試合の男女2大タイトルマッチがおこなわれるとともに、“パンクラス”船木誠勝と“みちのくプロレス”ザ・グレート・サスケの初遭遇や、タイガー・クイーンとSareeeの対戦など内容盛りだくさん。本欄では各試合の見どころを探ってみる。(文・新井宏)

<第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
野崎渚(フリー)
vs.
柊くるみ(プロミネンス)
 大会のオープニングを飾るのは、野崎渚vs柊くるみの女子シングルマッチだ。どちらもSSPW初参戦というフレッシュなカード。2006年にNEOでデビューし、ケガに悩まされながらも女子プロのエース格に成長した野崎は昨年10月にwaveを退団、フリーになってからはNOAHやSEAdLINNNGのリングに上がり、3月15日にはSEAdLINNNGのタッグ王座に就いたばかりだ。NEO時代の師である田村欣子の決めゼリフ「ケッテー!」を引き継いでおり、全日本女子プロレスのストロング派でもあった田村の後継者としても、女子路線が定着したSSPWへの参戦は彼女にとって大きな転機になるかもしれない。対する柊は、デスマッチハードコアユニット、プロミネンスに所属する23歳。10歳のときにアイスリボンでデビューしており、キャリアを重ねるごとに大型化。いまでは体重80キロを誇るパワーファイターとしてさまざまなリングでその強さを発揮している。技巧派の野崎と怪力派の柊、どちらのストロングスタイルが上回るのか。今後への期待も込められた、初参戦同士の一騎打ちだ。

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)&日高郁人(ショーンキャプチャー)
vs.
澤田敦士(無所属)&政宗(フリー)
 第2試合は、関根“シュレック”秀樹&日高郁人組vs澤田敦士&政宗組のタッグマッチ。ヘビー&ジュニアの階級を超えたタッグチーム同士による闘いとなる。シュレック、日高とも前回の後楽園大会(2023年12・7)では黒星を喫しており、日高はこの試合を「出直し」と定義し、リングに臨む。また、階級を超えたぶつかり合いはプロレスの醍醐味のひとつ。シュレックと政宗、日高と澤田の絡みからいったい何が生まれるのか興味深い。もちろんヘビー、ジュニア同士の闘いも見逃せない。とくに前回の後楽園で間下隼人のレジェンド王座に挑むもベルト奪取ならなかったシュレックには、王座再挑戦に到達するためにも新しい実績作りが必要になってくる。それだけに、元警察官のシュレックと現・我孫子市議会議員・澤田の初対戦は注目される。とくにシュレックの方から澤田を意識し挑発しており、危険なムードさえ漂っている。2年9カ月という長期欠場から前回の後楽園で復帰を果たした澤田にとって、シュレックは格好の獲物となる可能性があるだろう。格闘技での実績もあるシュレックを使い、“売名王”が完全復活か?

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
タイガー・クイーン(ストロングスタイルプロレス)&雪妃真矢(フリー)
vs.
Sareee(フリー)&本間多恵(フリー)
第3試合は女子タッグマッチ。タイガー・クイーンと雪妃真矢がタッグを組み、Sareee&本間多恵組と対戦する。クイーンと初めてのタッグを結成する雪妃はSSPWに2年ぶりの参戦で、初遭遇となるクイーンとのチームは見栄えすること間違いなし。ビジュアル的にも非常に魅力的なタッグが誕生すると言っていいだろう。多くの団体で活躍する雪妃は、OZアカデミーでは雪妃魔矢として悪の顔も持つ。普通に考えればこの日の雪妃はベビーフェース、しかし覆面レスラー、クイーンとのタッグでどんな顔を見せるのか楽しみでもある。そして、この試合でもっとも注目されるのが、クイーンとSareeeのSSPW初遭遇だ。両者は昨年10月、アズーリプロレス祭りで初対戦。そのときはクイーンが本間、Sareeeがジャガー横田との師弟タッグで臨み、ジャガーが本間をフォールした。Sareeeといえば元SSPWの常連で、SSPW女子部の現体制移行前の中心選手だった。初代タイガーマスクのチャリティー活動にも加わっていたSareeeは、世界最大のプロレス団体WWEを経て凱旋。日本に定着した現在は自主興行をはじめさまざまな団体で話題を振りまいており、古巣のひとつと言っていいSSPWとは4試合契約を締結、今年の後楽園大会すべてに出場するという。それだけに、今回はSareeeとクイーンの間で何かが生まれることを期待したい。シングルでの闘いに発展するのか、それとも共闘か。一方、このところ海外マットでの活動が増えている本間だが、クイーンとのシングルで敗れているだけに、Sareeeばかりにおいしいところを持っていかせたくない気持ちもあるだろう。クイーンと組む雪妃も同様。本間、雪妃の自己主張にも注目したい。

<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)&船木誠勝(フリー)&ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)
vs.
ダーク・ウルフ(DarkerZ)&村上和成(フリー)&関本大介(大日本プロレス)
 第4試合はスーパー・タイガー&船木誠勝&ザ・グレート・サスケ組vsダーク・ウルフ&村上和成&関本大介組の豪華6人タッグマッチだ。最大の注目は、SSPWのエースであるスーパーを軸に、船木、サスケとのトリオ結成にある。この組み合わせは、90年代の日本プロレス界を見てきた者なら感慨深いこと間違いなし。多団体時代のはしりとなった90年代、日本のマット界は各団体がさまざまなスタイルをアピール。そのなかで船木が格闘路線のUWF系パンクラス、サスケが空中殺法中心のルチャ系みちのくプロレスを作ったのだ。あの時代を経て現在のプロレス界はなんでもあり。船木が大仁田厚のデスマッチに挑んだように、あらゆる不可能が可能になっている。が、ここまで船木とサスケの絡みは一切実現してこなかった。それがいま、SSPWのリングで可能となったのだ。この2人を結びつけるキーワードが、初代タイガーマスク佐山サトルであることも忘れてはならないだろう。初代タイガーマスクの四次元殺法はルチャ系の原点であり、佐山の格闘バージョンと言えるUWFでのスーパー・タイガーがU系の基礎となった。スーパー、船木、サスケ。この3人が並び立つ姿に佐山総監がリングで躍動したあの頃がダブるだろう。このチームに対するのが、ダーク・ウルフ&村上和成&関本大介組だ。ウルフは1月のウナギ・サヤカ自主興行で初登場し、SSPW2・16サポーターズマッチに参戦した。DarkerZに男子選手がいたとは驚きだが、それに加えて驚愕のパワーも注目に値する。すでにタッグマッチでスーパーと対戦しており、ライバルとなっていく可能性もありそうだ。スーパーとの対戦では、村上の存在も不気味である。スーパーのレジェンド王者時代、村上は挑戦のチャンスをつかみながら自身のケガで逃してしまった。そのときの清算をするためにも、これを機にスーパーとの一騎打ちに持ち込みたい。ウルフ&村上と組む関本は元レジェンド王者で、船木との対戦を含め同王座の価値を高めてきた、SSPWの立役者。今回も高値安定のパワーでファンの歓声を引き出すはずだ。

<セミファイナル 女子タッグ王座選手権試合60分1本勝負>
[王者]ジャガー横田(SSPW女子タッグ王者/CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ)&藪下めぐみ(SSPW女子タッグ王者/ CRYSIS/フリー)
vs.
[挑戦者]ダーク・タイガー(DarkerZ)&ダーク・チーター(DarkerZ)
 セミファイナルはSSPW女子タッグ王座戦。ジャガー横田&薮下めぐみ組5がダーク・タイガー&ダーク・チーター組を迎え撃つ。SSPWでは女子で初めてのベルト、SSPW女子タッグ王座を新設し、昨年6月から12月にかけて初代王者決定トーナメントを開催した。全8チームが参加し、タイガー・クイーン&梅咲遥組を決勝で破ったジャガー&薮下のCRYSIS師弟コンビが初代王者に輝いたのだ。ジャガー&薮下が初めて迎える挑戦者にはDarkerZのダーク・タイガー&ダーク・チーターが選ばれた。これは2・16サポーターズマッチと同一カード。とはいえ、だからこそ王者組にとって油断は禁物の闘いとなるだろう。というのも、ここで再びDarkerZが敗れれば、その存在意義が問われることになるからだ。DarkerZにはヒールらしい、なりふり構わぬ闘いを仕掛けてくることが必要ではないか。ジャガーから直接フォールを奪えば、DarkerZの株は一気に上がる。大逆転のチャンスをDarkerZが活かせるか、それとも御大ジャガーが貫録の返り討ちか。

<メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
[第17代王者]間下隼人(ストロングスタイルプロレス)
vs.
[挑戦者]アレクサンダー大塚(AODC)
※第17代王者3度目の防衛戦
 メインは、間下隼人がアレクサンダー大塚を迎え撃つレジェンド選手権試合だ。生え抜きの間下は昨年2・22後楽園で真霜拳號を破り、流出していたベルトを団体に奪還。デビューから15年5カ月でSSPW最高峰王座に初めて到達し、第17代王者の座に輝いた。その後、将軍岡本、関根“シュレック”秀樹に防衛し、こんどが3度目の防衛戦となる。挑戦者のアレクは第3代王者。2008年12月にザ・グレート・サスケとの王座決定戦を制すと、長井満也に奪われるまでの2年間で4度の防衛に成功、SSPW初期の歴史を作ったひとりである。つまり、若手時代の間下にとって、格闘技でも実績を築いたプロレスラー・アレクは雲の上のあこがれの存在だったのだ。が、1月のアレク自主興行にスーパー・タイガーと間下が参戦したことをきっかけに、アレクも久しぶりにSSPWに登場、2・16サポーターズマッチでタッグマッチながら王者・間下から直接ピンフォールを奪ってみせ、今回のタイトルマッチに発展した。その試合で、アレクは間下への挑戦をアピール。敗れた間下が応じ、時空を経た闘いが実現することとなったのである。ベルトという形で復活を証明したいアレクと、時代を戻すわけにはいかない間下。アレクには期せずしてやってきた大チャンスで、未知の闘いに臨む間下には大ピンチか。とはいえ、間下がここを乗り越えればさらなるレベルアップが期待できる。大会翌日が誕生日の“過激な仕掛人”新間寿会長に、うれしいニュースを届けたい。間下vsアレクのタイトルマッチは、SSPWの2024年を占う闘いになりそうだ。

【決戦直前!レジェンド王者間下隼人インタビュー】3・21 SSPW後楽園ホール大会でのアレクサンダー大塚戦に必勝宣言!
「タイガーマスクにはなれなかったけど、僕だって“虎”なんだ」新弟子時代からの過酷な半生を激白!

 3月21日に後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.28』にて、アレクサンダー大塚とレジェンド選手権をかけて3度目の防衛戦を行う間下隼人に話を聞いた。

 現在、初代タイガーマスク率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)の至宝たるレジェンド王座を戴冠しているのは、“初代タイガーマスクの二番弟子”間下隼人。
 間下は長年に渡って兄弟子であるスーパー・タイガーを超えることが出来ず、デビューから約16年もの間“二番手”としてくすぶり続けていた。しかし、昨年2月にはついに殻を破って団体の至宝・レジェンド王座を戴冠。将軍岡本、そしてRIZIN等でも活躍する柔術家・関根“シュレック”秀樹を倒して王座を防衛するなど新たな団体の顔として驀進している。

 3月21日に迫る後楽園ホール大会では、間下が3度目の防衛戦としてアレクサンダー大塚を迎え撃つことが決定。
 アレクは第3代レジェンド王者であり、間下にとっては初めてとなる同王座戴冠歴のある選手との防衛戦。2月16日川崎大会ではアレクが間下から直接フォールを奪って挑戦権を勝ち取っており、間下にとって連敗は許されない相手だ。
 しかし、アレクは単なる挑戦者ではなく、特別な思いのある選手だと間下は語る。

 今回のインタビューでは、『モーニング娘。』の追っかけに過ぎなかった間下青年が地獄の道場生活を経て“初代タイガーマスクの二番弟子”になるまでの半生を振り返り、アレク戦に向けての想いに迫っていく。

■「ベルトの為なら親指一本くらい安いもん」「今朝も脱臼した」――レジェンド王座のために“人生”をかける間下の覚悟と、アレクサンダー大塚への想い

――まず、間下選手にとってアレク選手はどのような選手なのでしょう
「実は、僕がプロレスラーとしての道を歩みだしてから本当にすぐにお会いしてる方なんです。自分は2006年9月15日に入門してるんですけど、9月20日にSSPWの後楽園ホールがあって。そのときにアレクさんが出てらっしゃって、佐々木日田丸さん……当時は佐々木恭介さんとの試合でしたね。挨拶の仕方も分からない状態で、続くか続かないかも分からない練習生だった自分に挨拶を返してくれて、『佐山先生の弟子としてやっていくのは大変だと思いますが、頑張ってくださいね』って言ってくれたのをすごく覚えてるんです。だから、僕にとってキャリアのホントに最初の最初から関わりのある方ですね」

――そんなアレク選手と王座をかけて闘うことになるとは当時の間下青年も思わなかったでしょうね
「ホントそうですよ。あのときは『本物のアレクだ!』って心の中ではしゃいでましたし(笑)アレクさんはプロレスラーとして総合格闘技界に先陣を切って出て行って、PRIDEに出たときもマルコ・ファスを倒して結果を出した方じゃないですか。僕は高田延彦戦がすごく好きで、結果としては負けでしたけど、プロレスラーとしての意地が見えた試合だったことを鮮明に覚えています。そういう人と巡り巡って僕がチャンピオンとして闘う日が来るのは感慨深いです。僕なんか絶対続くと思われていなかったと思いますし、僕自身もここまで残れると思ってなかったんで(笑)。少し離れていた時期こそあれど、SSPWの旗揚げから参戦されている方っていうのは多分アレクさんだけだと思うんです。僕も定期的にアレクさんと闘わせていただいているんですけど、1回も勝ててないんですよね。シングルは今回が初めてですけど、しっかり僕が超えていかないといけないと思います」

――アレク選手は約29年のキャリアを持つ大ベテランです。レジェンド王者として、文字通りのレジェンドを打ち倒していくことも使命なのかもしれません
「レジェンドと言えば、アレクさんと闘った中で覚えてるのが先生(初代タイガー)が長州力さん藤波辰爾さんと一緒にやってらした『LEGENDTHE PRO-WRESTLING』興行でアレクさんとよく対戦した記憶があります。(僕が)まだ体重も軽かったんで、ジャイアント・スイングでメチャクチャ振り回されてたな(笑)」

――今年2月の川崎大会では、アレク選手にジャーマン・スープレックスを食らって直接敗れています
「僕、シュレックさんにもジャーマンで負けてるんですよ。ジャーマンに弱いのかな……?シュレックさんとは違うジャーマンって感じがしましたね。アマレスのジャーマンと、柔術のジャーマンって違うんだろうな。こういう風に(※上に放り上げるように)投げられたんでキツかったっすね。その前のネックロックで意識無くなりそうなくらいにキツかったってのもあるんで、アレにも気をつけたいですね。ジャーマンの他にも、ドラゴン・スープレックスとかタイガー・スープレックスも使われていた記憶があるんですけど、タイガー・スープレックスだけは食らう訳にはいかないですからね。序盤戦も、レスリングから始まる試合が僕は得意ではないので。対応はできると思うんですけど、あの身体で攻めて来られると厳しいのかなって気はしますね。元々のバックボーンがしっかりされている方なので。本人は『雑草魂』とか言ってますけど、アレクさんが雑草だったら僕なんか焼け野原ですよ(笑)ぺんぺん草すら生えてないところから這い上がってきてるわけですから」

――アレク選手も、25周年時の船木誠勝選手との初シングル(2020年12月17日)で試合序盤に蹴りを受けて左腕を骨折しながらも闘い抜きました。あの気迫がアレク選手の強さなのかもしれません
「アレはヤバかったですね。あの瞬間、音が違ったんで『あっ、折れた』ってみんな同時に察したのを覚えてます。僕も1年前に真霜拳號さんとやってベルト獲ったとき(2023年2月22日)に試合中に真霜さんの蹴りを受けた親指が折れちゃって。そのままずっと試合を続けているんで実は今も治ってないんですけど……」

――今も右手親指をテーピングでガチガチに固められていますが、その怪我のせいでしょうか
「あぁ、これは今朝脱臼しちゃっただけです」

――今朝?!そんな「ちょっと転んだ」みたいな気軽さで脱臼を?!
「ちゃんと治さないまま、っていうか欠場とかもせず折れたままずっと続けてるんで。試合の度に亜脱臼を繰り返してるんで、すぐ取れちゃうんですよね」

――ちなみに、怪我の詳細はどのようなものだったのでしょう
「右母指CM関節内粉砕骨折、中指骨骨折、右母指靭帯全断裂、右母指脱臼って、一発で4つヤっちゃって。試合のときは『あっ、脱臼したな』くらいの感覚だったんですけど、終わったあとに近くの病院行ったら『ウチじゃ無理なんで大きい病院行ってください』って言われて。たまたま最寄りの大きな病院に日本に何人かしかいない指の専門医の先生がいたんです。そしたら『即手術です。引退も考えてください』って言われて。でも、僕の地元の福岡凱旋大会(2023年3月18日)が決まってたんで『それが終わるまでは手術できないです』って言ったら、『なに言ってんだコイツ』みたいな顔されましたね(笑)それで、指グッチャグチャのまま福岡でも勝って、帰って手術して、リハビリもそこそこに練習を再開してって感じでした。バーベキューみたいにされてて。串刺しみたいになってたんすよ。こんな感じです(※レントゲン写真を見せる)。これをグリグリ回しながらリハビリするんで死ぬほど痛かったですけど、仕方ないっすよね。プロレスラーなんで」

――完治の目処は立っているのでしょうか?
「無いですね。一生このままだと思います。指の中のボルトが折れて5mmくらいチタンが残っちゃってるんですよね。骨の中に埋まっちゃってるんで、取るなら骨ごと抜き取らないといけないみたいで。そんな手術したら1年や2年じゃ戻れないんで無理やり続けてて。まあ、それくらいしないと獲れなかったベルトなんですよ、僕には。親指一本くらいだったら安いもんですよ」


■「8時間かけて10,713回スクワット」「犯罪に巻き込まれてホームレスになった」――初代タイガーマスクの弟子として味わってきた“地獄”の日々と、晩成の大器を作った過酷なトレーニング

――さらりと「指の一本くらい安いもの」という言葉が出てくるのは、それこそ梶原一騎先生の劇画のようです
「周りにスゴい人たちしかいないんで、感覚がズレましたね。僕、実は思い出作りで佐山先生の入門試験受けに行ったんです。そしたら受かっちゃったんですよ。そこからが、ホントに……本当に、もう、地獄でした……」

――最初に見た地獄はどのようなものでしたか?
「入って1週間くらいだったかな?先生がお出かけになる前に『キミ、スクワットしてて』って仰って。いつまでとか、何回とかも分からなかったんで8時間くらいスクワットしてたんです。意識も朦朧としてたんですけど、回数だけは数えようと思って。10,713回です。それはまだ覚えてます。先生が道場に帰られて『キミ、何してんの?』って言われるんで『スクワットしてました』って答えたら『馬鹿かお前はッ!』って怒鳴られて……。もう歩けなくて。っていうか本当に立つこともできなくなっちゃったんで、先生がタクシー代を出してくれて寮まで帰りました。あとで見たら道場の畳がちょっと沈んでて、血と汗のシミができてて……言ってて思ったんすけど、これ劇画っすね(笑)」

――入門テストは普通だったのでしょうか
「面接のときにドアをノックして開けたら、まず目の前に金髪で入れ墨だらけの折原さん(折原昌夫)がいるんですね。ドアが閉まって密室になったときに『あっ、俺殺されちゃうんだな』って思いました。そのあと折原さんが先生を呼んだら、袴を履いて日本刀を持った先生が出てきて。そこでまた『あっ、俺殺されちゃうんだな』って思って。そのあと、折原さんに気を失うまでスパーリングでボコボコにされて。先生が気を失った僕の顔にペットボトルから水をかけて、僕が起きたら『はい、合格♪』って。……“普通”っていうか、『まあ、そんくらいは』って思っちゃうんですよね、今の僕から見たら」

――普段の練習自体も相当にキツいものだと思いますが、最初の頃はどのような練習をしていたのでしょう
「プロレスの技術的な練習よりも格闘技寄りというか、ただただひたすらに強さを追究する練習だったんです。俗に言う“ガチンコ”ですね。僕は格闘技経験なんて無いのに、いきなりスーパー・タイガーとヘッドガードもマウスピースも付けずに打撃のスパーリングをして。勝てるわけ無いじゃないですか!(笑)勝つどころか、一発もかすりもしないし、蹴られまくるわ殴られまくるわ、歯は折れるわ顔面は血まみれになるわ……今考えると本当に恐ろしい練習でした。すんごいキツかったです。そのあとに、折原さんとスクワットを3,000回やるっていう。でも、なんも知らない状態で入ったんで、それが当たり前だと思ってたんですよ。でも、デビューして1年くらいしてから他の選手と話すことが多くなってきてから『あれ?これ普通じゃないのでは?』ってようやく気付きました(笑)」

――それに食らいついていった精神力は凄まじいものがあると思います
「いや、そんなこと無いっすよ。毎日毎日寮で『どうか朝が来ないでくれ』って祈りながら寝てましたもん(笑)当時は練習中に水を飲むことも禁止だったので、吐くフリしてトイレに行ってタンクの水を飲んだりして。まあ吐く水分も無くなっちゃってたのも事実で……。入門したとき80kgで来て2週間で66kgまで落ちて、『ああ、これは死ぬなあ』と思いながらやってました。キツかったっすねえ……。少しでも空手とかレスリングとかやってればよかったんですけど、『モーニング娘。』の追っかけしかやってなかったんで。地獄でしたねぇ……」

――新弟子時代、練習以外で苦労したことはなんでしょう
「言っちゃダメな話が多すぎるんで、ちょっとマイルドなのを(笑)当時、道場の鍵は僕が持ってて。まず室外機を見るんですよ。先生がいるかいないかが分かるんで。そこが第一関門。次にエレベーターを見るんです。エレベーターが1階に降りてたら先生は出かけている可能性がある。(道場がある)2階にいたら先生がいらっしゃる可能性がある。最後の関門は、電気メーターを見る。動いてたら確実に先生はいらっしゃる。地獄の門でしたね、当時は……。それが1年続いたんで。途中で後輩ができたりもしたんですけど結局みんな辞めちゃったんで。弟子が20人くらいいたときもあるんですけど、みんな2週間も保たずにいなくなっちゃいました。僕、今でこそチャンピオンですけど、下がいないんで。今年38歳になるんですけど、ずっと若手扱いで。佐山先生はまだ僕が20代くらいに思われてるんじゃないかな?(笑)」

――「言っちゃダメだ」と思った話の中で、ギリギリ大丈夫だと思うエピソードをお願いします
「怖いんで、まあまあ大丈夫なやつで勘弁してください(笑)新弟子時代は佐山先生の付き人をやってて、かなり多めに洗濯代とか買物代とかをもらって、その余りが収入って感じで。だから、寮を出ようと思ったときに審査が通らなくて全然アパートとか借りられなかったんですよ。苦労して初めて借りたアパートに住み始めて1~2週間くらいだったかな?天井から変な黒い液体が垂れてきて。上の階の住人にクレーム入れたりしてたんですけど、いきなり警察が来て取り調べ受けて。なんか上の階の人が大麻を育ててたみたいで……。僕、悪人面じゃないですか。完全に犯人の一味扱いされて取り調べが始まっちゃって(笑)すぐに疑いは晴れたんですけど、なんやかんやでアパートを強制退去させられて、公園で寝るホームレス生活が始まっちゃって。『なんでこんな思いしなきゃいけないんだろ』って絶望しながら道場行ってたんですけど、その通り道で偶然中学の同級生に会って。その同級生が不動産の仕事してて、紹介でアパート借りられるって奇跡が起きたんですよ(笑)結局、結婚するまでそこに住んでました」

――「まあまあ大丈夫なやつ」で相当危ない話が出てきて困惑しているのですが、これ以上の地獄があった……?
「これ以上は本当に言えない話しか無いんで、残りは墓まで持っていきます(笑)」

■「なんでプロレスの練習しないの?」――初代タイガーの衝撃発言から急飛躍!ジャガー横田&日高郁人の指導で“プロレスラー”として覚醒

――間下選手はここ数年で身体も大きくなり、試合内容も格段に良くなってレジェンド王座戴冠まで果たしました。この飛躍にはどのような理由があるのでしょう
「3年くらい前ですかね。先生が『なんでプロレスの練習しないの?』って仰ったんですよ。僕ら、ガチンコの練習しかしてなかったんで。トレーニングに関しても『なんでウエイトしないの?』って。まあ、結果的に先生が高く評価なさっている日高郁人コーチが就任なさって、プロレスの練習とウエイトトレーニングが解禁されて。初めて他団体の選手がしてきたような練習を経験して、『あっ、初めて“プロレス”を習ってるな』って感覚になりましたね(笑)」

――佐山先生から受けてきた“闘い”のための修練が前提としてあった上で、日高コーチの指導によってブレイクスルーが起きたということですね
「まさにそうですね。細かい力の使い方が分かったというか。ベンチプレスも始めて2年くらいで150kgまで上がるようになって。日高さんにフォームの指導をしてもらったらどんどん上がるようになって、150kgも行けるかなと思ったら行けちゃったんで僕もビックリしました。まだまだ上の重量も行けそうなんで頑張っていこうかなと」

――ベンチプレス150kgというのは簡単に到達できる領域ではないと思います
「でも、先生に報告したら『150はスタートラインだから』って(笑)先生は僕よりも全然軽い体重で200kg以上挙げていたわけなので、僕もまだまだ修行が足りません」

――同じ頃にジャガー横田選手も女子マッチのプロデューサー&相談役として参画しました。ジャガー選手からの指導もあったのでしょうか
「ジャガーさんにも本当に良くしてもらってて。初対面で『アンタは身体も大きいんだから遠慮しないでちゃんと行ったほうが良い』『遠慮してる内はアンタは今より上に行けない。いいもん持ってるんだから自信を持て』ってご指導くださって。周りがスゴい人ばっかりだったんで、僕は自信っていうものを欠片も持てずにずっとやってたんですけど、『あのジャガー横田が「自信持て」って言うならちょっと持ってみようか』って思えて。佐山先生が僕の基礎を作ってくださって、その上に日高コーチが技術を与えてくれて、ジャガーさんが精神面のリミッターを外してくれた。本当に、偉大な皆さんのおかげで今の間下隼人があるんだなあとしみじみ思います。先生は僕のことなんて切ろうと思えばいつでも切れたはずなのに、見捨てずに今でも近くに置いてくださっているので。もっともっと成長した姿を先生に見ていただきたいです」

■「タイガーマスクにはなれなかったけど、僕だって“虎”なんだ」――団体を背負うチャンピオンとしての危機感、コンプレックスを力に変えて前に進んでいく覚悟

――長い長い下積みを経て、37歳でようやくプロレスラーとして完成してきたという印象があります
「僕も年齢を重ねてきましたけど、上がスゴすぎるんですよ。まだ若虎としては若頭補佐的な役割というか(笑)SSPWを見渡すと、将軍岡本選手ですら僕より上ですし、関本大介さんも上、シュレックさんも50ちょっと、アレクさんも52歳。闘う人が一回りは上なんです。僕が上の人たちを超えていかないと、結局この新調されたベルトの価値も上がっていかないんです。おこがましいかもしれないですけど、僕が団体の時計の針を進めたと思ってるんです。僕ももうそんなに若くはないですけど、40代~50代で回ってたこの団体で新たな流れを作り出せたなと。ここで負けたら時間を戻しちゃうことになるんで、僕が勝って、勝って、針を進めて進め続けないと団体の発展はない気がしてるんです」

――そのために、アレク選手を超えなければならない
「ちょっと言い方は失礼かもしれないですけど、このカードが決まったときに周りから『なんで今アレクなの?』って言われたんです。でも、多分今なんです。今しかないんです。僕が遅かったとか、アレクさんが早かったとかじゃなくて、このタイミングでアレクサンダー大塚と闘えるというのは僕にとってプロレスだけじゃなくて人生にとってプラスになるという確信があるんです。さっきも言いましたけど、アレクさんがマルコ・ファスを倒したときに、僕は本当に勇気をもらったんです。そのときにもらった勇気の恩返しをしたい。その気持ちに尽きますよ」

――間下選手からは団体を背負う“責任感”というより、現状を変えたいという“危機感”の方を強く感じます
「仰るとおりです。SSPWのファンって、佐山先生を見に来てるんですよ。当たり前のことですけど。その中で、『佐山先生が戻られるまで間下の試合を見よう』って思われる選手にならないといけない。タイガー・クイーンが出てきたときに『これはまずい』と思ったんです。僕らがやらなきゃいけなかったことを一晩でやっちゃったんですから。今は『クイーンの試合を見よう』って思われる選手になってるじゃないですか。それで女子も伸びてきて、今大会でも男子と女子で3試合ずつってカード編成になってますけど、僕はこれに納得してない。しちゃいけないと思ってて。ジャガーさんのネームバリューにはどうやっても勝てないですけど、試合内容だけは負けないように……。いや、気持ちの上でも負けずに本気で嫉妬して、反骨心をむき出しにして、全力で噛み付いていかないと女子に負けちゃいますよ。俺は、妹弟子にだって負けたくないんです」

――最後になりますが、改めてアレク戦への意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします
「純粋な実力面では、アレクさんの方が上だと思います。ただ、SSPWのお客さんは僕の下積み時代をずっと見てくれた方も多いんで支持率は僕が勝ってると思います。『間下、よくここまで頑張ったなあ』って思いで応援してくれてるファンの方の気持ちは裏切れないんで、死ぬ気で勝ちにいきます。僕はチャンピオンとして、佐山先生がリングに帰られたときに『間下、よく頑張ったな。よく持ちこたえてくれたな』って言っていただけるような試合をしていかないといけないんです。僕はタイガーマスクになれなかった人間です。ただ、マスクを被ってないだけで僕も“虎”なんだってことをリングで証明します。3月21日は是非後楽園ホールにお越しください!」


❝解き放たれた怪物❞関根“シュレック”秀樹インタビュー【『闘魂を背負ってるか俺が査定してやる!』澤田敦士とヘビー級対決を行う関根“シュレック”秀樹が語るストロングスタイルプロレスでの戦い】

 某日、3月21日に後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.28』に出場する関根“シュレック”秀樹が試合にかける思いを語った。

 関根“シュレック”秀樹は、警察官を経て柔術家としてプロのリングに上がるようになり巌流島などで活躍。若かりし頃にプロレスラーを志した夢を諦めることが出来ず、盟友・佐藤光留の主催するハードヒットにて2018年7月にプロレスラーデビューも果たした。

 最近ではRIZINでの活躍が知られ、ベイダーマスクを被り、入場するという“プロレスラー”としての愛と誇りを以て試合に臨む姿が話題に。エモーショナルな試合内容やマイクなどが格闘技ファン・プロレスファンの心を打ち、今のシュレックは日本人ヘビー級MMA選手で最も人気の高い選手の1人になっている。

 アントニオ猪木さんの追悼興行『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』に“令和猪木軍”のメンバーとして出場するなどストロングスタイルの魂もその胸に秘めているシュレックの闘いぶりは初代タイガーマスクや“過激な仕掛け人”新間寿も認めるところであり、昨年12月にはストロングスタイルプロレスの頂点であるレジェンド王座にも挑戦した。惜しくもベルトを手にすることはできなかった関根は、本大会では第2試合で日高郁人と組み澤田敦士&政宗と対戦。
 IGF出身である澤田とのヘビー級対決に注目が集まる中、関根は世間を賑わす“闘魂”のあり方を問うた。

■プロレスと格闘技とでは勝負の価値観が違う

ーー現在ストロングスタイルプロレスにほぼレギュラー参戦されています。その立場になられた事に関してどう思っていらっしゃいますか?
「やっぱりフリーでやっているとレギュラー参戦させてもらえるのはすごいありがたいですね。プロレスラーの表現というものは、1回の試合で表現することもあれば1年通して戦って表現していくという事もあるので、参戦を通じての戦い方をファンに見せられるのはすごいありがたいですね」

ーー連続した参戦の中で日高選手とのタッグは3回目となります。息もあってきた部分も出てきたのではないかと思うのですが
「息あってきてますかね?(笑)日高選手は僕らとは毛色が違うプロレスラーで、自分はリアルな格闘プロレス。日高さんはスタイルが異なるので、その部分でどう融合していくかという部分は課題ではありますよね」

ーー日高選手とお話されて学ばれた事などありますか?
「控室でもプロレス界の大先輩ですから色々教えてもらうこと沢山ありますね。プロレスラーとして競技としての格闘技とは異なり、もっとお客さんを意識したほうがいいという事は教わりました。入場であったり技を決めたあとの間だとか、説得力だったりであるだとか。やっぱり勝負の価値観が違うのでプロレスと格闘技とでは。格闘技は競技として勝敗を決するわけじゃないですか?勝利へのベクトルが全てではあるけど、プロレスは説得力なんですよ。わけわかんないうちに勝つのではなくてお互いの根比べだったり、誰にでもわかる決着というのが一番いいわけであって。終わった後に『え?あいつ勝ったの?』ではいけないと思うんです。なのでお互い死力を尽くして、勝てるところで勝つんじゃない、全てを出して自分も相手もお客さんも納得して勝つ。お客さんがわからないものは勝ちではない、わかりやすい技の説得力や強さっていうものを間を通じてだったり、畳み掛ける攻撃も分かりづらいものだったら待ってという部分の大切さですね」

ーーそういう点では今回の対戦相手の政宗選手は関節技であったり打撃であったり変幻自在なファイトスタイルでやりづらい相手ではあると思います
「そうですね~・・・自分の場合は正直言うと関節技なんていうのは僕に通じるわけがないと思ってますよ。サトシ(・ソウザ)とかクレベル(・コイケ)とか格闘技界でも柔術界でも世界と戦ってきた相手とやってきたわけで、試合でもほとんど一本獲られてきてないですよ。そう考えたら獲られるわけないんだけど、プロレス特有の間だったりだとか、競技だったら勝利に直線的に行くところを回り道して最終的に勝つのがプロレスだと思うんですよね。そういった部分の価値観の違いでくらっちゃう事はあるのかもしれないですね。予想がつかない攻撃で」

ーー政宗選手は自分の世界観で相手のカラーを染めていくタイプでもあるのでもっていかれてしまうかもしれませんね
「自分としてはやっぱり日高さんに政宗は任せて、ヘビー級はヘビー級同士、澤田さんぶっ潰したいという思いはあるけど、それってタッグじゃないので。ここが難しいところですよね」

■澤田敦士にアントニオ猪木を感じたことありますか?

ーー今言葉にもあった澤田選手とのヘビー級のぶつかりあいがお客さんも期待しているところだと思います。澤田選手にはどのような印象がありますか?
「昔IGF出てた選手で、今議員さんですか?練習してんの?って感じですね(苦笑)練習せずに出てきて痛い目あっても知らないよって。柔術家でしたっけ?俺も柔道やってますからね(苦笑)」

ーー澤田選手は猪木イズムの継承者でもありますが
「澤田選手から闘魂を感じたことないですね、イメージも。感じたことありますか?闘魂というよりは澤田さんに猪木さんを感じたことありますか?それははっきり言わせてもらいますよ。世間の猪木ファン、社会で戦ってるサラリーマンのほうがよっぽど闘魂背負ってると思いますよ俺は」

ーーそういう意味では関根選手の中にも闘魂はあると
「自分は猪木さんのもとではやれなかったですけど、小学校から知った闘魂を背負ってずっと人生を渡ってきましたから。機動隊の時だって、上司の分隊長とかも『元気があればなんでもできる』って普通に言って訓練やってましたからね。『道』だってそらで暗唱できますよ機動隊は」

ーー猪木イズムとしても負けられないですし、ストロングスタイルプロレスの中での重量級最強を見せるうえでも負けられない戦いですね
「澤田さんに見せてほしいですよ意地を。自分は警察辞めて今格闘技とプロレスを専業でやってますよ。議員さんに出来るんですか?って。見せてくださいよ」


■団体の中で女子と男子のライバル関係があってもいい

ーー今のストロングスタイルプロレスの中でのモチベーションはいかがですか?
「やっぱりベルト欲しいですよね。僕らからするとアントニオ猪木っていうレスラーが一番強くて、ちょうど自分が保育園の頃にアステカイザーっていう特撮物が新日本プロレス全面協力であって、それでプロレスを知ってその後タイガーマスクのブームが来て。ほんとにあの頃のストロングスタイルがあるのがこの団体なので、自分の人生の答え合わせみたいなものがこの団体にあるので、ベルトは欲しいですね。その部分で真霜(拳號)さんに負けて間下さんに負けて、やっぱり積んできた重さを感じましたから。単純に格闘技でやったら俺のほうが強いけど、プロレスはそうじゃないです、積んできたものですよね。真霜さんにしたってそうですよ。積んできたものの差でギリギリじゃなく負けたと思ってます。多分何回やっても負けると思いますあの時点では。だから次は負けないように自分は積んでいかないといけないなと、その階段を下まで落ちたところですよ今は」

ーー今回の試合はその一歩目として踏み台になってもらうと
「踏み台というか次のいつくるかわからないタイトルマッチに向けて、この土台部分をおろそかにしてはいけないので。澤田選手をしっかり丁寧に潰していかないといけないなって今は思いますね。踏み台じゃないですね、今同じ位置にいるから対戦が組まれたわけで、団体からしたら『今澤田とお前は同じ位置なんだよ』って事で第2試合で組まれてるわけですから。ほんとにフラットな立場で組まれているので、しっかり丁寧に潰して土台にします」

ーー最近のストロングスタイルプロレスは女子の試合が多く、先日関根選手が挑戦したタイトルマッチがセミで女子の試合がメインになることもありました。そこに関して思うところはありましたか?
「女子だ男子だと今そういう事言っちゃいけないですね。これは単純に男子も女子も同じなんだから、タイトルマッチを行うってなった時に格で、タイガークイーンは自分たちと同じかもしれないけどやっぱりジャガー(横田)さんたちがどう考えたって格上ですから。これはしょうがないと思います。自分はちゃんと見れなかったですけど、いろんなマスコミやファンの話からしても僕らのセミ、ストロングのタイトルマッチよりそれ以上のものを見せてくれたと思うんで、悔しいとかそういうのじゃなくてどう思うかじゃなくて越えられる試合をしていかなきゃいけないなって。女子と男子じゃないですね。これは逆に言ったら僕らがメインでやった時に下手をすると『セミが良かったけどメインはダメだった』ってなった時にどえらい事になるんで。それはジャガーさんたちもプレッシャーになったと思いますよ。実際僕らも前回いい試合したから今回男子がメインになってるんで、やっぱりお互い意地を持って、男だ女だというのはナンセンスなのかもしれないけど、やっぱり違うタイトルなんだからそこでもライバル関係あってもいいのかなと。今回男子がメインだったから女子が『次は私達がメインをとる』ってすごくいい効果が生まれてるんじゃないかな。実際ストロングスタイルプロレスのお客さんは選手の目から見ても増えてるし、熱が違うと思います。自分がスーパーとやった時のシングルもそうだし、真霜さんの時もそうですよ。それよりも間下くんとやったタイトルマッチの方がすごい声援が聞こえたしお客さんの熱が戦っている自分たちにも伝わってきたし。これは本当に女子もあわせて一生懸命やってきた結果なのかなと思いますよね」

ーー関根選手から見て今のストロングスタイルプロレスの魅力はどこにありますか?
「・・・思いっきり殴ってもいい!間下くんにしろスーパーにしろ、船木さんもそうですよ。俺を思いっきりぶん殴ってますからね掌底で。俺だって、間下に渾身のジャーマンでしたよ。あんな渾身のジャーマンなかなかやらないですからね(笑)奴らがやってくるから俺もやっていいやってなるし、船木さんの掌底もテンプルに思いっきり入ってますからね。景色が回りましたから」

ーーよく意識を保てましたね
「しょうがないですよ。船木さんの全てを受け止めるって言ってしまったので」

ーーその中で改めて今回の試合で見せていきたいものというのはなんなのでしょうか
「俺はストロングでもそうですし他でもそうですし、毎日厳しい練習もしてるし、試合もRIZINでもシュートボクシングでもきつい試合してるし、そこの違いを澤田選手に見せていきたいですね。お客さんにも。戦ってるんだと。お前戦ってるのか?ちゃんと闘魂背負ってんのか?っていうのをね、逆に問うていく戦いですね。試合の中で彼の闘魂が蘇ればいいのかなって。どうも見えないんでね彼には闘魂が。弟子として居たことは間違いないかもしれないけど、弟子としての経歴があるだけで今闘魂背負ってるのかい?他にもいるじゃないですか、鈴木秀樹、藤田和之、みんな背負ってるじゃないですか。お前背負ってるのかい?俺が査定してやるよ」

 プロレスを愛してプロレスラーとなった関根にとって、アントニオ猪木、そして闘魂には譲れない並々ならぬ思いがある。
 闘魂の継承者としてプロレスと政治の双方でアントニオ猪木と接してきた澤田。その闘魂を“査定する”関根が見せる新たなストロングスタイルでの戦いに注目だ。

■席種・料金:
VVIP席(最前列・特典付):15,000円/VIP席(特典付):12,000円/
RS席:8.000円 /A席:6.000円/B席5.000円/
トライアルシート:3,000円/レディースシート(北側:女性限定):3,000円
■チケット発売所
e+(イープラス)https://eplus.jp/tiger/ (PC&スマートフォン)

【ご留意事項】
※37.5度以上の方、ご体調不良の方はご入場いただけません。
※咳エチケットにご協力をお願いいたします。
※こまめに手洗い、うがい、手指消毒をお願いいたします。