[週刊ファイト3月14日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼NXTアスカKairi-ライラTパクスリー トニーD“HIM”TウィリアムスSaga
(c) 2024 WWE, Inc. All Rights Reserved. 編集部編
・SmackDownが週間ランキング4位!データ数字が示すアメプロ超黄金時代
・テイタム・パクスリー恋愛感情ライラ・ヴァルキュリア ロクサーヌ腕襲撃
・Roadblockハチャメチャ金網 ダイジャック-ジョー・ゲイシー精神異常者
・望まれWolf Dogs継続BコービンBブレイカー、チェイスU蹴散らして
・タイ・デリンジャー”10”でなく ショーン・スピアーズとしてAEW⇒出戻り
・Iron Survivor Challengeファロン・ヘンリーお返しブレア・デボンポート
・トニー・ディアンジェロ挑戦者決定カーメロ・ヘイズ下すもTウィリアムス
■ NXT Roadblock 2024
日時:3月5日(現地放送時間 日本WWEネットワーク木曜以降)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center
大リーグが開幕してないこともあるが、『レッスルマニア』に向けてアメプロ超黄金時代の勢いが止まらない。今週、WWEのコンテンツが地上波、ケーブル全部を含めたあらゆるエンタメ番組のトップに躍り出た。地上波FOXの金曜夜8時SmackDownは世界で最も稼ぐハリウッド俳優ロック様がこの時期は出ている。なので一週間(2月26日-3月3日期間)の総合ランキングでも4位。上位3つは地上波ABC放送のバスケNBAやNASCAR自動車レースなので、エンタメ番組としてはマジに1位なのである。
月曜夜RAWはケーブルUSAネットワーク放送なので、ケーブル内では当然ぶっちぎりの1位。AEWのDynamiteが11位、(※後述する)正直中身に乏しかった先週のNXTが33位なんだから、唖然とするほかない。繰り返すが、ニュースや人気ドラマを全部含めてである。3月5日は米大統領選のSuper Tuesdayなので、NXTは『Roadblock』特番仕様をぶつけるしかないのだが・・・。
エンタメ番組カテゴリーに絞るならDynamiteが4位、NXTは15位になる。プロレスも格闘技も、日本も海外もカバーする本誌が、なぜに近年アメプロを焦点としてきたかおわかりだろう。専門媒体として、グローバルなマット界をカバーする前提なら、そのようにしないと正確な業界分析が出来てないことになりかねないからだ。
もっともそうなると、ますます頑固一徹の自称マニア層は、なんとでもファンタジー活字がやれてしまう昭和プロレスのレトロ回顧談義に逃げ込んでしまう傾向がある。そこで例えば、”蛇の穴”を現代に蘇らせる米国版Blackpool Combat Clubだの、大英帝国の遺産を継承するヘリテージ杯を奪取したチャーリー・デンプシーの、リングネームの由来にも言及することになった。
実際この回では、チャーリーの勝利を祝うドリュー・グラック先生らNo Quarter Catch Crewの4人に対して、番組上は息子だと公表していないウィリアム・リーガルが出てきて、「欧州からアメリカに来た偉大なる各レジェンドたちの名誉と品位に賭けてこの称号は・・・」と釘をさすセグメントが挿入。AEWを抜けてWWEに戻る際に「TVに出ないことを条件に」だったが、どうやらそれは昨年末までの条項だったようだ。
さて、番組の順番ではちょうど1時間目と2時目のまたぎの中盤に、アスカとカイリ・セインのタッグ王座防衛戦となった。先にそれから紹介しないと読者に怒られてしまう。
テイタム・パクスリー恋愛感情ライラ・ヴァルキュリア ロクサーヌ腕襲撃
カブキ・ウォリアーズがNXTに凱旋することは早くからわかっていたことだが、どのタイミングが相応しいかと、対戦相手をどのチームにするかである。先週の番組がチグハグに感じた理由の1つに、テイタム・パクスリーはライラ・ヴァルキュリアに恋愛感情を抱いているが、アイルランド戦士のライラはストレートなので、迷惑がっているという大河ドラマを延々とやっておいて、王座盗りという大義のためにタッグを組ませるのか、という疑問があった。
もう少しは、ライラがテイタムを認めて、「なら組みましょう」という仕込みのクッションがあるべきなのに、これでは視聴者が混乱してしまう。第一、誰一人として王座交代になるなんて夢にも思ってない課題もあろう。
かといって、日本の読者向きならSmackDown-RAWでやってる「カブキ・ウォリアーズ防衛!をやれよ」と思うかもだが、あちらはまさにライト層お茶の間向きのTVマッチなんで、そもそも尺が短いから専門媒体が評するマッチメイクではない。それに今は、ABEMAで日本語実況版が手軽に見れるんだから、本誌が紹介すべき内容ではないとなる。
ということで、ライラが一人でがんばる展開にはなるが、案の定、リバースDDT⇒インセイン・エルボーの連携にテイタムが沈みます。
しかし、それだけだったら特番『Roadblock』にならない。ロクサーヌ・ペレスがライラの右肩をコーナー・ポストに何度も打ちつけ、さらに左手を破壊して担架で運ばれ救急車に消える進行に。ようやく一般の視聴者も、ロクサーヌがヒール転向していることを理解したのかもでした。
Roadblockハチャメチャ金網 ダイジャック-ジョー・ゲイシー精神異常者
順番を戻してダイジャクとジョー・ゲイシーの延々と続く抗争の数え唄シリーズ。今回は金網戦かつ武器使用ありだったのだが・・・。
長身大型のダイジャクが金網上からムーンサルトは絵になるんだが、ゲイシーの顔に当たっていたような(笑)。さらには映画ジャック・ニコルソン主演『カッコーの巣の上で』なのか、はたまたShock Rockアリス・クーパー公演の精神異常者が着せられる手が動かせないジャケットにくるまれるゲイシーさん。ハチャメチャぶりに興奮というよりは、笑ってしまうんですけど。
「開けるな」と書いてある蓋を取ると、パンチング・グローブのビックリ箱だったとか、事実、笑いを取ることも構成要素にしている。まぁCZWの重鎮だった頃からジョー・ゲイシー見ているけど、アイデアマンなのはわかるんだが、最後は名称フィースト・ユア・アイズで、また自分が寝るのでありました。やはりマゾヒストですな。
望まれWolf Dogs継続BコービンBブレイカー、チェイスU蹴散らして
有料記事箇所には何度も指摘済みだが、ブロン・ブレイカーも給料面ではSmackDown-RAWなんだが、同じくメインルースターであるバロン・コービンとのコンビが結構よくて、タッグとして機能しているんでNXTに出続けている。すでに独立した番組として高額の放送権料を得ているNXTかつ、昔から見ているWWEフォロワーはむしろNXTを熱心に毎週見る状況になっているから、メインに出てくるカーメロ・ヘイズや、マニアが年間最高選手だと評するイリヤ・ドラゴノフ他、実際はもう、好みに応じて単にブランド分けしているだけになっている。
事実、NXTは年間の放送権料が70%upで今年の10月からCWネットワークに移籍するわけだが、RAW放送権年間$265MMから倍額の$500MMになるのを皮切りに、最終的には10年で$5.2 billion(邦貨約7800億円)になろうかというNetflixに集約されていくらしいとの道順が決まっている。親会社TKOのマーク・シャピーロ代表が、「CW局との契約終了後のNXTの放送権料がビジネス上の優先課題だ」と、3月6日に行われたモーガン・スタンレーでのコンファレンスで明言した通りなのだ。
▼RAW放送権年間$265MMから倍額$500MM将来は全体の10年契約
そんな状況下で、同じくすでに給料面ではメインルースターになっているダイジャクなんかも、NXTの信奉者が好む人材なんだから、出戻ってこっちに出向している経緯になる。
ちなみにこのカード、チェイスUも解散させるには惜しいとなって、番組上はジェシー・ジェインが資金を集めて存続が決まったことになっているが、しかしジェシーは、ティア・ヘイルちゃんをおいてきぼりにしてジャズミン・ニックスとつるんでいるというスキットが進行中。伏線も備えたマッチメイクなのだ。
試合は、コービンのディープ・シックスからブレイカーの突進スピアーのフルコースでWolf Dogs勝利となるが、番組後半というか、まさにカブキ・ウォリアーズの試合中のPicture in Pictureにて、ティアちゃんがバックステージでやられている絵が挿入されてました。
どうなるチェイス大学。はい、今のWWEはNXTで実験されて好評だったカードやアングル進行を、そのまま焼き直して一般大衆向きのSmackDown-RAWで再現する作りなので、どういう大河ドラマだったかは、あとから試験に出るので重要なのであります(笑)。覚えておきましょう。