キンボ・スライスがケン・シャムロックにKO勝ち!6・19『Bellator 138: Unfinished Business』

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 2015年6月19日にミズーリ州セントルイス『Bellator 138: Unfinished Business』が開催された。
 UFCに次ぐ世界第二のMMA団体であるベラトールのビッグマッチとなっており、メインイベントには、因縁のキンボ・スライス対ケン・シャムロックという超ど級のカードが組まれた。キンボ・スライスは、ユーチューブで喧嘩の動画を流して一躍注目を浴びた喧嘩屋ファイターだ。そのゴリラの様な風貌はアメリカ人が望む粗暴な黒人の典型であり、MMAデビュー。アスレチック協会が認めないのでエキシビジョン扱いになったが、MMAデビュー戦では、のちに元UFCヘビー級王者ティム・シルビアを一撃で沈める事になる、ボクシング元WBO世界ヘビー級王者というレイ・“マーシレス”・マーサーを秒殺ギロチンチョークで仕留める。そして、MMA団体としては初の全米地上波進出したエリートXCのエースとして、同じ喧嘩屋タンク・アボットにも勝利し、その人気を不動のものとした。エリートXC崩壊後は、UFC入りし、リアリティ番組「ジ・アルティメット・ファイター」に登場。シーズン1を抜きにすれば、このキンボが登場したシーズン10が最も高い視聴率を誇っている。UFC離脱後はボクシングに転向していたが、ここにきてベラトールの切り札としてMMA復帰となった。

 対するケン・シャムロックは言わずと知れたUFC殿堂者にして、元パンクラス王者。ホイス・グレイシーと並び、総合格闘技のパイオニアである。シャムロックと言えば10年以上にも渡るティト・オーティスとの抗争が有名で、3度行なわれた直接対決ではいずれもシャムロックが敗れているものの、UFC中期のドル箱カードとなっていた。そのティト・オーティスも現在、ベラトールに所属しているのだから、因縁がどこまでも深いという感じだ。

 このキンボとシャムロックの両者は2008年にエリートXCで対戦が決定していたものの、シャムロックの怪我で試合が流れている。こうした経緯もあり、最終決着戦という事で遂に実現となった。シャムロックの入場は、あのロード・ウォリアーズのアニマル・ウォリアーとシャムロックの家族が一緒に入場するという豪華さだ。試合はシャムロックが打撃勝負を避け、すぐに組みつき、なんとかテイクダウンしてチョークを極めかけたものの、キンボは必死で耐えタップしない。なんとか脱出したキンボがパンチラッシュ!これでシャムロックがダウン。レフェリーがストップして、キンボが逆転のKO勝ちとなった。

 セミファイナルではフェザー級王座戦で、王者パトリシオ・フレイレが挑戦者ダニエル・ワイチェルを迎え撃った。試合は1R終了直前にワイチェルがパンチラッシュであわやKOという場面を作るがラウンド終了にフレイレが救われる。そして2Rもワイチェルが前に出るもフレイレのカウンター、左フックが見事に命中し、ワイチェルをKO。フレイレが逆転のKO勝利で王座防衛を果たした。

 また、元WWEのスーパースターで、TNA世界ヘビー級王座、ECW世界ヘビー級王座など輝かしいプロレスでの実績を持つボビー・ラシュリーも参戦。過去に敗れているイギリスの“マッスル・グレートブリテン”ジェームス・トンプソンと再戦する事になっていたのだが、トンプソンが怪我で欠場。代打で、ダン・チャールズと対戦となった。チャールズも現在ベラトール2連勝中で決して簡単な相手ではない。しかし、ラシュリーは危なげなく、すぐにテイクダウンを奪い、その後もバックを制し、何度も投げてはパウンド連打。2Rもまったく同じ展開で、チャールズが敗者のポジション、亀の体勢で頭を抱えると遂にレフェリーがストップ。ラシュリーがTKO勝利で実力を見せつけた。

 番組オープニングは元ライト級王者マイケル・チャンドラーが登場。最大のライバル、エディ・アルバレスに敗れたあと連敗しているチャンドラーだが、今回は完全復活。デリック・カンポスから右パンチでダウンを奪うと、その後も圧倒。最後はチョークで仕留め、見事な勝利で復活の狼煙をあげた。

 ちなみに、ベラトールは同じくスパイクTVが放送している世界最大のキック団体グローリーと共同大会を開催する事を発表している。大会名はなんと「ダイナマイト!」で、第一弾カードとしてライトヘビー級王座戦、王者リアム・マクゲリーにティト・オーティズが挑戦する事が決定。更にフィル・デイビス、キング・モー、エマニュエル・ニュートン、リントン・ヴァッセルの4人によるライトヘビー級王座次期挑戦者決定ワンナイトトーナメントも行なわれる。また会場には、MMAを作ったパイオニア、ホイス・グレイシーや、皇帝エメリヤエンコ・ヒョードル、元アメフトのスターでMMAデビューも果たしたハーシェル・ウォーカーなどレジェンド達も招かれており、豪華なものとなった。

■ Bellator 138: Unfinished Business
日時:2015年6月19日
場所:アメリカ・ミズーリ州セントルイス

<メインイベント ヘビー級>
○キンボ・スライス
 1R 2分22秒 TKO
●ケン・シャムロック

<セミファイナル フェザー級タイトルマッチ>
○パトリシオ“ピットブル”フレイレ(王者)
 2R 0分32秒 TKO
●ダニエル・ワイチェル(挑戦者)

<ヘビー級>
○ボビー・ラシュリー
 2R 4分14秒 TKO
●ダン・チャールズ

<フェザー級>
○ダニエル・ストラウス
 2R ギロチンチョーク
●ヘンリー・コラレス

<ライト級>
○マイケル・チャンドラー
 1R 2分17秒 リアネイキドチョーク
●デリック・カンポス

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