2022年に新宿、たかの台、東久留米の3地区で開催された商店会プロレスシリーズ『闘強商店会プロレス』が約1年振りに帰ってきた。開幕戦の舞台となった新宿末広通り商店会大会は開始直前まで雨に降られたものの、公式発表で観衆500名が集う大盛り上がり。過去の末広通り商店街プロレスでは考えられない女子プロレスのメインイベントとジャガー横田参戦のサプライズは、『闘強商店会プロレス』シリーズに期待を抱かせるには十分すぎる程の内容だったのである。
［週刊ファイト10月5日号］収録 ［ファイトクラブ］公開中
▼ジャガー横田新宿末広通り降臨！ 『闘強商店会プロレス』開幕戦
photo & text by 鈴木太郎
・事前情報ほぼ皆無も盛り上がった会場の怪
・大御所参戦サプライズは、不安定天気で訪れた観客へのプレゼント？
・ベテランvs.若手オープニングタッグ軍配ツトム・オースギ&バナナ千賀
・トランザム★ヒロシ異色タッグ藤原秀旺”最高Mystery”黒田哲広&謎面
・たまプロタッグ王座決定戦G石島&尾崎妹加戴冠も過る防衛0ジンクス
・世羅りさ参戦で透けて見えた、たまプロタッグ王座移動の不文律
・新宿区長「すごい試合！」大感激 サプライズ参戦 ジャガー横田大活躍
・若手の攻撃を全て受け止め圧倒したジャガー横田の凄み
■新宿三丁目末広通り商店会 『闘強商店会プロレス～三都物語～』
■日時：2023年9月23日（土・祝） 10:00開始
■会場：東京・新宿三丁目末広通り商店会
■観衆： 500人（超満員）
新宿、たかの台（小平）、東久留米の各商店会がタッグを組んで2022年に開催した『闘強商店会プロレス』が、1年ぶりに帰ってきた。とはいえ、SNSの公式アカウントから正式発表されたのは、開催まで残り1週間を切った時期のこと。今シリーズの開幕戦となった9・23末広通り商店会プロレスも、9月頭に選手がSNSで発表した参戦スケジュールから判明するなど、SNSで大会などの情報を逐一告知する近年の流れから逆行したような有様だ。それでも、リングが設置された新宿三丁目駅C3番出口近くの十字路には、早朝開始にもかかわらず、開催される度に毎回100名以上の観客が集う根強い人気を持っている。
そんな今大会は、いつもの末広通り商店会プロレスとは趣が異なっていた。全4試合で必ず1試合は組まれていたシングルマッチも、ここ最近の第2試合を彩っていたコミカルマッチも今回は皆無。何より驚かされたのは、この日のメインイベントだ。闘強商店会プロレスを中心に防衛戦が行われてきた『たまプロタッグ王座戦』ではなく、女子プロレスのタッグマッチ。それもジャガー横田が参戦するというのだから、会場中のどよめきも一際目立っていたのである。
サプライズにしては勿体ないと思われる大御所の参戦も、直前まで小雨が降る不安定な天候にもかかわらず、会場に足を運んだ観客へのプレゼントだったのだと筆者は理解した。このような女子プロの試合は、過去にアイスリボンが提供試合として組んだ実績があったものの、網倉理奈を除いた3選手は(恐らく)末広通り商店会プロレス初参戦ということもあり、新鮮さが漂う。普段なら早朝の新宿という非日常的空間かつアンダーグラウンドな雰囲気を醸し出している大会にあって、この日は外に開いている空気も感じられた。
『闘強商店会プロレス』は、10・1東久留米、10・9たかの台と場所を移して開催される。未だに参戦選手の詳細は不明で当日までカードが判明しない状況は充分に予想されるが、たまプロタッグ王座戦の防衛戦が組まれ、マスクドミステリーの王座挑戦は決定済（パートナーはX）。また、選手個人の参戦スケジュールから、東久留米とたかの台の両大会に世羅りさの参戦も判明している。商店会プロレスとの接点が薄そうな世羅が参戦する時点で、今回の商店会シリーズはいつもと異なる新鮮な風が吹いている事を感じさせた。
果たして、残り2戦でどのような動きを見せるのか？ 次戦の10・1東久留米駅前商店会大会は、11:30より成美グリーンホールで開始となる。
ベテランvs.若手オープニングタッグ軍配ツトム・オースギ&バナナ千賀
ベテランvs.若手オープニングタッグ軍配ツトム・オースギ&バナナ千賀＜第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負＞
○ツトム・オースギ バナナ千賀
（4分56秒 横入り式エビ固め）
●瀧澤晃頼 竹田光珠
オープニングからSOS（ツトム・オースギ&バナナ千賀）が登場したタッグマッチ。若手実力派の竹田光珠と瀧澤晃頼を迎え撃ったが、若手勢が互角の闘いを見せてベテランに喰らいつく。
しかし、瀧澤と竹田がトレーニング用のチューブを巻き付けた右腕でサンドイッチ式のラリアットを狙うも誤爆。この隙を突いたベテランタッグのSOSに軍配が上がった。