[ファイトクラブ]早朝開催も大盛り上がり怪!末広通り商店会プロレスの非日常を観よ

 定期的に開催される日本のプロレス興行で、一番早い時間帯に行われる大会がある。新宿末廣亭が代表的な新宿末広通り商店会で行われるイベントプロレスの開始時間は、何と朝の10時30分。
 そんな朝早くの大会にもかかわらず、リングの周囲は人でごった返す大盛況を見せる。SNSでの事前告知が少ないものの、行けばハマるであろう末広通り商店会プロレスは必見だ。


[週刊ファイト6月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼早朝開催も大盛り上がり怪!末広通り商店会プロレスの非日常を観よ
 photo & text by 鈴木太郎
・早朝開始も100人前後の観客!唯一無二のイベントプロレス
・好きなプロレスを市井に広めんとする意気込み
・イベントプロレスで圧倒的非日常感!末広通り背景に戦う唯一無二の景色
・飲食店や駅の看板と、プロレスの共演
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■新宿三丁目末広通り商店会 『末広通り商店会プロレス~初夏の商店会プロレス~』
■日時:2023年6月10日(土) 10:30開始
■会場:東京・新宿三丁目末広通り交差点
■観衆:未発表

 2023年現在、日本で定期的に行われるプロレス興行の中で、恐らく一番早い時間帯に行われている大会がある。新宿末広通り商店会が主催する、『末広通り商店会プロレス』だ。
 新宿末廣亭の近くにある十字路にリングを設置する形で、年数回ペースで行われるイベントプロレスの開始時間は、何と10時30分(!)。普段行われる後楽園ホールの昼興行でも11時30分開始なのだから、この興行がどれだけ早くに行われているか分かっていただけるだろう。ある時は10時開始という回もあった。
 SNSによる告知は限定的で、大会自体の開催も直前に決まる事が多いものの、早朝という開始時間故、運が良ければ昼興行とのハシゴも十分可能。カードは当日発表ながら、TTTプロレスリングに所属・参戦している選手が多数登場する為、イベントプロレスとして唯一無二の個性を放つ。

 そんな早朝に行われる大会だが、開始時間にはザッと見積もって100人前後の観客が集まる。途中で通りがかった人達も足を止めて試合を見る為、人数はこれより多いはずだ。
 新型コロナウイルス禍により一時はオンライン配信に留まっていた時期を乗り越えて、2022年頃より商店会プロレスも再開されたのだが、2023・6・10に行われた今大会では通りかかった外国人観光客も写真を撮りながら盛り上がるなど、活気を取り戻しつつある様子が伺えた。開始1時間前の9時30分時点では十数人だった観客も、開始時点では100人近くが集まり、徐々に見物人も増えていった。

 大会終了後、末広通り商店会の石川国由会長からは、今年9月に複数日での開催が発表された。過去には金曜-土曜、土曜-日曜のパターンで開催実績があるものの、次回大会では一体どんなカードが待ち受けているのだろうか?

 商店会プロレスは12時撤収というタイトなスケジュールで行われているが、いずれは12時の壁も超えて開催したいと意気込む関係者の姿が印象的だった。大会前の挨拶にて、副会長からは「(商店会プロレスは)私たちが好きでやっている事」という言葉が出たが、末広通り商店会からはプロレスを市井に広めんとする意気込みのようなものも感じられる。これからの末広通り商店会の活動に是非期待していきたい。

イベントプロレスで圧倒的非日常感!末広通り背景に戦う唯一無二の景色

 『末広通り商店会プロレス』が他のイベントプロレスと一線を画しているのは、開始時間の早さだけではない。選手の入場シーンに加え、夜は賑わいを見せる商店会の建物を背景にプロレスの試合が展開される、非日常感も魅力の一つではないだろうか?
 選手たちの入場口は、新宿末廣亭のすぐ近くにある飲食店なのだが、直線の歩道との遠近感や看板立ち並ぶ日常の空間に、プロレスラーの入場という非日常が入り込み共存する様は、商店会や商店街のイベントプロレスの中でも末広通り商店会が一番なのではないだろうか?

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