[ファイトクラブ]公開中 [週刊ファイト8月24-31日合併号]収録
▼IドラゴノフTウィリアムスHEAT WAVE初黒人王座戦CヘイズWリー
(c) 2023 WWE, Inc. All Rights Reserved. 編集部編
■ NXT HEAT WAVE
日時:8月22日(現地放送時間 日本WWEネットワーク木曜以降)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center
プールサイドのトニー・ディアンジェロと子分スタックス、ビキニ美女らから番組開始の『NXT HEAT WAVE』特番。ただ、その前に現地8月22日は今や伝説となった『NXTテイクオーバー:ブルックリン』から8年である。早速メルセデス・モネ(サーシャ・バンクス)が、女子革命の口火を切った試合をSNSで取り上げれば、ベイリーも”Let’s do this again someday”と応える。
▼2015年8月22日土曜ブルックリン『NXTテイクオーバー:ブルックリン』
・「世界最高峰のプロレス」とは何か8・22バークレイズ・センター
I can’t wait. Happy 8th ? https://t.co/p48UXbegwH
— Bayley (@itsBayleyWWE) August 22, 2023
これがなんで重要なのか。本誌の当時のエントリーを見ていただければ納得であろう。すでにこの時点で「プロレスの質は日本がイチバン」との誤った認識は崩されていたが、最後の砦であるJoshi Puroresuに関しては、日本が本場とされていたものだった。ところが、それさえも最後の楔を打ち込まれることになる。この女子王座戦がメインを喰ったなんてモンじゃない。当時、現地土曜がNXTのPPV、日曜が『サマースラム』だったのだが、2015年のがどうだったのか、調べればわかることにせよもうどんなマッチメイクだったか失念なのは記者だけではあるまい。
すでにNXTの方がはるかに面白くて、日曜の『レッスルマニア』よりも面白かったという現象が毎度指摘されだしてきていたが、これは今も続いている。ましてトリプルHが本隊の最高責任者になって以来、ますますNXTで実験されたことをSmackDown-RAWで一般向きに焼き直して出すというパターンが完全に確立されてきた。実際、「ラケル・ゴンザレス(現ラケル・ロドリゲス)とリア・リプリーは実生活では一緒の車で次の巡業先にドライブする大の仲良しで、同じ刺青を入れたりもしていた」との実録が流れ、それが今や犬猿の仲にというアングル。2015年の頭の翌週、大柄女同士のカードになるがラケルがリアを破壊する何でもありルールでの凄まじいボコり合いの決着戦が生まれる。
この連戦から、「二人とも本隊でいける」と判断されたのは述べるまでもない歴史の流れだ。そしてこのカードが、今回のラケルのちょっとだけの顔見世乱入を経て、ようやく本隊の9・2『Payback』でリアの女子王座挑戦が組まれるのだから、NXTを見てなかった方にはド迫力の闘いにビックリ仰天するに違いない。
ということで、AEW含めて毎日プライムタイム(日本表記ゴールデン)にプロレス番組が流れる超アメプロ黄金時代。悪く言えば供給過多に陥ってしまっているのだが、NXTとAEW Dynamiteを押さえておけば良い、となってしまう。SmackDown-RAWはNXTのカードなりを短い尺にしてお茶の間向きにやり直している流れだからだ。
もっとも冒頭に戻せば、衝撃のブルックリン8周年を祝うのは結構なんだが、サーシャ(現メルセデス・モネ)は新日の米国大会で捕る予定のベルトを怪我して動けなくなるは、ベイリーはもうおばさんになってしまい動きがスローでと、8年というのは特に女子の場合「残酷だなぁ」もあろう。
なんでこの話を延々と書いているかというと、あとのセグメントでもう一人の「8年前」ベッキー・リンチが、なんかティファニー・ストラットンのNXT女子王座に絡んでくるような兆候が・・・。
試合は最初から好勝負が約束されたイリヤ・ドラゴノフとトリック・ウィリアムスの因縁の激突から。最初のエルボー・スマッシュはカウント2.9でトリックが返すのみならず、真空飛びヒザ蹴り、裏投げとイリヤを追い込み互角の勝負だったのがミソ。単なるカーメロ・ヘイズのサイドギミック役ではなく、自身もA級の試合運びがやれることを披露するのがbookerが目的とするデザインである。
最後は今度はコーナー・ポスト上からのイリヤのエルボー・スマッシュ(トップ画像)が決まった。
ロックことドウェイン・ジョンソンの実娘エヴァなんだが、ジョー・ゲイシー率いるスキズムの一員として番組には頻繁に露出しているものの、首脳陣の判断は「まだまだ」ということでずっと寝かされてきたのが、ようやく因縁のアイビー・ナイル戦でテレビでは初のシングマッチである。
サモア系で最初に番組お披露目した時よりさらに太くなっているエヴァが、圧倒的な体格差でアイビーを叩き付けるも、最後に逆転でドラゴン・スリーパーが決まる試合は、短い内容なのでパフォーマンス・センターで段取り練習した通り・・・といったところ。まだまだ実力は未知数なのでした。
当然フィニッシュにも絡むんだが、黄色い仮面軍団の二人はスキズムと敵対するクリード兄弟であり、あとのセグメントで今回ようやく仮面を取って弟ブルータスはヒゲ面になってました。