カート・アングル王座戦2連戦を制する!TNAインパクト・レスリング+ROH「Road to Best in the World」

(C)TNA

 2015年6月10日に放送された『Impact Wrestling』は、「ディスティネーションX」とかつてのPPV大会名を銘打った番組となった。
 番組冒頭で、いきなりTNA世界ヘビー級王者カート・アングルが、ロックスター・スパッドの挑戦を受けた。Xディビジョン王者であったスパッドだが、そのガッツが認められ、身体が小さいにも関わらず、ヘビー級王座に挑戦が認められたからだ。試合前にイーサン・カーターⅢが、俺に挑戦させろとリングでごねたものの、アングルが出てきて一蹴。リングから追い出して、試合がスタートした。試合はスパッドが、ハッスルしてアングルに食らいつくも、最後はリング中央でアンクルロックががっちり極まりアングルが王座防衛。試合後、スパッドの頑張りを称え、アングルはスパッドの手を挙げた。しかし、その直後、入場口から、王座挑戦権をもつオースチン・エリーズがアピール。今日、王座に挑戦するというのだ。アングルは2連戦というハンデを負っての試合となる。

 そして、メインで行われたアングル2戦目となるエリーズとの防衛戦は、エリーズのホーンズ・オブ・エリーズとアングルのアンクルロックの攻防という感じで、お互いにタップを奪おうと極め技を繰り出すも、試合が決まらない。エリーズは戦法を変え450スプラッシュ、パワードライブエルボー、ブレーンバスターと必殺技を連発し、掟破りの逆アンクルロックを繰り出すが、それでもアングルは凌ぐ。そして耐えたアングルが最後はリング中央でアンクルロック!これががっちり極まって遂にエリーズがタップアウト!アングルが王座防衛を果たした。

 ところが、試合後にイーサン・カーターⅢがアングルを襲ったのだ。2連戦でぼろぼろになっているアングルは立ち上がれず、イーサンはベルトを奪い掲げる。次の挑戦者は俺だと猛アピールしたのだった。アングルはこの無法者の挑戦を受けるのだろうか?

■ Impact Wrestling 
日時:2015年6月10日(放送日)
場所:アメリカ・フロリダ州オーランド

<TNA世界ヘビー級王座タイトルマッチ>
○カート・アングル(王者)
 ピンフォール
●オースチン・エリーズ(挑戦者)

<シングルマッチ>
○グラム
 ピンフォール
●クリムゾン

<Xディビジョン王座決定戦予選3WAYマッチ>
○グラード
 ピンフォール
●ケニー・キング、クルス

<ノックアウツ王座タイトルランジェリーマッチ>
-タリン・テレル(王者)
 ノーコンテンスト
-アメージング・コング(挑戦者)

<Xディビジョン王座決定戦予選3WAYマッチ>
○ティグレ・ウノ
 ピンフォール
●DJZ、マンドリュース

<Xディビジョン王座決定戦予選3WAYマッチ>
○ロウ・キー
 ピンフォール
●マニック、クレイジー・スティーブ

<TNA世界ヘビー級王座タイトルマッチ>
○カート・アングル(王者)
 ピンフォール
●ロックスター・スパッド(挑戦者)

 2015年6月5~6日にROH「Road to Best in the World」2連戦が開催された。ROHのビッグマッチ「Best in the World」に向けた大会で、「Best in the World」でROH世界ヘビー級王者ジェイ・ブリスコとTV王者ジェイ・リーサルが王者対決で雌雄を決する事が決定しているが、その王者が明暗を分けた。ヘビー級王者であるジェイ・ブリスコは、1日目、タッグマッチなので、自分がフォールを奪われた訳ではないが、マイケル・エルガン、ムースに敗れてしまい、2日目も弟マーク・ブリスコと組んでタッグ3WAYマッチに出たが、こちらも勝利出来なかった。

 それに対して、TV王者のジェイ・リーサルは、2日間とも勝利。しかも、2日目はTV王座戦で王座防衛したのだ。この結果が、「Best in the World」にどう影響するか?今後もROHマットから目が離せないだろう。

■ ROH「Road to Best in the World」
日時:2015年6月5日
場所:アメリカ・イリノイ州コリンズビル

<タッグマッチ>
○マイケル・エルガン、ムース
 ピンフォール
●ジェイ・ブリスコ、ロドリック・ストロング

<シングルマッチ>
○ジェイ・リーサル
 ピンフォール
●レイモンド・ロウ

<タッグマッチ>
○マット・サイダル、デリリアス
 ピンフォール
●ジ・アディクション(クリストファー・ダニエルズ&フランキー・カザリアン)

■ ROH「Road to Best in the World」
日時:2015年6月6日
場所:アメリカ・テネシー州ナッシュビル

<タッグマッチ3WAYマッチ>
○ジ・アディクション(クリストファー・ダニエルズ&フランキー・カザリアン)
 ピンフォール
●ハンソン&レイモンド・ロウ、ジェイ&マーク・ブリスコ

<シングルマッチ>
○マイケル・エルガン
 ピンフォール
●マット・サイダル

<ROH世界TV王座タイトルマッチ>
○ジェイ・リーサル(王者)
 ピンフォール
●サムソン・ウォーカー

電子書籍版はマット界舞台裏6月18日号Dローデス追悼新日大阪城鈴木軍リアルジャパン10ZERO1長瀬館長に収録されました。

150521TnaImpactWrestling
【TNA危機情報はマット界舞台裏の巻頭記事が詳しいです】
マット界舞台裏6月4日号TNA消滅報道IGF全日長与大仁田広島大日本WAVE超花火巌流島ROH
▼読まずに書くな!偏見・誤解と闘う記者と『TNA消滅』報道
 『TNA消滅』の報道を巡って面白いことが起きている。WRESTLING OBSERVER主幹のデイブ・メルツアーが「TNAを死に追いやった男」と糾弾されている、というのだ。ロック界で知名度のあるスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン新任TNAディレクターも「嘘を広めた野郎が…」と、影響力を駆使して火消しに努めていた。

マット界舞台裏5月28日号藤田x諏訪魔TNA高木ceo曙三冠ufc王者堀口巌流島道場紅大月x蘇我
▼高木三四郎が儲かっているからW-1のCEOなのか? テレビ局にとってのプロレス番組と存続が危ういTNA
 今週は引き続き高木三四郎GENスポーツエンターテインメントCEO就任が業界関係者間の最大の会話のみならず、海外からはTNAが放送契約を9月で切られて存続が危ぶまれる衝撃ニュースも飛び込んできた。その深淵は・・・

マット界舞台裏6月18日号Dローデス追悼新日大阪城鈴木軍リアルジャパン10ZERO1長瀬館長
▼ROH-TNA放送開始~アメプロ勢力分布考えることは日本直結分析
 先週6月11日号にも早速取り上げられているが、現地時間6月3日水曜夜8時からROH、9時からTNA、11時からROH再放送、12時からTNA再放送という、弱小ケーブル局DESTINATION AMERICAによる「水曜夜は4時間プロレス」実験が開始された。「私のフォローしている団体は●●、好きな選手は○○。アメプロはよく知らない」といったライト層が多数派なのではあろうが、世界最大市場で起こっていることは、いずれは我が国を直撃する。わかりやすく解説を試みる。