[ファイトクラブ]肝は”ユニット抗争”実験的でも安定感抜群な『TRIANGLE DERBY』の怪

 国内女子プロレス業界でトップを走るスターダム。
 2023年の第1弾シリーズ『TRIANGLE DERBY』では、【6人タッグによるリーグ戦】という斬新な取り組みが行われた。
 約2ヶ月にわたるシリーズは、いよいよ優勝争いへ。
 最終公式戦が行われた2・17後楽園ホール大会を見て筆者が感じたのは、実験的要素と相反する”安定感”だった。


[週刊ファイト3月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼肝は”ユニット抗争”実験的でも安定感抜群な『TRIANGLE DERBY』の怪
 2・17スターダム後楽園ホール
 photo & text by 鈴木太郎
・実験的フォーマットに見られる安定感
・普段のユニット抗争を、そのまま落とし込んだリーグ戦
・リーグ戦ならではの新風
・ユニット抗争+新風=『TRIANGLE DERBY』
・リーグ戦を媒介にした王座戦線
・元アイスリボン多めのメイン後に見た現実
・清濁併せ呑んでも受容したい魅力


■スターダム 『TRIANGLE DERBY Ⅰ』
■日時:2023年2月17日(金) 18:30開始
■会場:東京・後楽園ホール
■観衆:1,126人(主催者発表)

 スターダムの2023年は、6人タッグによるリーグ戦・『TRIANGLE DERBY Ⅰ』から幕を開けた。
 6人タッグにおいては、毎年大晦日に開催されている年越しプロレスの『年忘れシャッフルタッグトーナメント』、2015年にプロレスリング・ノアが開催した『アルカス杯争奪6人タッグトーナメント』といった、1Dayトーナメント形式による開催はあったものの、タッグリーグとして開催した事例を私自身耳にした記憶がない。

 非常に実験的かつ挑戦的な試みに感じられたが、最終公式戦となった2・17後楽園ホール大会は、公式戦6試合がどれも見所に溢れていた。


 15分1本勝負という比較的コンパクトな時間帯の中で、「残り試合時間3分」というアナウンスが何度となく聞かれる熱戦になっても、変に内容が間延びしたりダレたりする展開は少なかったのである。
 その様子を見て、私はある確信へと至った。
 【普段で組まれているユニット対決】の構図を、そのままリーグ戦のフォーマットに落とし込んだものが、今回の『TRIANGLE DERBY Ⅰ』だったのではないかと。

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