[ファイトクラブ]地獄仮面の最期!GムタとKISS 1975年のアントニオ猪木とザ・シーク

[週刊ファイト11月10日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼地獄仮面の最期!GムタとKISS 1975年のアントニオ猪木とザ・シーク
 by 大島慶山
・KISS ALIVE1975 悪魔と天使を操りながら仮面の悪魔、魔界に帰る
・ノア1・23横浜アリーナ 盟友のスティングがタッグパートナー
・2023年元旦グレート・ムタ 対 WWE中邑真輔


 愛弟子、武藤敬司の化身グレート・ムタのラストマッチを見届けることなく、アントニオ猪木は天空へと戦場を変えた。
 大阪でのラストマッチは、9月4日(日)にノアマットで行った。わざわざ「大阪ラストマッチ」と銘うったのは、10月30(日)に開催されたドラディションを観戦するファンに、要らぬ期待を抱かせないようにしたのも、武藤敬司の先輩、藤波辰爾に対する気遣いも少なからずあったかもしれない。もちろん、関西のプロレスファンに対する訴求効果もあるだろうけど。
 10月27日(木)、後楽園ホールでの新日本プロレスの興行に突如として乱入、毒霧をグレート-O-カーンに浴びせ、矢野通の勝利をアシストした。
 11月20日(日)に有明コロシアムで開催される、新日本プロレスとスターダム女子プロレスの合同興行内のキラーコンテンツとして、ムタは矢野通とオカダ・カズチカを率いて、ジェフ・コブ&グレート-O-カーン&アーロン・ヘナーレのユナイテッドエンパイア軍と雌雄を決する。
 ムタとして、新日本プロレスでのラストファイトになる。

KISS ALIVE1975 悪魔と天使を操りながら仮面の悪魔、魔界に帰る

 その10日後には、ロック界の仮面軍団キッスも、東京ドー厶で日本のファンにさよならを告げる。最後の晩餐(ライブ)を楽しみ、毒霧とは違い、真紅の炎を虚空に吹き上げるだろう。
 キッスが1975年5月16日に歴史的なハードロックの名盤『キッス、アライブ』の収録を アメリカのコボ・コンベンションセンターで行った。

 アラビアの怪人ザ・シークの火炎攻撃にジーン・シモンズが影響を受けて、ライブパフォーマンスに取り入れた訳ではないと思うが。プロレス好きを公言しているキッスの素顔のメンバー達がプライベートで、デトロイト・コボ・コンベンションセンターでのプロレス興行を見ていた可能性はある。
 猪木とシークは、1974年12月に沖縄で2連戦して、猪木とムタはそれから20年後の1994年に福岡ドームで闘っているが、ムタとシークは対戦していない。

 その頃、グレート・ムタこと武藤敬司は13歳、テレビでプロレスを見たり、テレビの音楽番組で化粧を施した派手派手しいキッスの姿は見ていただろうが、まさかそれから10数年後にメイクをして、毒霧を吹き上げる自らの姿は想起してなかっただろう。

 奇しくも5月16日は、アントニオ猪木がストロング小林とキラー・カール・クラップを連破して、 新日本プロレス版『第2回ワールドリーグ戦』を制し、我が世の春を満喫していた時。当時32歳。今から約半世紀、47年前のことだ。(※決勝トーナメントには、坂口征二、大木金太郎も進出)

 キッスというペイントレスラーが、1970年代中期から後期あたりにロサンゼルスのオリンピック・オーデトリアムに登場したことがあったが、本家キッス非公認の3流レスラーで、実力もなく、人気もあがらず、いつのまにかフェイドアウトしていた。
 本家キッスが公認したペイントレスラーも1999年8月にWCWに登場し、本家キッスの生演奏とのコラボという豪華な演出も行っている。

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’21年10月07日号Stardom5★決勝 G1神戸 WWE-新日AEW新秩序 エナジャイズ 岡山ジム

 タラレバはないけど、筆者の妄想としてキッスとムタのコラボも一度は見たかった。
 キッスは、以前にWWEとコラボしてホラー映画の制作を計画していたはずだが、雲散霧消したのだろうか?
 リズム&ブルースの街、モータウンの本拠地をロックシティへと変貌させたキッスは、アメリカだけではなく日本でもファンは多い。ムタ&武藤ファンのミュージシャンも多い。

ノア1・23横浜アリーナ 盟友のスティングがタッグパートナー

 1月22日の横浜アリーナでのラストマッチには、筆者の友人のミュージシャン達も観戦に出向くらしい。そのラストマッチには、ライバルであり、盟友のスティングがタッグパートナーとなることが、既に発表されている。ベストセレクトだろう。

 ブルース・リーの実子であるブランドン・リー(※映画『クロウ』などに出演、非業の死を遂げた)をオマージュしたメイクで、ムタのライバルとして、時にはパートナーとしてムタ・アンソロジーとして欠かせない選手だ。オペラ座の怪人の様に妖気漂う姿で、きっとムタのラストファイトをもり立ててくれるだろう。

 対戦チームに蝶野正洋がエントリーされるとファン垂涎となるが、蝶野自身の体調面もあり、実現の可能性は低い。
 どんな面子が、ムタ率いる地獄の軍団と向かい合うのか、マッチメイクが発表されるのが楽しみだ。

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