9月23日(金・祝)「KNOCK OUT 2022 vol.5」セミファイナル&王座決定トーナメント準決勝出場4選手インタビュー!ダブルメインにはWIN BONUS!

9月23日(金・祝)東京・後楽園ホールで開催する「KNOCK OUT 2022 vol.5」の全8試合、セミファイナル龍聖(フリー) vs.小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座をかけて4選手による王座決定トーナメント準決勝出場4選手インタビューが届いた。またダブルメインには「WINボーナス」「無法島賞」金20万円と「創世のタイガ賞」金20万円が各試合に贈られる。

■「KNOCK OUT 2022 vol.5」
日時:2022年9月23日(金・祝) 開場17:00 開始18:00
会場:東京・後楽園ホール
主催:株式会社 Def Fellow
◇チケット料金
SRS席(最前列) 20,000円 残りわずか△
RS席 12,000円 残りわずか△
S席 8,000円 余裕あり◎
A席 6,000円 残りわずか△
※全席指定/消費税込み
※当日券は各席とも500円アップとなります。
※6歳未満は入場無料です。ただし保護者同伴で膝上にてご観戦ください。なお小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料となります。
※今大会は入場者数の規制が緩和されたことに伴い、会場側と協議の結果、観客席を100%フル使用として開催します。ただし、会場内における新型コロナウイルス感染防止対策は、これまでと同様の形で実施することに変わりはございません。また、声出し声援に関する対策はより厳しくなり、場内アナウンスや表示物などでの告知を今まで以上に行ってまいります。なお、現時点において「立見券」の販売は一切行わない予定です。
2021年8月1日(月)10:00~
KNOCK OUTオフィシャルショップ https://deffellow.stores.jp/
◇チケット販売所
KNOCK OUTオフィシャルショップ https://deffellow.stores.jp/
チケットぴあ https://t.pia.jp/
出場各ジム
◇お問合せ
株式会社 Def Fellow
Tel : 03-6262-3760
Mail : inquiry@knockout.co.jp
HP:https://knockoutkb.com/
※6歳未満は入場無料、ただし保護者同伴で膝上にての観戦が必要。小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
※今大会は入場者数の規制が緩和されたことに伴い、会場側と協議の結果、観客席を100%フル使用として開催。ただし、会場内における新型コロナウイルス感染防止対策は、これまでと同様の形で実施。また、声出し声援に関する対策はより厳しくなり、場内アナウンスや表示物などでの告知を今まで以上に継続。なお、現時点「立見券」の販売予定はなし。
※今後、政府および自治体が発表する各ガイドラインの変更や感染状況に応じて、収容人数や運営上のルールを変更の場合有。
<ダブルメインイベント2(第8試合)【G-BALLER Presents】初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級(67.5kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)>
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/team AKATSUKI)Ryotaro
88.12.21生/千葉県柏市出身/33歳/178cm/オーソドックス/32戦14勝(5KO)13敗5分
元REBELS-REDライト級王者
 vs.
渡部太基(TEAM TEPPEN)WATABE Daiki
87.12.12生/東京都葛飾区出身/34歳/174cm/サウスポー/53戦24勝(13KO)27敗2分
元Krushウェルター級王者
元WPMF日本ウェルター級王者

G-BALLER(ジーボーラー)』の冠協賛決定に伴い、G-BALLER Presents初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級(67.5kg)王座決定戦となる。

<ダブルメインイベント1(第7試合)第2代KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)>
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)OGASAWARA Eisaku
95.9.11生/東京都武蔵野市出身/26歳(試合時は27歳)/171cm/サウスポー/47戦40勝(20KO)6敗1分
初代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者
ISKA世界バンタム級王者(K-1ルール)
WPMF世界スーパーバンタム級王者
 vs.
TAKERU(GET OVER)
99.4.20生/愛知県名古屋市出身/23歳/168cm/サウスポー/21戦15勝(7KO)6敗
DBSフェザー級王者
RKAフェザー級王者

ダブルメイン選手インタビュー公開

<セミファイナル第6試合 スーパーファイトKNOCK OUT-BLACKフェザー級/3分3R・延長1R>
龍聖(フリー)RYUSEI
01.4.11生/神奈川県相模原市出身/21歳/175㎝/左右スイッチ/11戦11勝(8KO)無敗
初代KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者
 vs.
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)OGASAWARA Yukinori
92.4.17生/東京都武蔵野市出身/30歳/178cm/オーソドトックス/31戦17勝(5KO)10敗4分
元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者
元INNOVATIONスーパーバンタム級王者

◇龍聖
「相手にはムカついてます。久々に感じている『殺気』で破壊します!」

──8月24日の記者会見では、激しい言葉が出ていました。
龍聖 そうですね。普通に試合が決まったという感じで会見にも出てたんですけど、「しつけがなってない」とか言ってて、「何でオマエに言われなきゃいけないの?」という感じで、イラッときました。

──では、試合に向けての気持ちがあの会見で変化した?
龍聖 まあ、火はつきましたね。あの会見で「絶対コイツぶっ飛ばそう」と思いました。

──もしかしたら、それがなければそこまでモチベーションが上がるカードではなかった?
龍聖 そんなこともないですけど、ジムの環境も変わって初の試合だし、いい試合をしなきゃなとは思ってたんですよ。それがまあ、相手への憎しみが加わったって感じです。

──なるほど。そもそも小笠原選手の印象は?
龍聖 背が高くて気持ちが弱いって感じですね。

──攻撃に関しては?
龍聖 ヒジの印象しかないですね(笑)。バックヒジとか。何でBLACKに来たの?って思いますよ。ヒジありやってた方がよかったでしょって。

──では、警戒するべき部分もない?
龍聖 ないっすね、本当に。なので、派手に勝ちたいです。失神させたいですね。

──7月のRIZINでの魁志戦が自身では久々のKO勝利でしたが、勝ち方にはあまり満足できてない?
龍聖 まあ、そうですね。初のRIZIN参戦ということを考えると、インパクトに欠ける倒し方だったなということが一つ。あとは、試合の中であの勝ちに行き着くまでの流れが悪すぎたというのが一つですね。そういう意味では、いろいろ反省点の残る試合でした。

──RIZINに参戦してみての感想は?
龍聖 気持ちよかったのは確かですね。会見とかも規模が大きいし、グローブやバンテージのチェックとかいろんなところが細かくて、ちゃんとしてるなと思いましたね。『KNOCK OUT』はちゃんとしてるんですけど、キックのイベントはそうじゃないところもけっこうあるので、違うなあと。

──試合後のマイクは物議を醸しましたが……。
龍聖 いや、何とも思ってないです。あの時リング上で言った通り、これからもRIZINでも戦っていって、キックの立場をあげたいと思ってます。

──意識の上で、RIZIN参戦を経て変わったことは何かありますか?
龍聖 『KNOCK OUT』の代表として出場したわけじゃないですか。だから関係者の人たちも「チーム・『KNOCK OUT』」という感じで応援してくれて、そこにはすごく一体感を感じましたし、改めて「僕が『KNOCK OUT』の代表なんだな」と自覚しました。RIZINに出たことで、『KNOCK OUT』をもっと盛り上げないとな、という気持ちはさらに強まりましたね。

──そうなんですね。そしてその後、ジムからの独立ということになったと。今はどういう状況なんですか?
龍聖 RIZINの試合が終わった後にいろいろなことが動き始めて、今はトレーナーのノップと一緒に、場所を借りて練習してます。今までと違ってちょっと大変ではあるんですけど、今一緒に練習している選手とかアマチュア、ジュニアの選手たちとノップで一丸となってのびのびやれているので、逆に練習内容も濃くなっていて、キツいですけど楽しいですね。

──新ジムのトップ選手になるわけですしね。
龍聖 はい。だから今はモチベーションの塊ですよ。

──というところで、今大会では2大タイトルマッチもある中で、チャンピオンとしてスーパーファイトに出場という形です。その点については?
龍聖 特別なものを見せたいですね。勝ち続けるのって難しいじゃないですか。格闘技って何があるか分からないし。でもその中でも勝ち続けていきたいし、他の選手たちとは違うなというところを見せたいです。そういうものを感じてもらえるような試合をしたいです。この試合は本当に大事だと思うので。

──では最後に、今回特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
龍聖 「殺気」ですね。言葉にするのは難しいんですけど、昔あったような気持ちが戻ってきてるような気がするんですよね。それを出して勝ちたいです。ガンガンいくし、相手を壊す気でいきます。相手へのムカつきもあるし、テクニックも見せたいんですけど、最後は本当にぶっ壊したいです。破壊してやりたいと思います。

──分かりました。ありがとうございました!

☆小笠原裕典
「変わった自分を見せて無敗の王者に勝って、活動の輪も広げていきたい!」

──龍聖選手との記者会見は、普段の試合とは違う雰囲気になりましたね。ご自分では?
小笠原 そうですか? 自分では特にいつもと違うという気持ちはなかったんですけど、ああやって会見という場を用意していただいたということで、ただ「頑張ります」だけでは意味がないので、本当に思ったことを言ったまでなんですけどね。

──龍聖選手にもともと持っていた感情を出した?
小笠原 別に、感情的なものがあったわけじゃないんですよ。ただ、僕のジム仲間だった選手が対戦した時にも会見でボロクソに言われてたりとかを見てると……選手としては無敗の若いチャンピオンですし、すごくいい選手であることは間違いないと思うし、彼の人間性がどうとかはどうでもいいんですけど、単純にナメられてるなと感じたんですよね。僕はナメられるのは大嫌いなんで。

──そう思って試合に臨むことって、これまでにはなかったのでは?
小笠原 そうかもしれないですね。ただ、試合となったらそういう感情とか、どういう人間かというのは関係ないんで。今までもいろんな選手とやってきてるし、試合ではそこは特に意識しないですね。

──では改めて、龍聖選手に対する印象は?
小笠原 若くて勢いがあって、すごくいい選手だと思います。これからどこまでも行く可能性がある選手だと思いますね。バランスがいいですし、キレもあるし、ちゃんとコンビネーションでつなげるところもよくて、キックボクサーとしての完成度は高いと思います。

──そんな相手に、どういう試合をしてどう勝ちたいですか?
小笠原 どういう試合かは言わないですけど(笑)、お客さんが見てて分かりやすい試合をしたいですね。

──龍聖選手も小笠原選手も、もともと分かりやすい試合をするタイプだとは思いますが。
小笠原 僕はここ最近の試合では、分かりやすい試合ができてたとは思わないんですよ。スランプじゃないですけど、実力の20%も出せない試合が続いてたんですよね。最後の試合が1年以上前になりますけど、それが終わった時、『俺、もう終わりかな』と思ったんですよ、正直。でも、ちょっとまだやり残してることがあるなと。トレーニングに関しても、全力で追い込み切れてないところがあったな、とも思ったんですね。それをしっかりやりきってみて、『自分はまだ変われるな』というのも感じて。

──今はまた変わったと。
小笠原 このままじゃダメだと思って新しく始めたトレーニングもありますし、感覚がすごく戻ってきてるのを感じるので、この久々の復帰戦で、相手も申し分のない相手で、彼は分かりやすい試合をするじゃないですか。そういう選手との一騎打ちで、僕も分かりやすい試合ができたらなと思います。

──不本意に感じている試合というのは、BLACK転向以後ですか?
小笠原 その前からですね。自分の中ではけっこう長く続いてて、3年間ぐらい経ってるんですよ。ずっと悩みながら試合をしてたんですけど、今回はその悩みも吹っ切れたので、今は試合をするのが楽しみです。

──BLACKに転向してからは、ルールへの対応などで戸惑いはないですか?
小笠原 そこはそんなにないですね。とにかくBLACK転向前から不調で、それを打開するために転向したのもあったので。僕はヒジが得意なんですけど、そこに頼りすぎてた部分もあったので、いったんそれを封印して、さらに上に行くためにBLACKに来たっていうのもあったんです。BLACK転向後も、もう一つしっくりこないというのは続いてたんですけど、もがきながら試行錯誤しながらやってきて、今はやっと出口が近づいてきたという感覚を、身をもって感じています。

──今も出ましたが、試合感覚が空きましたが、練習自体はコンスタントに続けていたんですか?
小笠原 はい。練習はずっと続けていたんですが、自分が変わるために、試合を空けた期間でもあって。ただ途中で、ウクライナ人の奥さんの家族が、戦争のために日本に避難してきたというのもあって、ずっとフルにやれてたわけでもないんですけど、コンスタントに続けてはいました。

──奥さんの家族の件は、本当に大変ですよね。
小笠原 YouTubeとかでも発信させてもらってるんですけど、応援のコメントもたくさんいただいています。ただ、中には「ウクライナ人だけ特別扱いするな」という厳しい声もあるんですね。でも僕にとってはウクライナ人だから特別というわけじゃなくて、たまたま自分の家族がウクライナ人だったというだけで、家族を助けようと一生懸命になるのは当たり前じゃないですか。だから全力を尽くしているだけなんですけど、僕自身は日本人なのに、日本側からサポートを受けている感覚なんですよ。

──というと?
小笠原 今回、周りの人たちのサポートも本当の意味でありがたく感じていて。今までも、フィリピンとかいろんな国が大変な状況にあったりしてましたけど、申し訳ないけどどこか他人事で、「大変だなあ」という程度にしか思ってなかったんです。でも今、自分が当事者になって温かいサポートを受けたことで、本当にありがたく思ってますし、それで「よかったね。終わり」ではなくて、この支援の輪をつなげていきたいと思っていて。だから今度は他の国の人たちが困った時に、僕たちがサポートできるようにしていきたいという思いは、本当に強くなりました。

──そういうことなんですね。
小笠原 本当にありがたいですよ。吉祥寺でみんなでやってるウクライナ・ランチに来てくれるお客さんとかにもいろいろ声をかけてもらったりして、僕が日本人であることをすごくうれしく感じるようになりました。

──そういった状況の中で、久々に試合をすることを決めたというのは?
小笠原 もともとはもっと早いタイミングで試合したかったんですけど、大会とスケジュールが合わなかったりとかで延びてしまってて。本当は、ウクライナ人の家族が避難してくるというタイミングで試合したかったんですけど。避難してきた中には12歳の男の子もいて、日本語もしゃべれないのに日本の中学校に通って頑張ってるんですよ。そんな子にも、普段一緒に生活している僕が戦っている姿を見せて、ちょっとでもみんなのいい刺激になったらいいなという思いもありますね。あとはファイトマネーで、みんなをどこかに連れていってあげたいです。日本に来てからみんな本当に頑張っていて、旅行なんかもしてないので、ディズニーランドとかに連れていってあげたくて。

──その時は、勝って気持ちよく行きたいですよね。しかしここで龍聖選手に勝ったら、けっこうなニュースですよ。
小笠原 そうですよね。BLACKに転向して、特にフェザー級に上げてから結果が出てないので、今回勝ってそれを全部チャラにしようかなと。その上で、これまで負けた相手、ちゃんと決着がつかなかった相手にリベンジしにいってもいいかなとも思いますし。

──では、相手が無敗のチャンピオンでも気後れはない?
小笠原 もちろん、そこが全く関係ないと言ったらウソになりますけど、逆にそういう選手だからこそすごくやり甲斐があるというか。やっぱり僕は強い選手とやりたくて格闘技をやっているんで。そういう選手とやれなくなったら本当にお終いだなと思うので、今回もモチベーションはすごく高いです。

──ここからはコンスタントに出場するつもりですか?
小笠原 はい。どんどん戦っていきたいですし、ファイトマネーもいただいて活動にも役立てたいです。試合をして結果を出すことで発言力もついてくると思いますし。格闘技ってお互いを痛めつけ合う競技ですけど、格闘技を通じてサポートのありがたさとかも十分に感じてるので、そういったものを広げていきたいなという思いがあります。

──今回の大会では、弟の瑛作選手も大きな試合がありますね。
小笠原 そうですね。『KNOCK OUT』が新体制になった中で、兄弟で盛り上げていきたい、団体を引っ張っていきたいという気持ちがあります。だから今回、2人が同じ大会で勝てば、また面白いんじゃないですか。

──では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントは?
小笠原 やっぱり、自分が変わったというところですね。今までとは全く違う小笠原裕典を見せられると思うので、今までの僕ではなく新しい選手を見るつもりで、見に来てくれたらと思います。

──楽しみにしています。ありがとうございました!


・引退記念セレモニー
松﨑公則(STRUGGLE)MATSUZAKI Kiminori
75.7.29生/東京都台東区出身/47歳/164cm/サウスポー/50戦20勝(11KO)26敗4分
元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者
元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者
元WPMF日本スーパーフライ級王者
元J-NETWORKスーパーフライ級王者

◇第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント
KNOCK OUTでは初代王者:小笠原瑛作のベルト返上に伴い「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(-55.0kg)王座決定トーナメント」を実施します。4選手参加、準決勝と決勝を別日に行う形式
・日程
準決勝(2試合)=2022年9月23日(金・祝)後楽園ホール
決勝=2022年12月11日(日)後楽園ホール
・試合ラウンド
準決勝(2試合)=3分3R・延長1R
決勝=3分5R・延長1R

<第5試合 第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王座決定トーナメント・準決勝 3分3R(延長1R)>
壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)ISSEI Saenchai-gym
97.8.15生/沖縄県那覇市出身/25歳/172cm/サウスポー/28戦20勝(8KO)7敗1分
ルンピニージャパン・バンタム級王者
 vs.
大野貴志(士道館新座ジム)ONO Takashi
90.3.5生/埼玉県新座市出身/32歳/166cm/オーソドックス/41戦26勝(14KO)13敗2分
第17代MA日本バンタム級王者
元WMC日本スーパーバンタム級王者
元Bigbangスーパーバンタム級王者

◇壱・センチャイジム
「今後の『KNOCK OUT』のためにも、僕が優勝しないといけない」

──今回、タイトルのチャンスが巡ってきました。8月24日の記者会見ではトーナメントに参加する4選手が顔を揃えましたが、そこで感じたことは?
壱 僕は炎出丸選手と森岡悠樹選手とは対戦してますし、大野貴志選手とは同じトーナメントに参加するのが3回目なんですよ。

──あ、3回も。
壱 そうなんです。1回目は僕が『KNOCK OUT』初出場の時で、僕はリザーバーだったんです。その時が炎出丸選手との対戦で。それから『REBELS』の55.5kg王座決定トーナメント(2020年)、そして今回ですね。だから、対戦したことはなかったですけど、面識がないわけではなくて。大野選手はリングに戻ってくるのが約2年ぶりなんですよね。久々に見たら、初めて見た時ほどの気迫は感じなかったなと思いました。僕が大きくなったのかなとも思いましたけど。

──対戦前にそう感じられたというのは、試合にあたっていいことなのでは?
壱 そうですね。だいたいいつも、対戦相手とは記者会見と計量とリングに上がった時、って3回ぐらい向かい合うじゃないですか。どの相手も3回とも雰囲気は違うんですよ。計量の時は強そうに見えなくても、リングに上がったら強そうだったりすることもあるので、そのへんは大野選手がどれぐらい仕上げてくるかにかかってくると思うんですけど、今回は大野選手だからといって特別な練習はしなくても、勝てると思ってます。

──もともと大野選手についてはどういう印象でしたか?
壱 パンチは強いですけど、テクニックはないかなと。以前に森岡選手と対戦した時(2021年8月)に、森岡選手もパンチが強いので、僕のことをパンチで潰すって言ってたんですよね。結局彼のパンチは当たらないまま、僕のヒザとミドルで削られて、ヒジでダウンしてて。大野選手も同じ感じかなと思って。ムエタイってパンチだけじゃないので、力で勝たなくても、その他で圧倒すれば最終的に差が出てくるので、あの時と同じ感じかなと思ってます。

──対パンチャーでいい勝ち方をするという点では、7月の海老原竜二戦も、まさにそうでしたよね。
壱 そうですね。パンチの選手は一発がデカいので、一発ももらっちゃいけないというリスクはありますけど、個人的にはやりやすいタイプではありますね。海老原戦は、会長から「ミドルを中心にロングゲームでも勝てる」って言われてたんですけど、途中でKO賞が発表されて、会長が「KO狙いでいこうか」って言ったんですよ。それで急きょ、試合3日前ぐらいからヒジとヒザ中心に練習も変更したんです。ミドルだとKOは難しいので。それで3日で仕上げてバッチリはまって、KO賞ももらえたので、いい結果になったかなと思います。

──次もKO狙いで?
壱 僕は昔からKOをメチャクチャ狙ってたんですけど、昔、バンタム級で14連勝した時もKOは2つとかだったんですよ。でも今は、昨年の瑛ちゃん(小笠原瑛作)戦以降は全部KO決着しているので、一つスタイルは見つけた感じはありますね。自分の中で、ケガしないで判定で勝つ戦い方と、ケガしてもいいから盛り上げる戦い方、どちらがいいのかというのはずっと考えていたんですけど、その答えは出た感じです。あと、僕がダウンを取られたり負けたりする試合を研究した結果、「あ、ここが悪いんだな」というのがあって、その成果も海老原戦でハマった気がするので、28戦目にしてやっと距離感が掴めたという感じですかね。

──なるほど。それを見つけた壱・センチャイジムはさらに強くなったんですね。
壱 またひと味違うんじゃないかと思います。大野選手が試合が空いたのがどういう理由か知らないし、その間練習してたのかどうかも分からないですけど、やっぱり試合が一番の財産だと思うんですよ。大野選手の戦績は僕の倍ぐらいありますけど、この2~3年でやってきたことの質が違うので、そこで差を見せられるかなと思ってます。

──昨年の小笠原戦と、その後の小笠原選手の階級アップで、一時はモチベーションが心配されていましたが……。
壱 瑛ちゃんには2回負けたじゃないですか。結果につながってないので「頑張った」とは言えないんですけど、個人的には瑛ちゃん戦に向けて努力はしてきたんです。その結果がああいうカタチになっちゃったので、少しモチベーションが下がる部分はあったんですけど、コーチから「試合のオファーがあるだけありがたいんだから、オファーもらったらケガしてても試合しろ」と言われて。それで今年1月の横野洋戦はケガしたまま試合して、KO勝ちできて。それで「おっしゃ、このままいくぞ!」と思ったら瑛ちゃんが階級を上げていなくなっちゃって。でも、それを前向きにとらえようと思ったんです。

──前向きに、ですか。
壱 僕は「打倒・瑛ちゃん」でずっとやってたんですけど、今は「スーパーバンタム級を引っ張ろう」という考え方に変わったんです。今までは瑛ちゃん中心に盛り上がってたじゃないですか。これからは僕が中心になって、みんなが僕と戦いたいと思ってくれれば、瑛ちゃんもフェザー級で盛り上げてくれるだろうし、今回もチャンピオンになってくれると思うので、各々で自分の階級を盛り上げればいいと思っていて。そしていずれ僕が階級を上げる時が来たら、また対戦のチャンスも巡ってくるのかなと。なので、2回負けてはいますが、今は『KNOCK OUT』を盛り上げる仲間としてライバル視はしています。

──そのためにもベルトは必ず必要、ということですね。
壱 ただ、今回のメンバーを見ると負ける感じはしないですけど。自信というか、勝って当たり前なので。僕が勝たないと盛り上がらないし、あのメンバーで僕以外が優勝すると、『KNOCK OUT』大丈夫かな?って思っちゃうぐらいなんで。その責任感はありますね。僕のために開かれたトーナメントなのかなと思うし、ここは実力差を見せてバッといきたいです。

──さらに10月1日からはTOKYO MXのレギュラー番組が始まります。このトーナメントはタイミングもいいと思いますが、そこに向けては?
壱 メチャメチャ気合い入ってますね。「待ってました!」って感じだったんで。もともとある「格闘技の輪」みたいなものから出ないと知名度は上がらないなと思っていて、そのためにも露出って一番大事だと思うんですよ。今回の地上波放送も、『KNOCK OUT』の方々だったり、スポンサーの方々だったりのいろんな努力があってこういう形に結びついたと思うので、あとは選手が応えるだけですよね。応えなきゃいけない選手の中に僕が入ってると自覚しているので、まず試合で応えます。

──番組で一番アピールしたいことは?
壱 僕のプライベートってメチャクチャ面白いんですよ。会見とかでは見せられないファンキーな僕を見せられたらいいなと思ってます。

──ファンキー(笑)。
壱 ファンキーで破天荒なんで、絶対面白いと思うんですよ! 作ったキャラじゃなくて、ありのままで生きてるっていうのもありますし、自分のことを面白いな!って思うんですよ。そういう部分を見せていきたいですね。ネタもたくさんありますし、普通にしてるのを映すだけでも面白いはずなんで、そういうオファーを楽しみにしてます。

──なるほど、楽しみにしてます(笑)。では最後に、今回特に注目してほしいポイントは?
壱 会見でも言ったんですけど、出場4選手の中で一番差が出るのは「華」の部分だと思うんですよ。「この階級はコイツが引っ張るんだな」というのが分かると思うので、そこに注目してほしいと思います。というか、特に注目しなくても、自然と出ちゃってると思うんで。華が歩いてるみたいなもんですからね。今後の『KNOCK OUT』のためにも、僕が優勝しないといけないと思ってます。

──分かりました。ありがとうございました!

◇大野貴志
「自分が勝って、会場を昔のキックボクシングの空気に戻してやります!」

──SNSでは、「(8月24日の)会見でさらに気合いが入った」と書かれていましたね。あの会見で感じたことは?
大野 会見に出たことで「試合するんだな」というのを実感してきて、気持ちが高ぶるというか、盛り上がりましたね。

──準決勝で対戦する壱・センチャイジム選手ともやりとりがありましたが、そこでの彼に対する印象は?
大野 若いっていうのもあると思うんですけど、正直、ちょっと薄いなと思いましたね。まだまだ中身がついてきてないんじゃないかなと。自分はもう32歳で、いろいろ経験もしてきたので、全部で圧倒して勝ちたいなと思います。

──壱選手の試合についての感想は?
大野 すごくうまいムエタイの選手だと思いますし、テクニックはすごくあると思います。なので、そこに関してはリスペクトはしてるので、しっかり対策して試合に挑みたいと思っています。

──どういう試合をして、どう勝ちたいですか?
大野 うまいのは確かなので、簡単には倒させてもらえないと思うんですよね。しっかり対策を練っているので、作戦を少しずつ、淡々と実行して倒しに行きたいと思っています。

──反対側の2選手についてはどう思っていますか?
大野 炎出丸選手とは対戦したことがあって、森岡選手のことはあまり分からなくて、試合もあんまり見たことがないんですけど……正直、今はまだ先のことは考えてないです。自分は1試合1試合に集中しちゃうタイプなんで。先のことを考えていても、この準決勝で勝たないことには始まらないですからね。

──前の試合から2年半ほど空いてますよね。それは?
大野 最初はちょっとケガがあって、治してる期間中にコロナの時期に入ってしまったんですよね。さらに僕が結婚して子供が生まれて……とか、いろんなことが重なっちゃって、それで月日が流れてしまったという感じです。

──その間、練習はどんな感じだったんですか?
大野 最初の方はできてなかったんですけど、そのうちにやれる環境を作っていって、練習し始めた感じです。だから今は問題なくできてます。

──そのブランクが空く前にも、SNSで「進退を考える」というような発言がありましたよね。
大野 一つ前の江幡塁戦(2019年8月)で負けて、その次(同年12月、昭彦戦)がドローだったんですけど、その2試合の試合内容に、自分の中で落ち込むものがあって、「これはちょっと上を目指せる内容じゃないんじゃないか」と思ったんです。それで、そろそろ引退の時期なのかなと思って、そこから試合間隔が空いてしまったので、「このまま引退でもいいんじゃないか」と思った時期もありました。でも時間が経って、やっぱりこのままじゃ終われないんじゃないかと考えるようになって、やめるにしても最後にもうひと花咲かせようと思って復帰した感じです。

──ブランク後の復帰戦になりますが、それだけの自信が回復したということですか?
大野 毎回そうなんですけど、自信のないままリングに上がるということはあり得ないですし、勝つ気ではいるので、ブランクも今は正直そんなに感じてなくて。毎試合毎試合、レベルアップして戦っているつもりなので、今回も何かしら進化したところを見せたいなと思っています。

──その復帰戦が、いきなり王座決定トーナメントということになりました。それについては?
大野 それは本当に、宮田プロデューサーや山口代表が自分を選んでくれたということに感謝しかないですね。こんなブランクが空いた選手を使うってことはなかなかないと思いますし、ここで自分が変な試合をしてしまったら、自分が叩かれるだけじゃなくて、その人たちが「こんなヤツ使うの?」と思われてしまうじゃないですか。だから自分がいい試合をすることによって、そういうことを言わせないという面もあるので、いろんなものを背負ってこのリングに上がらなきゃいけないなと思ってます。

──一方で、壱選手は「自分のためのトーナメントだと思っている」と発言していました。そこをひっくり返すつもりなんですよね。
大野 はい。むしろ壱選手には、そこをもっと強く言ってほしかったぐらいです。「誰かのためのトーナメント」をぶっ壊すのでないと面白くないじゃないですか。アンダードッグって言われてる以上は、誰かに噛みつかなきゃいけないんで。「自分のためのトーナメント」だと思ってるものをぶっ壊すっていうのが、自分の仕事ですからね。だからもっと、「自分のものだ」と言ってほしかったです。

──その方がやり甲斐がもっとあったと。
大野 そうなんです。だから「大野貴志のためのトーナメント」じゃダメなんですよ。今回は「壱・センチャイジムのためのトーナメント」で、その壱選手と初戦で当たるというところが、自分にとってはとても好都合ですね。

──今回勝って、さらに12月の決勝戦で勝つと、久々に腰にベルトが戻ってくることになりますね。
大野 本当にそうなんですよ。ずっとスカスカだったので、久々に腰にベルトがある感触を味わいたいなと思います。自分は何本かのベルトを巻かせてもらってるし、いろんな状況をさんざん味わってるので、プレッシャーとかも特にないですし。あんまり緊張するタイプでもないですからね(笑)。

──あと、10月1日からTOKYO MXでの地上波レギュラー番組も始まります。その直前の試合ということになりますが、そこについては?
大野 テレビって重要だと思いますし、ましてその一発目って大事だと思うので、自分の持ち味をうまく見せられるような、インパクトのある試合ができたらなと思います。それがいいきっかけになれば。

──いろんな意味で、勝つしかない状況が揃ってますね。
大野 いつも言ってますけど、自分は倒すことしか考えてないので。判定もいらないと思ってるぐらいですからね。判定で勝ってもお客さんもうれしくないだろうし、何より自分が一番うれしくないですし。相手が「二度とやりたくない」と思う試合をしたいですね。

──では最後に、当日の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
大野 自分にしかない殺気と、怖さですね。最近の選手にないところだと思うので。うまいのもいいんですけど、「この選手、昔っぽいな!」と思ってもらえれば。自分は所属が士道館というのもありますし、「昔、こういうヤツいたよね」っていうところを見せられればと思います。

──時計の針を巻き戻す的な?
大野 そうです、そうです! そういう空気を感じさせる選手たちも、どんどん引退しちゃってるじゃないですか。なので、自分がその最後の1人になれたらと思います。自分が勝って、会場を昭和のキックボクシングの空気に戻してやりますよ!

──分かりました。ありがとうございました!

<第4試合 第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント・準決勝 3分3R(延長1R)>
森岡悠樹(北流会君津ジム)MORIOKA Yuki
94.3.9生/千葉県木更津市出身/28歳/175cm/オーソドックス/18戦10勝(4KO)7敗1分
 vs.
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者) HIDEMARU
82.10.4生/沖縄県中頭郡出身/39歳/167cm/オーソドックス/71戦33勝(5KO)30敗8分
元J-NETWORKスーパーバンタム級王者

◇森岡悠樹
「ベルトまであと一歩という実感があります。そこから抜け出したい!」

──まず今回のトーナメント参加選手4人の顔触れを見て思うことは?
森岡 最初、トーナメントのオファーが来た時に、壱・センチャイジム選手はいるだろうなと思って、彼にリベンジするのが自分の目標かなと思っていたんですが、準決勝の相手の炎出丸選手については意外でしたね。彼が来るとは思ってなかったので。最近はBLACKルールで戦っていたし、もっと強い選手が来るのかなと思ってたので。

──もっと強い選手……。
森岡 僕が1回負けている古村光選手とか、そういったところが来るのかなと思ったんですよ。だからちょっと残念というか……「ああ、そこか」と。

──ただ、炎出丸選手はキャリアも実績もある実力者ではあると思いますが。
森岡 もう70戦以上やってるんですよね。試合動画を見ても、倒されてるイメージがあんまりなくて、ガードとかディフェンス、それから首相撲で相手を崩すうまさはあるのかなとは思います。僕は前回、石川直樹選手と対戦して、あれがここ最近で一番ハマらなかった試合なんですよね。一応、自分のペースでできてると思ってて、判定も大丈夫かなと思ってたらドローになっちゃって。そういう気持ちでいたこと自体も含めて、最近で一番反省してる試合なんです。次は炎出丸選手を相手に、変わったところを見せられればと思っています。

──一番警戒するのは首相撲だと思いますが、身長差という点では森岡選手に有利ですよね。
森岡 まあ、首相撲はもともと苦手なわけでもないので。ただ、いつも「倒して勝ちたい」という気持ちが上回っちゃうんですよ。今回も倒すことを狙っていくか、どうしようかと思っていて。

──トーナメントなので、勝たないとつながらないですしね。
森岡 だからと言って、距離を取って勝ちに徹するような試合をしていたら、決勝でどちらが上がってきても勝てないと思うんですよ。なので、会見でも言った通り、しっかり差を見せて勝ちたいんです。ここでそれができなければ、決勝でもダメなんじゃないかと思って。この試合にはそれぐらい懸けてやろうと思っています。

──会見でも「自分が一番下」という発言がありましたが、4人の中では唯一、タイトル経験がないということになります。
森岡 そうなんですよね。タイトルも獲ったことないですし、戦績も自分が圧倒的に下ですし。だからこそ、自分が上がっていった方が面白いんじゃないかと思うんですけど。

──言い換えれば、初めてになるだけにタイトルがほしいという気持ちは一番強いかもしれないわけで。
森岡 はい。間違いなく、今回その気持ちは自分が一番強いんじゃないかと思います。

──昨年の今頃は「新宿FACEを卒業したい」ということが一番のテーマでした。そこから考えると、後楽園ホールで王座決定トーナメント参戦というのは大きな進歩ですよね。
森岡 『KNOCK OUT』が新体制になってからは、ずっとチャンピオンクラスと試合をさせてもらっていて、そこは本当に自分としてはどんどん成長しているなという実感があります。このトーナメントはその成長を見せたいというのもありますし、最後は間違いなく倒して勝ちたいんですけど、一番戦績も低くて、唯一タイトル経験もない自分が一人ずつ倒していく姿を見せられればと思っています。

──そのために一番必要なものとは?
森岡 炎出丸選手から会見で「スタミナがない」と言われてましたけど、そこは自分でも自覚していて、しっかり仕上げてきました。またこれまでは、パンチに自信があったので、パンチで倒そう倒そうとしすぎていたんですけど、ここ何戦かでチャンピオンクラスはそれだけでは倒せないなというのがよく分かったので、パンチ以外の攻撃のレベルもどんどん上げてきました。

──パンチにつなぐ攻撃、ということですね。
森岡 はい。最後はパンチで倒したいんですけど、パンチが生きるような攻撃を磨いてきたので、そこを見せたいと思います。その手応えもしっかりあるので。

──トーナメント全体としては、壱選手中心に動いている感がありますが、そこについては?
森岡 自分は壱選手には1回負けてますし、反対側のブロックから勝ち上がってきてほしいという気持ちはあります。彼はあんなに言えるだけの実績を『KNOCK OUT』で作っているので、前評判がそうなるのは仕方ないと思うんですよね。ただ、そこをひっくり返すということは、自分を含めて他の3人は全員狙ってると思います。

──あと2つ勝てばチャンピオンです。
森岡 本当に、『KNOCK OUT』に出始めた頃からは考えられないぐらい、自分が上がっていってるのが分かるんですよね。対戦する選手のレベルも上がっていってるので。引き分けだったり延長で負けてしまったり、勝ち切れていなくてもあと一歩のところまで来ているという実感はあるので、そこをこのトーナメントで抜け出せればと思っています。

──成長を確認すると同時に、殻を破るトーナメントになりそうですね。自分がベルトを巻いている姿を想像したりはしますか?
森岡 前回の試合が他団体でのタイトルマッチだったんですけど、これだけベルトが目の前に来ているので、最近はさすがに想像するようになりました。1年前とかは、その想像もできなかったんですよ。そう考えると本当に近づいて、『KNOCK OUT』のベルトも目の前に来てるんだなと思います。

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントは?
森岡 最後はパワーでねじ伏せてやろうと思ってるんですけど、そこまでの過程を見てもらいたいと思います。いろんな新しい技を用意してますので、そこに注目していただければ。

──分かりました。ありがとうございました!

☆炎出丸
「40歳でタイトル獲得して、『KNOCK OUT』に刺激を与えたい!」

──このところずっと、「BLACKルールで最後のタイトルを」というお話を伺っていましたが、REDルールでタイトルのチャンスが巡ってきました。
炎出丸 はい、正直僕もビックリしました。オファーが来て一瞬、躊躇はしたんですよ。BLACKでと決めてやっていたので、自分の言ったことに対してブレるなと思っちゃって。そこで、自分のことを深掘りしてみたんですよ。「どうしてBLACKを目指したのかな」と。同門の小笠原瑛作がREDのベルトを持っていて、僕が目指すところがなくて。僕も年齢が年齢で、モチベーションを維持する材料としてとにかくベルトを目指そうと思って、BLACKに挑戦したんですよね。

──そういうお話でしたよね。
炎出丸 その時に、瑛作が返上するというのを聞いたんですけど、まさか僕にオファーが来るとは思ってなかったのでビックリしたんですよ。ただ、本質的にベルトを目指すという点では一緒なので、そこでパッと切り替えて「獲りにいこう」と思って。今回のトーナメントはみんな強いし、壱・センチャイジム選手と大野貴志選手には過去に負けて悔しい思いもしているので、すぐに決めさせてもらいました。

──もともとREDルールは……。
炎出丸 得意ですね。BLACKルールの試合では、ヒザを使いたくなる場面でも、なるべく使わないようにと考えてて戦ってたので、いよいよ自分本来の試合ができるというのはあります。

──準決勝の相手は森岡悠樹選手です。印象は?
炎出丸 勢いのある選手ですよね。この階級でもかなり高い身長で、リーチもあるので、ナメてもないし、強い相手だと思ってます。

──警戒する点は?
炎出丸 パンチを中心とした右の攻撃ですね。リーチがあるので、予想以上のところから飛んでくると思うので、そこは警戒しています。

──炎出丸選手が得意の首相撲に、この身長差がどう影響するんだろうと思うんですが……。
炎出丸 正直、影響するとは思います。ただ、BLACKに比べて組みにいきやすいルールなので、作戦は立てやすいかなと。ヒザで倒すとかじゃなくても、削ったりすることもできますし、消耗させることはできるので。BLACKだと、そうしてると「逃げてるのかな」という印象になって逆にマイナスになったりすることもあると思うんですけど、そういう部分では、僕が持っている「組める力」というのをうまく使っていければなと思っています。

──会見では相手のスタミナ面を警戒していました。
炎出丸 そうですね、スタミナはないと思っているので、その弱点は突いていきたいです。そこは逆に、僕が自信のあるところなので。今回、山口元気会長がミットを持ってくれていて、いろいろ対策を立ててくれているんですけど、これは何年ぶりだろう……? ほとんど初めてかもしれないです。

──そうなんですね。ジムに在籍して長いのに。
炎出丸 今まではタイ人のトレーナー主体でやっていて、会長は横で指示をしてくれている感じだったんですよ。でも今はそのトレーナーが帰省していて、会長がミットを持ってくれているんですよ。そのミットの中で相手への対策をいろいろとやってくれていて、それが僕の中で今ハマっているんですね。なので、試合のイメージがかなりできてきています。

──それは心強いですね。
炎出丸 今までよりもアドバイスがスッと入ってくるんですよね。会長も僕の調子がすぐ分かると思いますし。だから今まで以上に入ってきますし、体を張って時間を使ってやってくれているので、ありがたいですし、気持ちがより強くなれているというのを自分の中で感じてます。会長はどう思っているのか知らないですけど(笑)。

──ジム随一のベテラン選手ですし、会長も優勝させたいでしょう。
炎出丸 タイ人トレーナーとやるよりも細かい作戦が立てられますし、リズムもムエタイとはまた違うので、いろいろ取り入れることができていて、本当に自分の中でハマっている感がありますね。

──そもそも小笠原選手が返上した王座なので、他のジムには渡せないというのもあるんじゃないですか。
炎出丸 それももちろんですし、僕自身、有終の美を飾りたいという思いが強いので。会見でも言いましたけど、今回、地上波番組も始まるじゃないですか。そこで、ありきたりの選手が優勝してもつまらないと思うんですよ。ギャップがないと。ここで一発、僕がギャップを見せたいなと思ってます。

──ギャップですか。
炎出丸 12月の決勝の時点では、僕は40歳になってるんですよ。こんなベテランが、どうしてここでタイトルを獲れるんだっていうのを見せて、『KNOCK OUT』に刺激を入れたいなと思うんですよ。もちろん、若い選手がどんどん出てきて活躍してもらわないと盛り上がらないというのもありますけど、ここは僕が起爆剤として、「この年齢でトーナメントに優勝してタイトル獲得したのか!」と、他団体の選手たちにも驚かれるぐらいのものを見せたいんです。

──決勝については、どちらが上がってきても炎出丸選手にとってはリベンジマッチになるんですね。
炎出丸 そうですね。どっちも強いし、今回の森岡選手も強いので、誰と当たっても関係ないです。というか、そんな余裕はないです(笑)。

──次の試合まで1週間ほど、そして決勝までは3ヵ月近くあります。トーナメントを制するのに、一番必要なものは何でしょう?
炎出丸 勢いとかは、若い選手はみんな持ってるじゃないですか。そうじゃない、僕だから必要なものは「執念」だと思ってて。今回も、どんな勝ち方でもいいから「どうやったら勝てるか」というのを練習しているので、執念を持って臨むのが一番だと思ってます。客観的に見れば、僕が不利だとは思ってるんですよ。みんな強いし、うまいし。ただ、格闘技ってそれだけじゃないじゃないですか。それは重々承知してるので、そこを突いて「甘くないよ」というのを見せることを、常に考えています。

──では最後に、今回特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
炎出丸 僕が久々にヒジありルールに帰ってくる試合なので、「ああ、やっぱり炎出丸はヒジありルールだとこんなにイキイキするんだ」というところを見てほしいですね。全然違うじゃん、と。

──分かりました。ありがとうございました!

<KNOCK OUT-BLACKライト級/3分3R・延長1R>
般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)HANNYA HASHIMOTO
94.3.16生/佐賀県嬉野市出身/28歳/167cm/サウスポー/20戦8勝(4KO)8敗4分
 vs.
庄司啓馬(TEAM TEPPEN)SHOJI Keima
97.3.29生/福岡県福岡市出身/25歳/174cm/オーソドックス/12戦4勝(1KO)8敗

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級/3分3R>
向井貫太(WSRフェアテックス三ノ輪)MUKAI Kanta
96.8.25生/東京都足立区出身/25歳(試合時は26歳)/174cm/オーソドックス/10戦4勝(2KO)5敗1分
 vs.
久井大夢(TEAM TAIMU)HISAI Taimu
05.9.23生/大阪府羽曳野市出身/16歳(試合時は17歳)/170cm/サウスポー/1戦1勝(1KO)
KNOCK OUTアマチュア・アダルト65kg優勝(2022年)
KNOCK OUTアマチュア・アダルト60kg優勝(2021年)
KNOCK OUTアマチュア・アダルト55kg優勝(2021年)

<第1試合 KNOCK OUT-BLACKフェザー級/3分3R>
前田翔太(WSRフェアテックス三ノ輪)
 vs.
古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)

※出場選手はケガ等により変更となる場合があります。