S・タイガーまさかの敗戦で至宝流出! ストロングスタイルプロレス真夏の惨劇に間下起つ!!

 8月25日(木)後楽園ホールにて『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.18』が行われ、メインイベントのレジェンド選手権試合で王者・スーパー・タイガーが真霜拳號にまさかのホール負けを喫し、至宝のベルトが2AWに流出する事態となった。

 ストロングスタイルプロレスとして初の8月開催の大会は、同団体にとって真夏の惨劇とでも言いたくなる結末が待っていた。
 第1試合では、提携団体ワールド女子プロレスディアナの新鋭ななみが、PURE-J女子プロレスの前女王・Leon相手に8分超の大善戦。続く第2試合では、ストロングスタイルプロレス不動のNo2、間下隼人が初参戦の入江茂弘を相手に一歩も引かず、力と力のぶつかりあうド迫力ファイトを展開。難敵・大和ヒロシを必殺のFSR(フィッシャーマンズスープレックスライオット)で沈めた。

ななみはLeonに果敢に空中戦を挑んだ

間下がFSRで大和ヒロシを捕縛

 第3試合では女子部門を統括するジャガー横田が、初参戦で意気込むSAKI&沙恵組を相手にキックの乱れ打ちを見せ、最後は巧技で貫禄勝ち。

ジャガー組は初参戦コンビに快勝

 ここで初代タイガーマスク/佐山サトルが登壇し、猪木vs.アリ戦を裁いた故・ジーン・ラベールレフェリーへ北沢幹之さん、ターザン山本氏、平井代表らと共に顕彰の10カウント。ここまでは、順調な大会だった。

ジーン・ラベールレフェリーに10カウントが贈られた

 しかし第4試合で現アジアパシフィックヘビー級王者の将軍岡本がフェへリーストップ負けを喫して歯車が狂い出す。セミファイナルでは、タイガー・クイーンが場外へムーンサルトプレスを見舞うなど勇躍したがDarkerZ悪の連携を止められず。パートナーであるディアナのタッグ王者、梅咲遥がフォール負けの事態となった。

将軍岡本はレフェリーストップ負け

梅咲は悪の連携に絡め取られた

 ストロングスタイルプロレスとしては、残暑厳しいコロナ禍の中後楽園ホールに集ったファンのためにも、メインイベントのレジェンド選手権試合で王者、スーパー・タイガーが防衛を果たしての大団円を迎えたいところ。しかしその想いと裏腹に、スーパー・タイガーは外敵、真霜拳號の垂直落下式ブレーンバスターで3カウントを聞くまさかの結末。至宝レジェンド選手権のベルトは2AWへ流出することとなった。

 しかしこの非常事態に、間下隼人が双眼に闘志をみなぎらせてマイクを掴む。そして勝ち誇りベルトを手にした真霜拳號に
「何を侵略完了みたいな顔をしてるんだ! 」
とベルト奪還に名乗りをあげる。

さらに、
「オマエはスーパー・タイガーより強いのか?」
との真霜拳號の探る様な発言に対し、
「俺はスーパー・タイガーより強い! 」
と断言。

「俺の眼の前で証明してみろ、俺が認めたら挑戦させてやる」
との言質を引き出し、
「俺が証明してやる。兄弟子の借りはこの俺、間下隼人が返す! 絶対さっきの言葉を後悔させてやるぞ! 真霜拳號、勝手に侵略したつもりか?俺が絶対ベルトを取り返す! 」
と、有言実行で獲られたベルトの早期奪還を宣言。真夏の悪夢に堕ちたストロングスタイルプロレスは一筋の光明を見出し、初の8月大会を終えることとなった。

 追いすがるメディアに脚を止めた間下隼人は宣言通りベルトを奪った真霜拳號のプロレスブレーンを認めつつ、
「ただ、スーパー・タイガーに無いものを俺は持ってるから。次取り返す…この間下隼人が。兄弟子の借りを、弟弟子の俺が返す。兄弟弟子として、長い間苦労を共にして、それがスジでしょう。俺が真霜拳號を追いかける! 覚悟しとけ」
と、静かに、しかし力強く口にして控え室へ。

 その場に居合わせた平井代表は、間下隼人の大きくなった背中を見送ると、感慨深げな表情で
「間下は本当に成長して、強くなってくれた」
と洩らし、ストロングスタイルプロレス秋の反転攻勢へ向け、決意を新たにして締めくくった。

平井代表

ニコニコプロレスチャンネルアーカイブ配信URL
https://live.nicovideo.jp/watch/lv338214366
※第2試合まで無料試聴可能

■ 初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.18
日時:8月25日(木) 開始18:30
会場:東京水道橋・後楽園ホール
観衆:756人(満員札止め=主催者発表)


開始前に行われたタイガー・クイーン初の公式グッズ販売&サイン会に大勢のファンが列を作った。

<メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
【王者】
●スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)
 16分59秒 垂直落下式ブレーンバスター⇒体固め 
〇真霜拳號(2AW)
【挑戦者】
第15代王者スーパー・タイガーが防衛に失敗。真霜拳號が第16代王者となる。


 真霜拳號は会見で
「前回の試合後にレジェンド王座のベルトへの挑戦を表明したんですけれども。正直言うと、このストロングスタイルプロレスのリングでは全く実績を残してなかったんで、すぐに挑戦は無理かな…とも思っていたんですけども」
と、心境を吐露した。

8・25後楽園ストロングスタイルプロレス、メインはS・タイガーvs.真霜レジェンド王座戦!

「プロレス」の会見では異例の発言だと思ったが、そこには「ストロングスタイルプロレス」でスーパー・タイガーを「闘う」ことへの覚悟が感じられた。
 一方、平井代表やストロングスタイルプロレス実行委員会の側に実績を不問にさせた背景には、受けて立つスーパー・タイガーの真霜拳號戦へ賭ける想いがあっただろうことは想像に難くない。
 遡る事6年前の2016年4月、スーパー・タイガーと真霜拳號(当時はKAIENTAI DOJO)は全日本プロレスの『第36回チャンピオンカーニバル』へ参戦した。開幕戦で秋山準を竜巻蹴りで失神KOという衝撃のチャンピオンカーニバルデビューを果たしたスーパー・タイガーは、優勝した関本大介に勝利したものの、最終戦で真霜拳號に敗れ、6点でリーグ戦を終えている。
 

 6年前のスーパー・タイガーは、格闘家、武道家としてプロレスのリングで「闘い」を見せるという前例のない挑戦をしていた時期。スーパーヘビー級のレスラーに匹敵する肉体改造を行い、プロレスラーとして大きく成長した今のスーパー・タイガーにとって、真霜拳號のベルト挑戦は、願ってもない6年越しの雪辱のチャンスだった。

 6年振りの再戦は、序盤、ストロングスタイルプロレスならではの、静かな激しいグラウンドの極め合いでスタート。

 総合格闘家としてのグラウンドテクニックとスピードに、パワーが加わったスーパー・タイガーとの極め合いを不利とみたのか、真霜拳號は場外戦へ誘う。

 ラフ殺法で真霜拳號ペースを掴みかけたかに見えたが、反撃したスーパー・タイガーが椅子にもたれかからせた所に強烈なミドルキックを一閃。


 
 椅子ごと吹っ飛んだ真霜拳號はリングサイドとスタンドを隔てた鉄壁に後頭部を打ち付けて悶絶。まさに会見で真霜拳號が
「一瞬でも油断したら殺られる、一発で持っていかれる」
と評したスーパー・タイガーの怖さが表れた衝撃のシーンだった。
 手応えを感じたスーパー・タイガーは、フィニッシュへ向け真霜拳號をリング内へ戻すと自信もエプロンに登る。しかし驚異的な回復で立ち上がった真霜拳號がロープ越しにドラゴンスクリューを見舞ってスーパー・タイガーは悶絶。すかさず脚四の字で膝に追い打ちをかける。


 痛撃が故に判断を誤り、逆に右膝に大ダメージを負ったのはスーパー・タイガーにとって皮肉な展開だった。その後何とか反撃し、果敢に膝蹴りやスープレックスを繰り出すも、右膝の踏ん張りが利かない為に決定打とはならず。逆に真霜拳號の垂直落下式ブレーンバスターで完璧な3カウントを聴くこととなった。




 真霜拳號へ強烈なアピールを見せた間下隼人に対し、スーパー・タイガーは無言で会場を後にした。
 膝と頭部へのダメージは無論、真霜拳號に2連敗となり、宣言通り至宝のベルトを奪われた精神的苦痛も心配だ。
 しかし前回藤田和之に敗れレジェンド王座を失った2019年とは、明らかに状況が違うのも確かだ。団体の浮沈を独り背負っていた3年前と違い、成長著しい間下隼人にベルト奪還を任せられるし、新たなファンを開拓しているタイガー・クイーン、提携団体のディアナの存在もある。何より、一敗地に塗れて花道を去って行く背中へなお、ファンからの大きく温かい拍手があった。
 厚みを増した戦力とファンからの期待を受け、さらに大きく、強くなったスーパー・タイガーが必ず捲土重来を果たす。そう断言できる。
 

<セミファイナル タッグマッチ 60本1本勝負>
タイガー・クイーン(ストロングスタイルプロレス) ●梅咲 遥(ワールド女子プロレス・ディアナ)
 14分42秒 リバースタイガードライバー⇒片エビ固め
ダーク・タイガー(DarkerZ) ●ダーク・チーター(DarkerZ)
※セコンド:ダーク・パンサー(DarkerZ)


梅咲遥は
「ストロングスタイルプロレスでは結果を残せていない」
とうつむいて唇を噛み、タイガー・クイーンはノーコメントで控え室に消えた。

<第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
船木誠勝(フリー) 〇関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
 17分14秒 胴締めスリーパー⇒レフェリーストップ
関本大介(大日本プロレス) ●将軍岡本(フリー)


「大先輩にまだまだ駆け出しのプロレスラーをサポートしていただいて、何とか勝てたんで」と謙虚な関根“シュレック”秀樹に、船木が「今がチャンス。まだまだとか言ってると時間はドンドン進んでいっちゃうから。出来る時に(ベルトを獲りに)いった方が良いから」と、背中を押した。


 10カウント顕彰の後、ゲストから初代タイガーマスク/佐山サトルへ花束が贈呈された。
(左から)3代目ミニスカポリス・大原がおりさん、初代タイガーマスクマスコットガール・野尻栞理さん、映画ファンには『戦国自衛隊』丸岡正男一士役でお馴染み倉石功さん。(右から)健康料理研究家、通販コンサルティングとしても活躍している保阪尚希さん、シンガーソングライター・杉山清貴さん。

<第3試合 タッグマッチ 30本1本勝負>
〇ジャガー横田(ワールド女子プロレス・ディアナ) 青木いつ希(ショーンキャプチャー)
 13分02秒 レッグロールクラッチホールド
SAKI(初参戦/ COLOR’S) ●沙恵(初参戦/柳ケ瀬プロレスLadius)

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
〇間下隼人(ストロングスタイルプロレス) 日高郁人(ショーンキャプチャー)
 11分12秒 FSR(フィッシャーマンズスープレックスライオット)
入江茂弘(初参戦/フリー) ●大和ヒロシ(フリー)

 会見での宣言通り、間下隼人は入江茂弘と互角のぶつかり合いで魅せる。






 以前はとにかく猪突猛進、ガッツの選手だったが、ウエートアップと同時にプロレスラーらしい打たれ強さ、テクニックも目を見張る成長を遂げた。今回もコーナーから場外に飛ばされて椅子に座るギミックで客席を湧かせる余裕も見せた。


  
 入江茂弘との応酬に
「同世代でやり合える相手を待ってた」(※入江34歳、間下36歳) 
と、手応えを語った間下隼人。レジェンド王座奪還の暁には、防衛戦の相手としても浮上しそうだ。  

<第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
〇Leon(PUREーJ女子プロレス)
 8分45秒 マッドスプラッシュ
●ななみ(ワールド女子プロレス・ディアナ)


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