アルカディウシュ・ゾセクがTKO勝ち!KSW 73

(C)KSW/Polsat

 8月20日(現地時間)にポーランド共和国ワルシャワで『KSW 73: Wrzosek vs. Sarara』が開催された。
 KSW(Konfrontacja Sztuk Walki=コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ)は、ポーランドの総合格闘技団体。団体名はポーランド語で「総合格闘技が激突する」という意味。2009年に地上波Polsatで生中継されたKSW 12は、視聴者数650万人を記録しサッカー EURO 2012に抜かれるまではポーランドのスポーツ中継で史上2位の記録だったほど欧州最大のMMA団体となっている。2017年には本拠地ポーランドで6万人を集めた大会を成功させ、欧州最大のMMA団体として存在感を示している。
 今大会のメインはあのバダ・ハリと二度の激戦を行い、一度目は逆転KO勝ち、二度目はファンが暴動を起こして試合中止となった話題のキックボクサー、アーカディウス・ゾセクがMMAデビュー戦を行った。しかも対戦相手も同じくキックボクサーでK1欧州大会でも活躍、師匠はアーネスト・ホーストというトマシュ・サララ。つまりキックボクシングの選手同士が総合格闘技で激突するというまさにKSWらしい夢のカードとなった。バダ・ハリとは挑発合戦を繰り返したゾセクだが、今回は試合開始前にサララとフェアにコンタクトを交わして、試合がスタート。キックボクサー同士なので打ち合いになるも、サララがカウンターの右を決めてゾセクがダウン、サララがマウントポジションを奪いマウントパンチで1Rは圧倒した。しかし、2Rにゾセクが逆襲。凄まじいラッシュを見せてサララを金網に追い込んで膝蹴りから滅多打ち。遂にサララが前のめりに崩れ落ちるとグランドで上を奪って殴り続けた。なんとかサララもなんとか耐えて、3Rとなり、サララが前に出て攻めるも、2Rのダメージからか足がもつれる。しかしゾセクもスタミナが切れて、2Rの様な猛攻は出来ず、攻めあぐねる。しかし、最後はゾセクがサララを金網に追い込んでパンチラッシュで、サララが棒立ちになっているところでレフェリーがストップ。ゾセクがKSWデビュー、MMAデビューをKOで勝利を飾った。試合後、バダ・ハリ戦と違ってゾセクはサララと健闘を讃え合い、会場も37歳というベテランでポーランドの格闘技界のパイオニアであるサララの頑張りを讃えて大会は幕を閉じた。
 セミファイナルは地元ポーランドのダニエル・ルトコウスキが元UFC戦士のブラジル人、レジナルド・ビエイラが対戦。まさに、地元選手対メジャー団体経験者の外敵という図式のカードが組まれた。最も下馬評はルトコウスキが圧倒している。試合はグランドで上を奪ったルトコウスキが試合を有利に進めて判定勝ちしている。

■ KSW 73: Wrzosek vs. Sarara
日時:2022年8月20日(現地時間)
会場:ポーランド共和国ワルシャワ

<ヘビー級>
○アルカディウシュ・ゾセク(ポーランド)
 3R 3分55秒 TKO
●トマシュ・サララ(ポーランド)

<フェザー級>
○ダニエル・ルトコウスキ(ポーランド)
 判定
●レジナルド・ビエイラ(ブラジル)

<ミドル級>
○ラドスワフ・パチュスキ(ポーランド)
 1R 2分40秒
●ジェイソン・ラドクリフ(英国)

<女子フライ級>
○カロリーナ・オウツァーツ(ポーランド)
 判定
●ナタリア・バッチンスカ(ポーランド)

<82キロ契約>
○クリスティアン・ビエルスキ(ポーランド)
 2R 1分48秒 TKO
●イオン・スルドゥ(モルドバ)

<97キロ契約>
○ボグダン・グニッコ(ウクライナ)
 1R 0分05秒 TKO
●ダミアン・ピワワルチック(ポーランド)

<83キロ契約>
○ドミニク・ハンバーガー(チェコ)
 2R 2分30秒
●ボリス・ボルコウスキー(ポーランド)