[ファイトクラブ]Sエスコバ有終美Heat Wave英国タイラー・ベイト&ブレア・デボンポート

[週刊ファイト8月25日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼Sエスコバ有終美Heat Wave英国タイラー・ベイト&ブレア・デボンポート
 (c) 2022 WWE, Inc. All Rights Reserved. 編集部編
※現在エントリー作成中

■ WWE NXT2.0 HEAT WAVE
日時:8月16日(現地時間 日本WWEネットワーク木曜以降)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center


 PPV級のマッチメイク編成やサプライズを並べた特番『HEAT WAVE』である。この名前にピーンと来た方は少なくないと思っていたが、画面にこそ登場しないも、やはりポール・ヘイマンの声での紹介がオープニングを飾った。旧ECW、夏の風物詩だった大会名である。そして2時間番組で最重要な一発目、イタリアのキザ男を演じるジョバー二・ビンチが、NXT北米王者カーメロ・ヘイズに挑戦する王座戦から。やはり中身が太鼓判のカードを切ってきた。
 入場にはビンチの顔入りTシャツを炎のドラム缶に投げ入れるヘイズなんだが、ビンチもまたヒールなんだからお客さんの反応も楽しみになった。
 日本からの視聴者は丸一日WWEネットワークへのアクセスが遅れるため、USAネットワーク局での放送結果も判明しており平均視聴者数723,000人、視聴率も0.18%に跳ね上がってる。驚きはない。だいたいこのところ米国用のCM切るだけでなく90分枠に納めていたのに、今回のは1時間33分25秒と、オーバーランをいとわずに流していた。本誌は詳細紹介に努めるだけだ。


 例によってトリック・ウィリアムスの介入によってビンチは丸め込まれるのだが、本誌が何度も活字にしたようにいつ召集されてもオカシクなく、元ファビアン・アイクナーからのキャラ・チェンジが成功したことになろう。またトリプルH政権になったので、せっかくNXTで築いたキャラが一から変えられることもない。もっとも、番組のトーンとしては特番とはいえ王座移動とかにはしない気配を感じ取ったものだ。


 つまりはショックバリューとか、サプライズで売っていく回であり、ジュリアス・クリードが週末に公開したSNSで「決断する」との予告があったことの番組上の再紹介を経て、やはりロデリック・ストロングのダイヤモンドマイン追放宣言という、分裂劇が起きるのである。それにしてもアンディスピューテッドの仲間たちに奥さんのマリナ・シェーファーまでがAEWで、冷や飯を食わされている憐れなロデリックさん。だいたいダイヤモンドマインは彼から始まったのに、ハッチ鈴木秀樹は解雇、マルコム・ビベンズは現AEWのストークリー・ハザウェイである。クリード兄弟はあとから補充された格好だったのだが・・・そして誰もいなくなった?


 サプライズはNXT UKのガラス(ジョー・コーフィー&マーク・コーフィー&ウルフギャング)が突然襲撃で、気まずい雰囲気を全員ボコボコにすることでチャラにするんだが、1つに英国カーディフでのスタジアム大会があり、当然NXT UKの選手も出るからとの宣伝があろうが、もう1つにNXT UKは次の集中テーピング収録がキャンセルになり、続くのかの大きな問題もある。困ったことなのだが発表があり、2023年からNXT Europeになるそうだ。但し、NXT UKはやはりお休みに入るらしい。
 ということで、ガラスは現NXT UKタッグ王者のカウボーイ組ジョシュ・ブリッグス&ブルックス・ジェンセンにも喧嘩売ってました。なるほど。


 コーラ・ジェイドとロクサーヌ・ペレスの遺恨戦は、竹刀バシバシやり合うんだが尺が短く、ややあっさり目だったかも。もっともウェイド・バレット解説員によれば、この二人はインディー時代から一緒にサーキットしていたそうで、番組上のストーリーじゃなかったのか。それは知りませんでした。もちろんヒール転向のコーラが勝ってます。はい。
 ちなみにコーラは現在、NXT王者のブロン・ブレイカーと付き合っているんだが、専門記者はともかく、そんなゴシップまで知っているマニア層は視聴者総数の1%もないと思うんだが・・・。メインに登場するブロンの会場入り映像が挿入されて、Toxic Attractionがからかうスキット、なんの意味だか大半にはわからないかと。1%を喜ばすのってWWE好きやなぁ(笑)。


 さて、サントス・エスコバvs.トニーD(ディアンジェロ)の決着戦である。サントスが勝利すればファミリーから晴れて自由の身に。しかし負ければNXT追放になるというお題目だ。ただ、ウェイド・バレット解説員が「NXTで苦節3年のサントス」と先に漏らしてしまっている。ある程度のフォロワーなら、ケツわかってしまったかもなんだが・・・。
 まぁそれはイイ。約束のベストマッチ賞が火を吹き、そして肝心なのは会場が大ヒートしていくのだ。見たかこの大声援と熱狂! お客さんがサントスに感情移入している。これが崇高なる底なし沼芸術プロレスなのだ。


 トニーのクロウバー攻撃でエスコバが沈む。しかし、フォールが入った際の観客の一斉の落胆の声を聞いたか。ここには敗者はいない。プロレスはお客さんとの真剣勝負である。そして闘った両者が勝者になれる稀有なスポーツ芸術なのだ。サントスは卒業した。有終の美であった。


 インディ・ハートウェルが、解雇されたのにSmackDownに呼び戻されたデクスター・ルミスからのイラストのラブ・レターにニヤニヤしていると、そこに出てきたのがNKT UKのブレア・デボンポート(ビー・プレストリー)である。現地放送2月3日のは、里村明衣子から女子王座を奪う予定で、本誌も朝4時からリアルタイムで見たんだが着地に失敗して不運なことに。ウェールズのスタジアム決戦なのだろうか。
 今回の顔見世はイラストを破きながら、「私が未来のNXT女子王者よ」と挑発する。ガラスの3人に続き、また英国勢の来襲である。しかし、HEAT WAVEのサプライズはこれだけではなかったのだ。

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン